はい、チーズ。

2012-10-29 22:01:49 |  ’12秋休み
'12秋休み その12

私のカメラはミラーレスであるが、コンデジに比べれば一眼レフっぽいので、名所で撮影していると他の観光客からシャッターを押してくれ、とよく頼まれる。
そんなカメラを持っているのだから、上手く撮ってくれるだろうと思うのだろう。
デジカメになって、撮影直後にどう撮ったか確認してもらえるので、撮られた方々の表情や会話から、気に入ってもらえたかどうかが分かる。
自慢では無いが、ご期待をあやまたず撮影して差し上げていると自負している。
あれ、自慢になってるな。

今回の旅でも、2度撮影を依頼された。
2度とも金髪の美しいスラリとした海外の女性だった。
外国の人にも私から滲み出る「上手く撮ってくれそう」なオーラが見えるらしい。
一人目は陽明門下の階段の上だった。
ニッコリ笑って私の前に立ち、スマホを差し出しシャッターとして触れるべき場所を指差す。
輪蔵を背後に見下ろすように撮れと言う(ジェスチャーオンリー)。
スマホを向けると満面の笑みである。
おー、日本人とは違うなあ。

撮ったけど、スマホはシャッターボタン半押しでピントを合わせるなんて出来ないので、顔は多分少しピンボケているはず。
結果を確認したお姉さん、微妙な顔をしていた。
初めて不本意な結果に終わったか。
もう一枚、鐘楼を背後に見上げるように撮れと言う(ジェスチャーオンリー)。
「ピントが合わないよ。」と日本語でつぶやきつつ撮ってあげる。
陽明門はすでに撮っていたのかもしれないが、渋い背景を選びはるなあ。
スマホでの写真の撮り方も勉強しておかねば。

もう一回は神橋の横で。
共通拝観券で観れるところは全て見学し、遅くなった昼食を食べるべくお店を探しに東へと歩いた。
歴史のありそうなお店で名物らしい湯葉料理をいただいて、駐車場へ帰る途中。
国道の日光橋から並行に掛かる神橋の方を見ると、強烈な西日が目を焼いた。
大谷川が日の光を反射してまぶしい。
撮影撮影。



撮り終えて歩き出そうとすると、またしても目の前に異国の美女が微笑んで立っている。
こちらは彼氏と旅行中のようで、神橋を背景に二人を撮れとカメラのシャッターボタンを指差しつつ私に差し出す(ジェスチャーオンリー)。
「イエス、イエス。」(気の利かない私のセリフ)
カメラはキャノンのEOSだった。
スマホで頼まれたのも初めてだったが、一眼レフで頼まれたのも初めてだ。
でもまだこちらの方が扱い易い。

光学ファインダーを覗いて撮ろうとすると。
うわお。
欧州(たぶん)の人は日本人と違う。
カッコいい彼氏は彼女の腰に手をやり、自分の方に引き付ける。
彼女は当然のように彼氏に体を預け、ピッタリとしたパンツを履いた脚の膝は軽くくの字に折り曲げる。
二人でふふと微笑む様は、もう雑誌の表紙を飾るモデルさんのようである。

撮影結果を美女に確認してもらうと、眉を上げ「オー、ナイス、サンキュー。」と言いつつ、彼氏に液晶を見せる。
彼氏も以外なものを見るように「ナイス」といい、私に目でうなずいてくれた。
へへん、どんなもんだい。
ドヤ顔してあげた。
その時「ユーアーウェルカム」のセリフが出てこなくて、後で「なんてえ英会話力だ」と嘆いた。
とまあ、こんな感じで日光は最後まで良い思い出を残させてくれた。


家康公のお墓

2012-10-28 21:58:03 |  ’12秋休み
'12秋休み その11

残念ながら共通拝観券で東照宮の眠り猫は見る事は出来ない。
別料金が必要。
520円だったかな。
眠る猫の背後に、猫なら襲うだろう雀が襲われることなく戯れているのが彫られていて、徳川時代の平和を表しているらしい。
猫の彫物見るのに500円とはなんて高い、そんなに価値があるのか。
と疑問だったが、こんなところまで来たのだからと自分を説得し入場、写真に収めておいた。



撮った後気付いたが、眠り猫の欄干下を通って家康の墓所まで入る事が出来るらしい。
なるほどそれならその値段も納得出来る。
墓所までは杉の巨木の林を抜け、階段を上り、奥深くへと分け入る。
結構な距離がある。
途中の道の柵や階段は石造りで、ひとつひとつがひとつの石からできている。
まあ贅沢。
小学生は石段の数を数えるのに夢中だ。



家康公の墓所の前には神社(奥社)がある。
ここでは家康公は神様だ。
神社は青銅に漆塗?
黒光りしていて渋い。
いい写真を撮らせてもらったので、お礼のお参りをしておいた。



神社の奥には家康公の墓所があり、その時は見学可能。
さすがにお墓そのものを撮影する気にはならず、墓所を一周し、帰途についた。
石造りの参道は薄暗い。
とても深い森の中にある。
思い出しても墓所の威容はあきれるばかりの贅沢さだ。
戻ってきた参道入り口からの眺めは、東照宮の瓦の重なりだった。



日暮門に着く前に日が暮れるぞ

2012-10-26 20:32:02 |  ’12秋休み
'12秋休み その10

翌日、8時から拝観可能らしいので、7時半に駐車場に車を止めた。
平日の朝早くだし、さぞかし空いているだろうと思ったが、はや小学生の修学旅行か遠足の団体が前を歩いていた。
何時に起こされたんだ君達は。
すごいスケジュールを組んでるな。



その日は日光東照宮を参る。
赤い仁王様が睨みを効かす表門を入り、でっかい倉庫(三神庫)に沿って左に曲がると、早速足止めだ。
馬小屋があって(と言っても立派だが)、壁に猿の彫物がある。
有名な三猿はこんな所にあったんだ。
屋内にあるものと思っていた。
これも知らなかったのだが、猿の彫物は三猿以外にも複数あって、生まれてから自分の子を産むまでの一生で教訓となる事どもを表現しているそう。



時間をかけて写真を撮っていたら、小学生の団体が次々とやって来る。
取り巻かれるのが嫌で、やって来る度場所を明け渡す。
だいたい10人位のグループで行動しており、一人ガイドさんが付いていて説明する。
長くそこにいたので、違うガイドさんの違う表現の同じ内容の説明を何度も何度も聞いて、猿の彫物の逸話に随分と詳しくなった。



後ろのグループからも上神庫の軒下に彫られた想像の象の話が何度も聞こえてきた。
建造された頃、象はまだ日本におらず想像で作るしかないので、隠れているはずの耳が外を向いているように作ってしまったそうな。
そんなのもあるのか。
面白いところだ。



そうこうしていたら境内を歩く人がすごい数になっていることに気付いた。
平日なのに…。
休日に来たらどういうことになっているのだろうか。
小学生が一番多く、次にパッケージツアーなのかお歳を召した方々の団体旅行客、そしてやたら目につく外国人旅行客。
欧米の観光客がとても多い。
さすが世界遺産。



猿と象の写真を撮ってたすぐ先に陽明門がある。
のに、陽明門の一枚目の写真撮影時刻は10時14分だ。
今日も遅々として歩みが進まない。
午後に戦場ヶ原を歩こうと思っていたが、無理だなこれは。

家光公のお墓

2012-10-24 23:08:34 |  ’12秋休み
'12秋休み その9

那須から東北道を南下、宇都宮から日光宇都宮道路に入り、日光東照宮を目指す。
日光ICで降り損ね、終点の清滝ICまで走る事になった。
最近あまり地図を見なくなっちまった。
道路の行き先表示を見て、この辺か、と適当に曲がり角を判断してしまう。
結果は大抵大間違い。
老化現象のひとつの現れだろうか。

そんな訳で日光山内を西側から見学する事になった。
西参道から山域に入る。
拝観受付所があったのでそこで共通拝観券1000円を購入。
みんなこれで入るのだと思っていたら、寺社毎単独でも入れたよう。
でも、複数見学するつもりなら共通拝観券がお得。
知らぬ内にラッキーした。

<共通拝観券>


さてまずは特に考える事無く輪王寺大猷院に入った。
家光を祀っているらしい。
仁王門をくぐるまでは赤い建物ばかりで、イメージ通り派手な所だなあと思っていた。
日光は今回初めて。
近くには何度も来ていたが、見るまでも無いとハッキリ言って価値を認めていなかった。
しかし門から奥へ入って行くと、沢山の大きな灯籠と苔むした石壁、細かな細工の門や楼が次々と現れ、いつの間にか撮影に夢中になっていた。
派手なんだろうけど時を経ており、豪奢だけど落ち着いた佇まい。
目の前も右も左も、歩く度一瞬の休む間も無く目を奪う対象が現れる。
この広さでこの被写体密度はこれまで訪れた先に無い。
恐るべし、徳川家。
恐るべし、家光公。
存在するもの全ての造りは手が込み、進む度に見える角度、配置が変わり、またカメラを向けたくなる。
ちょうど太陽が背後の山に落ちる間際で、光が差したり翳ったり。
様々な表情を見せてくれた。

<大文字草咲く石壁>


<夜叉門へ>


<鼓楼と灯籠>


<夜叉門と唐門>


<門の装飾>


拝殿内は撮影禁止(残念)。
壁も天井も天井からさがる装飾物も、視界に入るありとあらゆる物がコリコリに凝った造りで、まあすごかった。
東照宮はもっと絢爛豪華なんだろう。
皇嘉門を見て本殿横の通路に出ると、城壁かと思わせる高さの石壁に三方を囲われていることに気付いた。
ここは墓所なんだと再認識させる眺めだった。

<墓所を囲う石壁>


購入した共通拝観券の対象を見て回るのに、半日ではとても足りない。
なんとありがたい事に共通拝観券は2日間有効。
東照宮はまた明日だ。
このところ山に遊びに行かず、普通の観光地と鉄道ばかり遊び先に選択しているので、山には嫌われ、反対に一般観光地には愛されているのか…。
堪能した。

山麓駅再び

2012-10-23 23:38:11 |  ’12秋休み
'12秋休み その8

早々に宿に入り、早々に床に入った。
翌日朝食後、再び那須岳へと向かう。
天気予報は曇のち晴れ。
関東の東方沖を北上する台風19号の影響で、沿岸部は強風とのこと。
それなら山は大丈夫か。
今日は行けそう。

なわけなかった。
ロープウェイ始発に間に合うかどうかという時刻。
昨日と同じ上り坂を急ぐ。
途中からまた雨が降ってきた。
駐車場到着がちょうど8時。
間に合わなかったか!、と建物に飛び込むと、…何やら様子が変。
乗り遅れたお客さんが何人もいる

ではなくて、運行していないんだ。
切符売場に貼り紙があり、案内の放送が入った。
台風の影響で風が強く危険があるため、運転休止中らしい。
そいつは困った。
雨は昼から上がるだろうからいいとしても、ロープウェイが動いてくれないとなあ。
運転再開を暫く待ってみる事にした。

しかし強風は収まらず、山頂駅で安全運行の目安となるらしい風速25mを超え続ける。
1時間かければ歩いて登れるが、帰りにまだ運休状態だと、予約してしまっている今夜の宿に時間通り辿り着けない。
そんな脚力もたぶん無い。
もともと那須岳は風が強い所らしく、特に峰の茶屋跡と言う場所は天気が良くても強風の吹く風の通り道らしい。
山頂駅でそんな風なら、そこはどんな風が吹いているのだろう。
諦めるに諦めきれず、2時間近く待ったが駄目だった。
結局その日も登山は断念、翌日訪問予定だった日光を観光する事にした。



那須岳には過去2回来ている。
初めて来た時も雨で、やはり諦めたのだった。
二度目はなんとか晴れてくれた。
登山というより観光で、山頂付近だけジーンズでちょろっと歩いた。
今回2回とも断念したので、これで勝率は2割5分だ。
結構な低成績振りである。
だいぶ那須岳の神様に嫌われているらしい。
この後の旅の予定に登山はなし。
結局山は湿原散策だけになってしまった。



那須高原を下り、那須ICからすごすごと退散。
下界は天気良し。
途中の見晴らし台からは良い景色が眼下に拡がっていた。


沼ッ原湿原

2012-10-21 07:20:46 |  ’12秋休み
'12秋休み その7

沼ッ原湿原は那須岳の西側、沼原調整池の隣りにある。
地図に書かれていたそこへの道路はとても細かったが、実際走ってみると狭くて困るような所は無く、2車線部も長くとても整備されていた。
未舗装だけど駐車場もだだっ広い。
季節の良い時は人出が凄いのだろう。

<たぶん白笹山>


那須岳の方はガスが掛かっているが、雲は高くなり雨は降らなさそうだ。
歩いて20分くらいらしいが、折角持って来たので登山靴に履き替え出発。
駐車場横の公園から沼原調整池が見下ろせる。
その名の通り人工の池なので均された壁で囲われ、面白くはない。
林の中を下って行くのだが、熊出没注意の立看板が。
恐いなあ。
深い山中なんだなここは。
熊脅しの鈴をリュックに付け、チリンチリンと鳴らしながら進む。
すぐに登山靴を履いて来て良かったと思う。
湿原までの道は登山道と一緒で、ぬかるんでいる場所があった。

<湿原への道>


豊かな森であるらしい。
やっぱり山はいいなあ。
…熊さんが出なければ。
少しだけ期待した紅葉はやはりまだまだで、さっきの白笹山の緑が茶系に傾いて来たかなという程度。
ほどなく到着した湿原の草紅葉すらまだまだこれから。
(記事搭載した今が見頃なのでは)

<一番秋らしい所>


湿原はこじんまりと細長い。
木道はまだ新しく、白々とした木目のガッチリとした道が湿原上に延びていた。
…うーん。
私は古い木道の方が好きだ。
時を経て角が取れ黒く変色した道は、人工物であるにも関わらず自然に溶け込んで違和感がない。
そう思って歩いていたら、湿原の奥は古い木道が残っていた。

<湿原の実り>


お昼にする。
今回もおにぎりだが、適度な運動だったのかいつもの量では足りず(私は疲れていると食欲が湧かない)、菓子にも手を出してしまった。
他に歩く人はおらず静か。
やっぱり山はいいなあ。
…熊さんが出なければ。
折角静かなのに、たまに鈴を鳴らしておく。
花は終わり、紅葉はまだ。
気候はとてもいいのにオフシーズンだ。

<林内の木道>


代替案

2012-10-18 01:22:13 |  ’12秋休み
'12秋休み その6

那須岳から車で下り、殺生石の駐車場手前のカーブ左手に鹿の湯はある。
昔、那須を訪れた時、入りたくて探したのに見つからなかった温泉だ。
今回はあっさり見つかった。
なんでかな。

なんで…ここにいるかと言うと。
上河内SAで車中泊し、朝6時前、寝過ごす事なく起きれたのは良かった。
昨晩のTVではよろしくない天気予報だったが、SA上空は雲の隙間から青空が覗いていた、のも良かった。
意外とお天気良くなるかも。
期待しつつ北へ走り那須ICを降りたが、その辺から雲行きが怪しくなってきた。
那須高原を上って行くと、フロントガラスに時々雨が当たるように。
殺生石のカーブを曲がると霧が出てきた。
やはりダメか。



7時半に那須ロープウェイの山麓駅に到着。
山頂駅へ延びるロープは霧の中へ溶け込み、山頂駅は全く見えない。
那須岳登山はロープウェイを使い楽する予定だった。
始発は8時で、駐車場はガラガラだ。
天気が良ければ人の少ない良い山歩きが出来そうだったのに…。
予報通りなら今日はずっとこんな空模様だろう。
何も見えないんじゃ登っても面白くないよな。
カラフルなレインウェアを着た女性グループが、雨になっちゃったねー、と楽しげに話しながらやって来た。
こんな天気でも登るんだ。
元気だなあ。
私とは志しの高さが違うんだ。

結局その日は翌日行く予定にしていた沼ッ原湿原に行く事した。
那須岳の麓にあるので山の上ほど天気が悪い訳でないだろうし、すぐ近くまで車で行けるらしい。
那須岳登山は明日再挑戦だ。
でもまずその前に、時間はたっぷりあるので温泉に行こう。



という訳で朝風呂だ。
鹿の湯は昔ながらの温泉場で、建物も浴室も全て木製だった。
湯船の並ぶ浴場横の高い位置に脱衣所がある。
これこれ。
服を脱ぎながら見下ろすと、小さめの四角い湯船が2列に3つ、合計6つ並んでいる。
白濁した湯。
これこれ。

朝早いのにそれぞれの湯船の横に1人2人座って休んでいた。
泉質は酸性の硫黄泉で、ここの温泉の入り方は熱い湯に短時間入るものらしい。
浴室に降りた所に横長の湯溜まりがあり、非常に熱い湯が満たされていて、この湯を100~300回柄杓に汲んで身体に被る「かぶり湯」という入浴方を取るらしい。
こんな熱い湯、被れないよ。
その工程はパスして普通に湯船に入った。



壁の表示を見て分かったが、6つに分かれているのは浴槽ごとに温度を変えているからだった。
手前の私が入った湯船が一番低く41℃、そこから1℃ずつ上がっていくよう。
一番奥の表示は見えなかったので湯温上昇ピッチは推測だけど。
うまく私の好きなぬるい所に入れ良かったが、薬分が強いので長湯するなとの記載を真に受けて、早めに出ておいた。
私より先に来ていた人で先に出る人は皆無。
みんなぐったりと(そう見えた)休んでたけど、大丈夫なのかな。

東北道の夜空は広い

2012-10-16 01:46:57 |  ’12秋休み
'12秋休み その5

藤岡PAを出て、那須へ向かう。
いつの間に出来たのか北関東道というのがあって、関越道の高崎から東北道の岩舟まで東西に繋がっていた。
素晴らしい。
これがなければ関越道を外環まで上らなければいけないところだった。

平日夜の北関東道、空いている。
視界にトラックが1台2台、といったところ。
出口の案内表示は、伊勢崎とか桐生とか足利とか、昔旅した時に見た事があるような無いような地名が流れていく。
ゆっくりと走らせば、想いを巡らす余裕を持てる。
今自分は関東地方にいるんだ。
その感慨は若い頃この辺りを旅した記憶に結び付く。
深夜に東北道や国道4号を、車中泊する場所を探しつつ移動したものだった。

夜のドライブで聴くCDを流してみた。
夜(専)用のアルバムは複数あるが、今回は「安田成美全曲集」。
若かりし頃の安田成美が白い花束を胸に思いっきりソフトフォーカスしたジャケット。
女優として有名だが、デビューは歌手だったはず(違う?)。
アルバムのトップは「風の谷のナウシカ」である。
購入当初、その他の曲もファンタジックな世界を歌うものばかりなんだろうと思ったが、さにあらず。
アイドル歌謡の時代、恋の歌も入っている。

演奏はポワポワした電子楽器を多用してリズミカルだけど静かな曲調。
ドライブのBGMとして耳に慣れすぎいつも聞き流していたが、今回じっと聴いてみたら声に若い艶があって、可愛いではないか。
歌い方もかわいいのに(上手い訳ではない )、歌詞には「えっ」と思わせる男と女のやり取りが混じっていたりする。
なかなか恥ずかしい台詞である。
どうせなら純愛路線オンリで攻めて欲しかったなあ。
…まあ、それもいい。

学生時代、夜更かしする部屋で聴いていたからか、車で聴くときも夜ばかりだった。
夜のイメージしか湧かないアルバムである。
東北道も私には夜のイメージが濃い。
聴覚と視覚と記憶の夜が共鳴し、ただ移動するだけの時間を甘酸っぱい時に仕立ててくれた。


夜の遊園地

2012-10-14 22:38:50 |  ’12秋休み
'12秋休み その4

翌日に早朝から那須岳を歩くべく、夜の内に移動して那須に近づいておく。
那須近くで車中泊だ。
野辺山から佐久へと下り、上信越道に乗る。
上信越道から関越道へ向かうが、峠を越えて下りだすと、延々と下り坂である。
しかも急勾配。
逆方向に向かうトラックは上るの大変だ。
こちらはありがたく燃費を伸ばさせてもらう。
ごっつぁんです。

あ、眠くなってきた。
藤岡PAに入り、仮眠を取る。


むう…。
起きたら外は真っ暗け。
10分20分眠るだけのつもりだったのに、何時だろう?
21時だ。
3時間も眠ってしまった。
疲れてたのか。
こんなに寝ちゃって今晩この後眠れるかな…。
カラカラとアイドリング音を響かすトラックの脇を抜け、身体を伸ばし眠気を飛ばしつつトイレへ。

藤岡PAにはハイウェイオアシスが併設されているようで、晩飯をどうしようかと歩いてみるが、お店はみんな閉まっていた。
お、小さな遊園地がある。
柵はなく、中を歩く事ができた。
人けの無い閉園後の遊園地。
闇の下、眠る遊具。
駐車場の向こうの街の道や高架から、車や鉄道の走行音が聞こえてくるので寂しさはない。
でもここは静かだ。
寝起きの頭だからか、夢の中の風景のよう。
何故か観覧車だけライトを付けていた。


アンテナとレール

2012-10-13 22:30:39 |  ’12秋休み
'12秋休み その3

野辺山にある国立天文台 がその日の目的地。
無料で見学可能である。
広々とした駐車場に車を止め歩いて行くと、門の横に守衛所がありそこで見学を申し込む。
申し込み手続きはノートにどこから来たか都道府県名を書くだけ。
パンフレットを渡され、電波望遠鏡に影響を与えるので携帯電話は電源を切るように言われる。
了解。



ここの望遠鏡は電波望遠鏡。
つまりパラボラアンテナである。
広大に広がる空間のはるか向こうに直径45mの野辺山天文台最大のアンテナが空を向いている。
しかしまずはその手前にある、小さなパラボラアンテナ群である。
広い敷地にはレールが引かれ、小さなパラボラアンテナを移動させる事ができる仕組みがある。
小さいと言っても直径10mくらいあるが…。
距離を離した複数のパラボラアンテナで同期を取って同じ目標を観測すると、そのアンテナ間の距離を直径とするパラボラアンテナと同じ解像度が得られるそう。
ミリ波干渉計と言うらしい。
うーんすごい。
難しい事考えるなあ。



電波望遠鏡で捉えた電波をどう分析するのかなんて難しい事は分からないので置いておいて 、パラボラアンテナの外観を観察。
反射面は建造当初の精度を保っているのだろうけど、外側は雨風紫外線にだいぶやられている。
ピカピカなのもいいけど、この使い込まれた感じもいい。
でも、外装が剥がれて垂れ下がってたりするので、補修してあげてくださいね。



さて、レールの横の道をずんずん歩いて行くと、最奥にある45m電波望遠鏡が近づいて来る。
近づくほどにその大きさが明らかになる。
でっかーい。
なんか唸ってるし。
主鏡のお椀の角度を変える稼動部は巨大ロボットの関節のようである。
カッコいい。



望遠鏡の横には観測棟があり、その一室が見学者向けの展示室である。
電波望遠鏡の観測対象や方法の概要が、大人にも子供にも分かり易く説明されている。
昔ならしっかり読んで理解に努めたと思うが、興味の対象が変化しちゃったので、少し座って休憩しただけで部屋を出た。



施設の周囲は原っぱと林である。
ススキが繁茂し、見学道横には野草が花を咲かせている。
冬は寒そうだけど、こんな所で仕事してみたいなあ。
最後に東側にあるヘリオグラフという太陽観測用の小さなアンテナの展示を見て施設を後にした。