燃料補給

2023-07-26 06:21:55 | 音楽&本&映画
どうも最近自分の写真が面白くない。
写真を撮るという行為は自身のアーティスティックな何かを消費することのように思う。
写真を撮るばかりなので、どんどん消費され、枯渇しかかっているのではないか。
そんな感覚である。
外部から芸術的エネルギーを補給しないと、何も撮れなくなってしまいそうだ。
そんな時の補給源のひとつが映画鑑賞。
他者がアイデアを絞って作り出した見慣れぬ映像から刺激をもらうのだ。
別に小難しい映画である必要はなく、自分の知らない映像イメージに触れられればいい。

ちょうど「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」が公開されたところなので、大画面で観てきた。
まずは作品そのものの感想を。
少しだけどネタバレご注意。
ハリソン・フォードが歳取っちゃったので、舞台は時の進んだ1960年代後半。
人が宇宙に行ってしまう時代。
冒険の最後に設定される超常現象も、オカルトや古代の超文明ではなく、時間に関する科学的なもので、時代背景にあったいいアイデアだった。
超常現象部分が荒唐無稽なのは分かっている事なのですんなり納得できるのだが、いつも気になるのは現実的にあり得そうなシチュエーションで、よく考えたらそうはならないでしょ的な場面。
今回も、おいおいそれって本当?と思わせる箇所が山盛り。
各登場人物の行動に向かう動機の描写も弱い。
でも頭から開き直ってる感があったので反対に気にならず。
心の中でツッコミを入れるだけにして単純に楽しんだ。

さて、芸術的エネルギーは手に入れる事ができたのか。
映像はこれまでのアクション映画で出てきたあらゆる場面のオンパレード。
息もつかせぬ手に汗握るシーンがたっぷり。
でも新たな感性を拡げる元となるのは、そんなアクションシーンの合間にある繋ぎの場面だ。
そこで物語の背景や環境、人物の関係性が説明される。
落ち着いて見られるそんなシーンの描き方で心に残るイメージや印象が決まる気がする。
特殊効果を使っているのだろう遺跡のシーンより、インディの住んでる部屋や大学の講義室の映像が良かったな。

映画を観た直後はもっとたくさん映画を観るべきだよなあと思うが、上映時刻に縛られるので行きにくく、時間が経つとそんな気持ちも冷めていく。
別の方法として中古でいいからDVDソフトを買うのもありだな。
映画館で観るのと違って好きな時に何度でも観れる。
そのうち新鮮味がなくなると今回の目的には使えなくなるけど。
最近は覚えておくということが出来なくなって来たから、少しでも興味を持った映画はメモに残しておいて、ソフトが安くなった頃買えるようにするとしよう。


ウェイ・オブ・ウォーター

2022-12-28 06:22:31 | 音楽&本&映画
夏頃にアバターの続編が12月に公開されると知り、12月か、だいぶ先の話だなあ、と思っていたら12月がやってきた。
いつもの如く、過ぎればあっという間だ。
IMAXで上映しているうちに観ておこうと早速観てきた。
その感想について。
以下ネタバレあり、観てない方はご注意あれ。



映像はもう文句なし。
とてもきれいだった。
副題にもある通り、今回は海が舞台。
海洋生物と意思疎通してより広い範囲を行動する。
前作の空を自由に飛び回る爽快さは、水中の浮遊感に変わり、透明な水の煌めきがとても美しかった。
森の中の不思議な生き物たちは海底のサンゴやイソギンチャクに取って代わり楽しい。

ストーリーには前作ほどのインパクトはなし。
同じ舞台背景で作れば、目新しさはないからそうなってしまうのは致し方ないところか。
主人公のジェイクはネイティリと子供を沢山作って、家族で幸せに暮らしていた。
そんな平和が戻ったパンドラ星にまた地球人が大挙してやってきて、再び戦いが始まるのだが、今回は物量にモノを言わせて地球の開拓部隊は拠点をしっかり作ってしまい、ジェイク達はゲリラ的な抵抗をするに留まっている。

どの程度の脅威がパンドラの自然に及んでいるかは描かれていない。
4部作に分けてシリーズ化するらしいので、見所は分割して使う必要があるのだろう。
抵抗運動に手を焼いた開拓部隊は前回戦死したクオリッチ大佐他の兵隊の記憶を植え込んだアバターを用意して、ジェイクを殺害しようと動き出す。
自分が部族と一緒にいることで部族に危害が加わることを避けるため、ジェイク達家族は遠く離れた海に住む部族のもとに秘密裏に身を寄せる。
そこでの家族の絆を描いた物語と言って良い。

続編となると必ずと言っていいほど子供が出てくる。
これはなんだろう。
物語に変化を与えるためなんだろうけど、他に案はないのだろうか。
時間の経過を示す必要もあるから自然な成り行きなのかもしれないが。
なので今作では子供が重要な役割を持つ。
子供が出てくる映画のハラハラさせどころは、大人からすれば考えの浅い子供達のやんちゃな行動である。
そしてその行動の結果得られる味方が大人達を助ける大きな力となる。

子供達と同年代の友達が、森の部族と海の部族間の文化や見た目の相違から、仲違いし仲直りしという流れの中、物語は進んでいく。
その辺りはナヴィの部族しか出てこないので、地球上の同様の物語をパンドラという異星を背景にみているという相違があるだけ。
前作のような種族間の強烈な断絶と融和は出てこない。
上映時間がとても長くてもう少し短くできないかと思うが、この辺りの背景を描くためにはそれだけの時間が必要との判断か。

今後の物語の鍵は、前作で死んでしまったグレースが産んだ(なんで産めるんだ?)父親が謎の子供。
それからクオリッチ大佐の忘形見が担いそうだ。
1話だけで評価するのでなく、4話合わせてどんな物語なのか見ないといけないのだろう。
公開延期にならなければ2年に一度新作リリースされるらしい。
楽しみにしておこう。



食べ物に関する漫画だから目に留まったのかな

2022-08-12 07:34:59 | 音楽&本&映画
久しぶりに手に入れたい、と思う漫画が存在していることを知った。
雑多なネットニュースをチェックしていたら、漫画のアニメ化の話題があって、普通なら読み流していただろうその記事に、ふと引っかかるものが。
漫画の作者は九井諒子とある。
くいりょうこ?
知ってる名だ。
誰だっけ。
ああ、ずいぶん昔に買ったなんとかテラリウムという本を書いた人でなかったか。
調べてみると果たして「ひきだしにテラリウム」という漫画の作者だった。
とぼけたストーリーがたくさん載ってる分厚い短編集で、とても気に入った作品だった。
当時この短編集以外に作品を書いていないか探したと思うが、見つからなかった。
それもそのはず、寡作な作者らしく、「ひきだしにテラリウム」を含めて短編集が三冊と、今回アニメ化される「ダンジョン飯」の初めての長編が一作だけしかないとある。
道理で見つからないはずだ。
しかし漫画の質は高く、「ひきだしにテラリウム」は2013年の文化庁の漫画賞を受賞してるし、「ダンジョン飯」は2016年の各種おすすめ漫画ガイドで軒並み一位を獲得してたらしい。
「ダンジョン飯」は2014年から連載開始してる。
うーん、知らなかったなあ。
で、この物語、冒険系ロールプレイングゲームなんかで出てくる剣士と魔法使いが魔物を倒しつつ、ある目的を達成せんと進む道中を描いてるらしいのだが、主題はその道中で食べる食事の方。
なんと倒した魔物を料理して食べるその調理法やら料理の味わいなんてのがメインらしい。
おお、面白そう。
冒険系RPGは一つ二つやったくらいなので、そんなに詳しくないが、スライムくらいは知っている。
一部分だけマンガのシーンを見たが、とぼけた会話は変わっていない。
「ひきだしにテラリウム」の時より詳細に描きこんでいる場面もあるようだ。
一冊づつ購入して楽しんでいきたいと思う。
問題は発刊済みの12巻を読み終えた後。
まだ連載継続中らしいが、掲載誌が年に10回発刊するモノらしく、継続巻を待ちわびることになりそうなこと。
まあ仕方ない、待つのも楽しみにして過ごすことにしよう。


大画面で見るべき映画

2021-11-06 18:12:42 | 音楽&本&映画
ヴィルヌーブ監督の「DUNE/デューン 砂の惑星」がようやく公開となった。
ようやくというのは昨年の今頃、年末公開予定との情報を得たが、待てど暮らせど公開の報に出会わず。
日本での公開は何か理由があってできなくなったものと思っていた。
実はアメリカでも公開が延期されていたことをこの夏知った。
そうだよな、アメリカでだけ公開して日本はしないなんて、こんな話題作であり得ないよな。
一年もの月日を経ての公開。
鑑賞してきたので、感想を記しておく。
リブートした映画なので、ストーリーはもう知られているからネタバレはほぼ無いに等しいし、公開からもうひと月になろうとしてるけど、知りたく無い人は以下注意。

若い頃、デイヴィッド・リンチ監督の「DUNE/砂の惑星」(以下、前作)を見た。
失敗作との評価である事が有名だが、原作を知らない視聴者としては充分面白い作品だった。
今作はどう作られているのだろう。
見終えてまず思ったのはとても素直に物語を受け入れられたなあということ。
すっと染み込むように身体に入ってきた。
忘れている部分もあったが、ストーリーや設定をほぼ知っているというのが大きかったのか。
砂漠で生きるために着るスーツが前作とほとんど同じイメージだったり、惑星アラキスの砂漠のシーンの既視感が強かった。
スーツについてはたぶん原作にこんなこんなでと詳しく書かれていて、その通りに作るとああなるのかな、と思った。
砂漠だから当然背景は砂しかないし変えようのない部分。

そんな同じ部分もありながら、やはり違いを発見しつつ見る面白さの方が優った。
アラキスの砂漠の移動手段としてトンボのように羽ばたいて飛ぶ飛行機械が出てくるのだが、これがまた本当に飛びそうで、前作で羽ばたいてる飛行機って出てきたかな?と印象になく、一番の違いに思えた。
特撮技術は当時より飛躍的に向上し、もうなんでも表現できる今の時代、文句の付けようがない映像だった。
戦う時身体に纏い、急な打突を弾くバリアも自然な感じで表現されてるし。
ひとつだけ、むむ?と思ったのは砂虫が砂に潜る際の砂の飛び散り方。
砂虫に襲われかけ、岩山に逃れたポールのすぐ後ろを砂に潜るのだが、あの勢いなら砂の飛沫がもっと飛ぶのではないかと思った。
海を泳ぐ巨大なみみずみたいなイメージだから、砂が水に見えるんだよな。

今作は二部作の前編で、前作より時間をかけて表現できるので、深く人物や環境、背景を描けていたのではないかと思う。
主人公のポールは線の細い青年で、まだその秘めた力を発揮する前。
公爵家の跡取りとしての自覚はあるが、リーダーシップをとって積極的に前に出る感じでは無い。
父親が存命中だから当然そうなんだろうけど、成長途中のそんな状態をうまく演じてたと思う。
ポールの剣術の先生(だったと思う)にダンカンという人物がいる。
ポールが敬愛し兄のように慕う人物で武芸に長けていて、今回はポールと母のジェシカを守るため、獅子奮迅の活躍を見せる。
前作ではあっという間にやられちゃったので拍子抜けしたが、今作は遺憾なくその実力を発揮していてかっこいい。
ダンカンがアトレイデス家との関係を取り持った砂漠の民の生き方についても掘り下げられている。
後編では彼らがより重要な場面で登場してくるのだろう。

あと映像も美しい。
砂漠は人が生きるにはとても厳しい環境だが、同時に美しくもある。
そんな砂丘のなんとも美しい映像が挟まれ目を癒やしてくれる。
ポールたちの住む家は広いのだが、シンプルでいて洗練されたデザイン。
惑星に降下するたくさんの巨大な宇宙船。
広場を埋め尽くす出撃を待つ兵士たち。
とにかく壮大な規模の物語であることを感じさせる映像で溢れ、しかも緻密に描かれている。
最後はポールが砂の民に受け入れられたところで終わった。
後編では立場を変えて宇宙の救世主としての役柄を演じるのだろう。
物語のキーとなるアラキスで産するスパイスはあまり前面に出てこなかったが、後編ではどうだろう。
次作公開が楽しみである。

<これは胡椒>



夏休み最終日

2021-08-20 07:37:45 | 音楽&本&映画
事前の予定は特に入れずにおいた最終日。
体力を使わず、家にいる以外でなにかできないか考える。
そうだ、映画を観に行こう。
(公営の)テニスコートも映画館も、同じ緊急事態宣言下なのにOKの時もあればNGの時もある。
基準はなんなんですかな。
現在上映中の映画から「フリー・ガイ」というのを選択し鑑賞。
少し非現実に逃避できるのがいいなと選択したが、まずまず面白く見れた。
以下ほんの少しネタバレあるので、知りたくない方は要注意。



映画はよく見る方では無いが、いい加減長く生きているとそれなりの数になる。
主に見るのはハリウッドの娯楽映画なので、結末は大体似たり寄ったりだなあと分かってくる。
勧善懲悪、気になる二人の恋愛成就、家族愛や友情、コミュニティの連帯感アップといったものが描かれる。
だから変化を楽しめるのはそれを描く舞台だと思っている。
如何に舞台設定するかが映画人のアイデアの出しどころ。
遠く彼方の宇宙に、未来の地球、中世の時代劇、魔法の国やタイムトリップ。
「フリー・ガイ」ではオンラインゲームの世界、コンピュータの中が主な舞台となる。

ゲームの概要を少し書いておくと、プレイヤーはアメリカに普通にあるような架空の都市で、掠奪することでお金やアイテムを得、経験値を高めるというもの(ひどいな)。
主人公のガイはゲーム内に設定されたモブと呼ばれる一般市民。
そんな暴力渦巻く街の銀行員で、友人のガードマンと同じ行動を繰り返す毎日を送る。
考えたなあと思ったのは、そんなモブ達は略奪され、暴力を振るわれることを日常の当たり前の出来事として気にも止めずに生活していること。
ヘリコプターが機銃掃射しているビル街を平然と会社に出勤し、日に何度も銀行強盗に遭い床に伏せながら笑顔でガードマンとアフターファイブの話をする。
何かの拍子に死んでしまったら、自宅のベッドで次の日?の朝からリスタート。
また同じ内容の日を送る。
コンピュータプログラムなのでその通りだなあと思い、実写で映像にすれば確かにこういう描き方になるよなあと納得。

掠奪するのはプレイヤーで、モブとの違いはサンガラスをしていること。
ひょんなことからこのサングラスをかけたガイはプレイヤーにしか見えない物体(ゲームのアイテム)がこの世に存在する事を知り、他のモブ達とは一線を画する登場人物として成長していく。
そんなガイと、ガイをゲーム内で知能?をもった登場人物と知ったゲームプレイヤーとのやり取りが面白おかしく作ってあった。

現実世界ではそのゲームのベースとなるソフトウェアを作ったプレイヤーと、そのソフトウェアを不正に自分のものにしたゲーム会社の経営者とのいざこざがあるのだが、こちらでの出来事はいろいろとイチャモンをつけたくなる展開だったりする。
しかしあちらの世界の出来事はゲームの中の出来事で、言わばなんでもあり。
そのことをうまく使って展開するので、ふんふんそう来たかと楽しめる。
どうも私は辻褄の合わない部分に突っ込みを入れたくなるようで、あちらの世界の部分はそれを感じないため素直に鑑賞できたようだ。

そんな自己分析をして、夏休みはあっという間に終わってしまったのだった。


なかなか収穫の多い日になった

2021-07-12 22:34:51 | 音楽&本&映画
鑑賞した写真展は「鷹野隆大 毎日写真 1999-2021」。
大阪で本格的な写真展が見られるのは国立国際美術館の展示くらい。
見逃すわけにはいかない。
鷹野隆大の写真を見るのは初めて。
いろんなテーマで撮影する人のようで、パターンの違う写真が展示されていて、部屋ごとで視点が変わり面白かった。
実験的撮影を行い考察している、と解説されていたが、それの芸術性をどのように評価すればいいのか分からない。
こういった芸術はやっぱり私には理解がむずかしいのである。



観覧後、ミュージアムショップを覗いてみた。
写真展の期間中だからだろう、写真に関する本や雑誌のバックナンバー、写真集がたくさん置いてあった。
普通の本屋さんには置いてない特殊な?本ばかりで、もしやと思い順にチェックしていったら、書評かなにかの情報から読んでみたいなあと思いメモしていた本があった。
「沈黙とイメージ - 写真をめぐるエッセイ 竹内万里子 赤々舎 3300円」
よい写真とはどんなものなのか知りたくて、説明してくれている本かネット記事はないかと昔探していたとき目をつけた。
パラパラと拾い読みするとそれらしき事を書いてありそう。
うーん、3300円か。
単行本をあまり買ったことのない私にはなかなかの値段である。
しかもこの本、右からも左からも読めるようになっていて、左からの記載は英語である。
章立てを比べると右からの日本語表記と同じなので、英語でも同内容を読めるような凝った造りになっているのだ。
英語側の半分は読まないなあ。
日本語だけで作ってくれたらもっと安く出来たろうに。
などと文句を心の中で呟きつつ、買う事にした。
大事にカバンにしまい、家に帰る前、コーヒーを飲んで一服するとき少し読んでみた。
序文に、欲しかった答えのひとつが載っていた。
おお、いいぞいいぞ。
この後の本文を読むのが楽しみである。


逃した魚は

2021-06-18 06:26:25 | 音楽&本&映画
見たいと思う映画は少ないのだが、そう思う映画を2本続けて見逃している。
両方とも写真家のドキュメンタリー映画だ。
一つ目は「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」。
結構昔に公開された映画で、当時はそこまで見たいとは思わずスルーしていた。
この冬、京都でソール・ライターの写真展開催に合わせ短期間公開されていた。
京都の名画座的映画館でやっていて、その日はその映画を見るつもりで京都に行ったが、ついでに写真展も見てやろうと写真展を見た後映画館に行ったら、チケット売場に満席の札がかかっていた。
あれま、そんなに人気があったの?
絶対がら空きだと踏んでいたのに。
(後で座席をネット予約できたことを知る。)
何しに京都まで来たんだと自分に文句を言って帰ってきた。

二つ目は「過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道」。
これは最近公開のものだが、やはり公開期間がとても短い。
大阪ではシネ・リーブル梅田でやってたのだが、緊急事態宣言下で平日しか開館せず、昨日が終映日だった。
あと2週間長くやってくれたら見れたのに。
写真家のドキュメンタリーに縁がないようである。
またやってくれないかな。

<女木島名画座>



最近の文庫本の選び方

2021-05-29 22:26:14 | 音楽&本&映画
本を買わずとも図書館で借りて読めることを覚え、いっとき図書館を度々利用していたが、コロナもあって脚が遠のき、今はまた昔のように書店で文庫本を購入し読んでいる。
読み終えると次の本を職場近くの小さな本屋で物色。
通勤時間帯だけでしか読まないので、読書量は大したことなく、買うのは2〜4週間に一度くらいだろうか。
本の分厚さと面白さによる。

このところまずまず面白い本を入手できていると思う。
昔は誰か好みの作風の作家を見つけると、その人の別の作品が売っていれば次の選択肢の上位に上がった。
最近はそうでなく、読んだことのない作家の本ばかり選ぶようになった。
前の選び方だと、物語は違うのだが、表現方法や展開がやはり似通った感じを受け、この人の物語のベースはこの部分にあるのだなと分かってくる。
シリーズ物なら良いが、全く違う物語を読んでるのに既視感を感じるとつまらなく思うようになった。
中にはホントに同じ人が書いてるの?と思わす、とんでもなく差異がある小説を読ませてくれる作家がいたりもするが、そんな人を見つけられればラッキーだ。
そんな理由で読んだ事のない作家の本にばかり手を伸ばすようになった。

知らない作家なので当然どんな小説を書くのか分からない。
裏表紙や帯に書かれた情報から選ぶしかなく、なかなかのギャンブルである。
それでも本として世に出される小説なので、そんなにおかしなモノは無いはずで、あまりハズレを引くことなく楽しめている。
書き方の特徴をつかむまでは不安なまま読み進めるが、山谷を何度か過ぎて物語の進め方が分かってくると、作家毎の才能の発現のあり方の多様性に出会え、感動するのだった。
ストーリーだけでなく、展開の仕方や語調まで、新たな架空世界に連れて行ってもらえ、毎回新鮮に読ませてもらっている。

<一番最近撮った本はCafeの備品だった>



いち・さん・ご

2020-12-18 01:57:38 | 音楽&本&映画
YouTubeってほんとにいろんな動画がアップされてるんだなあ。
もっぱらパソコン作業時のBGMとして音楽系の動画を再生させてもらっている。
音楽メインなので、画像は静止画だったりするから、動画であることは少ないけど。
その日はいつものクラシックやインストゥルメンタルを聞く気分でも無く、インデックスに並ぶ顔から何気に選んだのが薬師丸ひろ子だった。
おー、懐かしい。
知っていたのは3曲ほど。
次に選んだのが中山美穂。
昔カセットテープにベスト曲集を録音してよく聴いていたので、どの曲もしっかり覚えていた。
そうだ、身近にカセットテープを聴ける音楽環境が無くなって久しい。
昔はドライブする時は車でカセットテープの音楽を流して辺りに憚ることなく大声で歌っていたっけ。

あの頃聴いてた中で、ふと「135」というバンドがあったのを思い出した。
たぶん一番のヒット曲の「我愛你」という歌が頭の中で再生され、聞いてみようと「135」で検索してみた。
するとファースト・アルバムの「135」がまるまるアップされてるチャンネルが見つかった。
表示された収録曲名は「我愛你」以外すっかり忘れていたが、ああ、こんなのあったなと記憶が蘇ってくる。
しかし曲名からはメロディラインは浮かんでこず、順に聞いてみた。

聞けば思い出す、そうそうこんなだった。
一度思い出すとその曲が終わって次の曲が始まる前に次曲出だしのメロディが頭に浮かぶようになった。
あれだけ聴いてたら忘れてしまうということは無いんだなあ。
普通に歌謡曲な歌もあるのだが、私が好きなのは異国情緒ある曲調のもの。
異国といっても遠く離れた知らない場所ではなく、血が覚えている・・けど行ったことのない懐かしい土地の音、と言えばいいのか、うまく表現できない。
長い演奏の続くアルバムでもなかったので、暇に任せて全部聴いてしまった。
いやいや、懐かしかった。

同じようにカセットに録音して持っていた飯島真理のアルバムをYouTubeで探して見つけられなかった覚えがあるので、当然全ての歌が聞ける訳ではないのは分かる。
けど、こんな風にご無沙汰している歌と再会できるかもしれない。
当時のカセットテープは押し入れの何処かにまだあるはずだ。
気が向いた時、アルバム名や曲名のインデックス代わりに探してみようか。