二本松の酒

2024-11-28 06:26:01 |  秋休みは福島へ
岳温泉の温泉街はとても小ぶりである。
中央通りとでも言うべき直線の坂道があり、その両脇に旅館やホテルが建っている。
夕食を食べに外に出た時少し歩いてみたが、長く連なってあるわけでなく、少し歩くだけで街を外れ真っ暗になってしまった。
飲食店も数少なく、宿に一番近い居酒屋に入ることにした。





店内に入ってみると客は私一人。
歓迎された。
なかなか変な作りのお店で、真ん中にテーブルと椅子が並び、それを挟むよう両側にカウンターと厨房がある。
大将とお兄ちゃんの二人がいたので、二つの店をくっつけて営業しているように見えた。
注文するお店を選ばねばならないのかと聞いてみると、店は一つだと言う。
やはり変な作りだ。



日本酒を飲みたく、地酒になにがあるか聞いてみた。
ここ二本松市には4つの蔵元があるそうだ。
大七酒造、檜物屋酒造店、奥の松酒造、人気酒造。
大七ってなんか聞いたことがあるなあと大将に聞いてみたら、宣伝を大々的にやってるとのこと。
地元でしか飲めない酒はどれか聞くと、檜物屋の千功成だというのでそれを頼む。
焼き鳥とにんにく揚げをアテにした。



千功成は優しい甘口のお酒だった。
繊細な味わいで、これは料理を選ぶな。
薄口のあるいはさっぱりしたモノが私の舌には合いそう。
二本目は奥の松にした。
こちらも甘めだが少し濃口。
これは合う料理の幅が広そう。
にんにく揚げと好相性だった。



結局、自分が飲んでいる間他にお客さんは来なかった。
紅葉シーズンとはいえ、平日はこんなものなのかな。
翌日は旅の最終日なので自分への土産に地酒を何か一本買って帰ろうと思っている。
買いに入った酒屋で扱っている銘柄に限定されるが、何がいいかなと考えながら宿に戻った。




岳温泉

2024-11-26 06:25:39 |  秋休みは福島へ
この日の宿は岳温泉(だけおんせん)。
駅と登山口を結ぶバスが途中経由する温泉地である。
温泉のバス停で下車した。
一緒に降りた人は自分以外一人だけだった。
皆さん日帰り登山のよう。
行きがけにバスの窓から宿泊するホテルの名前を見つけていたので、そちらへと歩く。
山を下る時少し脚を痛めたようで、歩くのが不如意である。





ホテルの看板を見つけたのだがそこは駐車場のようで、建物の入口はいかにも裏口っぽい。
もしかして遠回りしてしまったのかもしれない。
建物に入っていくと、壁に絵の描かれた廊下があり、変なところだなあと進むと下足場があり浴場の入口があった。
急に館内のデザインが洒落たものになり少し安心する。





さらに進むとまた下足場があったのでさっきの下足場に脱ぎ置いてきた靴を取りに戻る。
靴を履いて出るとロビーがあり、フロントがあった。
やはり入口を間違ったようだ。
正式な入口のロビーはアウトドアショップかと思わせる内装で、アウトドアグッズの貸し出しもしているようだ。
ドライブシュミレーターなんてのも置かれている。
こんなの需要があるのかな。



一番広く取られているのはフロント前。
木製のテーブルとベンチ、椅子が並ぶ。
その一番奥にバーカウンターが設けられていた。
洒落てますなあ。
後で何かお酒を飲むかな。
チェックインして部屋へ。
エレベーターで客室階に上ると、そのフロアは少し年代を感じさせる雰囲気。
部屋は和室。
共有スペースは洒落た造りで工夫に溢れていたが、客室内は普通である。
ベースの建物は古いものであるようだ。
うまいことリノベーションしている。
宿泊プランは朝食のみ付けたものとしたので夕食は無く、外に食べに出る予定。
その前に汗を流そう。



岳温泉は珍しくも酸性のお湯である。
裏口から入った時見つけた浴場へ。
温泉成分表を読むと、単純酸性泉でpH2.4とのこと。
すごい酸性だ。
痒くて掻いた傷があるのだが、無茶苦茶沁みるのではないかと少し怖い。
浴槽に満たされていたお湯は緑色がかった白濁したもの。
おー、久しぶりの白い温泉。
恐れていた傷への影響はなにもなく、ゆっくり浸かって温まった。



風呂を上り部屋で着替えて夕食に出た。
宿に入る時、痛くて引きずっていた左のふくらはぎの痛みが引いているのに気づいた。
おお、すごい、温泉効果なのだろうか。
別に湯船でマッサージとかした訳でもないのにな。
単に温められ血行が良くなったからかもしれないが、ここは酸性泉の効用と思っておこう。



夕食を食べ終わって帰ってくると、ロビーに外国人宿泊客がたくさんいた。
カウンターバーでお酒を注文して飲んでいる。
エレベーターに向かうとそちらからもまたやってくる。
結構な数、宿泊しているようだ。
廊下にある館内案内の表示を見るとシェアルームというのがあるようだ。
バックパッカーとかが泊まりにくるのかもしれない。
バーで少し飲んでみようかと思っていたが、彼らに混じり飲む勇気はなく、おとなしく部屋飲みした。




下山を味わう

2024-11-24 12:10:42 |  秋休みは福島へ
山頂で地図を取り出し下山ルートを目で追ってみた。
その時書かれている数値を見て気づいたのだが、この山塊で一番高い場所は、実は今いる山頂ではなく、少し北にある箕輪山だった。
すぐ隣にある鉄山も安達太良山より高い。
安達太良山山頂には二等三角点があるのだが、その設置のし易さで選ばれでもしたのだろうか。
それで代表としてこの山塊の本山として扱われるようになったのか、それとも見栄えの良さからなのか、などと勝手に想像した。



さて、下山開始。
帰りは行きとは違うルートを歩く。
沼ノ平を覗き、峰の辻を経由して、くろがね小屋へは向かわず、並行してある勢至平への近道を下る。
その後くろがね小屋からの道と合流し、奥岳登山口へと至る。
同じ奥岳登山口に着くのでぐるり周回するコースになる。







山頂から沼ノ平までの道はなだらかな稜線歩き。
なだらか過ぎて稜線に見えない場所もある。
ザレた道に岩がポツポツと転がっていて不思議な景色。
またお腹が空いてきたので、残りのおにぎりを食べながら歩いた。
行き先左手に白い山肌が近づいてくる。
そこが沼ノ平で、見晴らしの良い場所から覗き込むと辺り一帯真っ白だ。
昔硫黄鉱山が近くにあったそうだから、大量に噴出した硫黄の漂白作用がこんな景色を作り出したのだろう。
火山ガスの危険があり沼ノ平コース(これがどの道のことなのかよく分からなかったのだが)は立ち入り禁止。
ホントに危なそうな眺めだった。







沼ノ平を後にして峰の辻へと向かう。
道は下り坂だ。
標高は森林限界よりまだ高く、草紅葉と灌木の間を歩く。
いつの間にか背後は稜線への斜面が高くなっていた。
到着した峰の辻は広い台地状の広場で、勢至平への道の入り口を見つけるのに少し苦労した。
ほとんどの人がくろがね小屋方面へ行ってしまったので周りは突然静かになった。
歩くのは自分一人。







ふーん、この道は人気が無いんだねえ。
狭い道でも好きな時に立ち止まり写真を撮った。
木々の背丈がだんだん高くなっていく。
静かな山歩き、・・、・・、よろしいなあ。
ところがそろそろくろがね小屋からの道と合流しようかという頃、前方から工事車両が発するエンジン音が聞こえてきた。
登山口まではまだまだ距離があるのになんだろうと下り続けると砂利の敷かれた道に出た。
小型の重機と工事事務所の軽自動車が道幅いっぱいに止まっていて、数名の作業員の方が何やら作業していた。





現在くろがね小屋は営業しておらず建替え中と各所にお知らせが書かれていたことを思い出す。
くろがね小屋の改修と関係する工事なのだろう。
そこからは粒が大きい砂利道になった。
でこぼこした登山道でなくなり歩きやすくなったと思ったのも束の間、履いてる靴がいつもの登山靴で無いことをまた思い出した。
靴底が薄いので尖った砂利石の角が足裏を突き刺してきて変にしんどい。
脚にも妙な力が入る。







仕方なく歩いていると分かれ道がやってきた。
今歩いている道は馬車道と呼ばれる新しい道で、登山道そのままの旧道も残っていて、そちらも歩けるようだ。
助かった。
旧道を歩くことにする。
傾斜は馬車道より急だが足裏には優しい。
下っていくと複数箇所で馬車道を横切っていた。
馬車道は傾斜を緩くする為つづら折れに作られていて、そのカーブする辺りに旧道が顔を出す位置関係。







だいぶ下ったところでさっきの工事車両がゆるゆると走ってきて抜いていった。
そろそろ夕刻、作業を終えて帰るようだ。
旧道も最後には馬車道に吸収されてしまい、広い道を歩くようになった。
前方が開け、スキー場の設備が見えてきた。
ようやく登山口に到着だ。
うーむ、簡単な山だったのに結構疲れたな。
やはり体力筋力の低下は否めない。
ロープウェイ乗り場の下のレストハウスで缶コーヒーを買いバス停に行くと、まだ並ぶ人は少ない。
帰りは座れそうだ。
列に加わり地面にへたり込んだ。
コーヒーを飲みつつ、残す必要の無くなった非常食用のチョコレートを取り出し糖分補給した。


紅葉の安達太良山

2024-11-22 06:37:44 |  秋休みは福島へ
あだたら山ロープウェイの山頂駅から歩いてすぐの所に薬師岳展望台はある。
なだらかな安達太良山の紅葉の斜面を眺められる。
下界の眺望もいい。
少しだけ登山道を歩く必要があるが、登山装備がない一般観光客でもここまでなら入れ、お勧めである。







さて登山開始。
低い木々の間に登山道は伸びている。
なだらかな山なので、登山道の傾斜も緩やかだ。
平日なので年配の方のグループが多い。
幼い子供を連れた家族も見かける。
紅葉の時期だからなかなかの人出だ。
グループに挟まれると渋滞が発生するほど。
登山道は狭いので写真を撮りたい被写体が道端にあっても思うままには立ち止まれず、場所を選ぶ。







皆さん結構な頻度で休憩する。
写真を撮っている時に抜いて行った家族が休憩しているので追い抜き、また写真を撮ってると追い抜かれ、と何度も顔を合わせるので少し気まずい。
木々の高さが背の高さくらいになると、少し広いスペースが道の横に現れ出す。
この先の眺めが良い小さな広場で小休止することにした。
朝ご飯が早かったのでお腹も空いた。
おにぎりを一つだけ食べることに。
ザックを降ろしおにぎりを取り出していると、6人くらいのグループが後ろに座ってこちらも食事を始めた。







背後で飛び交う関西とイントネーションの違う会話を聞き、遠くの山に来ているのだなと改めて思う。
一番大きな声で話していた小母さまが自家製のきゅうりの漬物をグループ内の人に薦め始めた。
特に座ることなくおにぎりを食べながら景色を撮影していたのだが、その小母さま、一人でいる私にも声をかけ、おにぎりに合うからと薦めてくれたのだ。
見ると丸々一本のきゅうりで、ありがたくはあったのだが、食べ慣れぬものを食べてお腹が壊れるとまずい。
山ではお腹を壊す訳にはいかず、お腹が空いた時に必要最低限のモノしか食べないようにしている。
申し訳ないがと断るのだがしばらく薦められ続け少し困った。
ようやく諦めてくれて、グループの会話に戻った人懐こいお母さんだった。
おにぎりを食べ終えたのでザックを担ぎ出発。
親切に食べ物を薦めてくれたお礼を言って歩き始めた。







周りの木々はますます小さく低くなり、どこからでも眺めがよくなった。
安達太良山の山頂は乳首と呼ばれる。
なるほど、本当にそっくりである。
なだらかな稜線の上にポツンと丸い出っ張りがある。
満遍なくひび割れた表面の具合がまたよく似ている。
当然上ってみる。







岩体の周りは少し傾斜があり、ザレた土が剥き出しでよく滑る。
履いているのが普段の登山靴でなく、ほぼ街履き用のトレッキングシューズで登っていたことを思い出した。
靴底はビブラムソールだが角が立っていないので、こういう場所は引っかかってくれない。
岩場に取り付くとようやく足元が安定した。
ハシゴやクサリがついてる。
ハシゴは必ず使わねばいけないが、クサリ場は少し回り道をすれば通らなくても山頂に着けることを後で知った。
山頂からは360°遮るモノなし。
しばしその眺めを堪能した。






バスとゴンドラに揺られ

2024-11-20 06:26:31 |  秋休みは福島へ
二本松駅から安達太良山の奥岳登山口までは福島交通のバスである。
平日は往復1本の便しかない。
朝、駅から登山口までと、夕、登山口から駅まで。
行きも帰りも乗り損ねることは許されない。

<右下赤枠内の二本松駅から左へ459号で岳温泉へ、さらに左上のあだたら高原スキー場へ>


駅前のロータリーに分かりやすくバス停はあった。
数人しか待ってなかったので、バスが来るまで周りの写真を撮ってふらふら歩いていたら、下りの電車が到着したみたいで、バスを待つ登山者が列を成した。
ありゃあ、これは座れるかな。
平日なのにこんなに乗客がいるとは思わなかった。



やってきたのは相当な年代物バスだった。
入口は車体中央部でなく車体後部で、座席も一人がけと二人がけの前向きシートがずらりと並ぶだけの潔さ。
自分を含め10人くらいが立って乗ることになった。
鉄道だと立ってても平気なんだが、バスは座りたいなあ。
揺れ方が大きく不規則なのがしんどい。
登山口まで45分、登り始める前に疲れてしまいそうだ。
路線バスなので停留所はたくさんあったが、乗客は登山客ばかりなので、ほぼ全員終着の登山口まで乗っていた。
途中の主要な停留所は岳温泉とJICAの訓練センターで、ここで数名が下車したくらい。
長い45分がようやく過ぎ去り、立っていた者の有利さで真っ先に下車した。
バス停横には広大な駐車場があって、すでに沢山車が止まっていた。
紅葉シーズンだから人気なのかな。







そこから登山開始することもできるが、帰りのバスの時刻が決まっているので、時間短縮のため「あだたら山ロープウェイ」に乗ることにした。
ロープウェイと言ってもスキー場のゴンドラリフトである。
いくつもいくつも籠が回っているので、一人で乗せてくれた。







4人か6人乗りくらいの広さだ。
スキーのコースを下に見ながら標高を上げていく。
いけないんだろうけど立ち上がって、前に行ったり後ろに戻ったり、前後左右を好きに撮れた。
上の方の紅葉はなかなか綺麗だ。
少し早いかと思ったがちょうどいい時(その日は10/15)に来たものだ。
それでもその日の晩に飲みに入った居酒屋の大将の話だと、あと一週間後くらいが見頃かなとのこと。
これよりまだ鮮やかになるようだ。










福島の通勤通学模様

2024-11-18 06:25:17 |  秋休みは福島へ
3日目の宿は福島駅前のビジネスホテル。
夕食朝食とも曽根田駅近くのスーパーで買った惣菜とパンで済ましたので、記事にできる話題は特になし。
翌日4日目の予定は安達太良山登山である。
朝早くにホテルを出てJR福島駅へ。
登山口まで公共交通機関で行く場合、JR二本松駅からバスが岳温泉経由で連れて行ってくれる。
二本松へと向かう電車に乗るべくホームへ向かうと周りは忙しく歩く人でいっぱいだ。
ああそうか、今日は平日だった。
通勤通学の人達に混じりホームへと降りた。

<福島駅>






やってきた電車に乗り込む。
満員電車になるのかと思ったら意外と空いており、立っている人の間隔には全然余裕があった。
意図せず先頭車両の一番前のドアから乗り込むことになった。
それならと運転席横の前が見えるかぶりつきスペースに立ちたかったのだが、すぐ横の運転席に入る乗務員用ドアの前に女子高生が立っていて、空いた車内ですぐ横に立つと、こいつトナラーか?と思われるのが嫌で指を咥えて我慢した。

数分するとホームにいた乗客が乗り込んできて、立っている人同士がギリギリ触れ合わずにいられるくらいの混み具合になった。
どうやら狭い車内で発車時刻を待つという窮屈な思いをしたくない人は、広々としたホームで過ごし発車直前に乗り込んでくるようだ。
大阪の通勤電車では見たことがないので、そんなことをする人がいるとは思いもしなかった。
なんだ、この混み様になるならすぐ隣に立っていても疑念を持たれる心配は無かったな。
残念な事をした。

自分が立っている場所は運転席の後ろのドア横だが、運転席との間に一人いて前方の写真は撮れず。
福島駅から離れるに連れ乗客は徐々に少なくなり立っている人も少なくなったが、かぶりつきスペースには福島駅で最後に乗ってきた女性客がずっと立っていたので空くことはなく、二本松駅のいくつか手前でその人が降りたと思ったら、女子高生の友達が乗ってきて二人並び立ち、やはりスペースは塞がれた。
結局、件の女子高生は自分と同じ二本松駅で下車。
なかなか遠いところまで通学するのだなあ。
てことで車内で写真を撮る機会は訪れず。

<二本松駅>







いい電 - 曽根田駅

2024-11-16 20:56:07 |  秋休みは福島へ
さて、せっかく温泉地に来たのだから、飯坂温泉に泊まっても良かったのだが、翌日の朝のスケジュールを楽にするため、この日は福島駅前のビジネスホテルに宿を取った。
温泉宿の豪勢な夕食を食べると、また胃が壊れてしまう恐れもあり、自分で量を調節できるようにしたかったのもある。
再び飯坂電車で福島駅へと戻ろう。







温泉街散策の足は飯坂温泉駅の南の方まで来ていた。
踏切を渡って北へと歩くと川岸横の道に出、コンクリートの階段を上ると駅に到着。
飯坂温泉駅は電車が到着するまで改札してくれない。
待つことしばし、電車到着前に改札口が開きホーム内に入れてくれた。
夕闇が落ち暗くなったホームの提灯に灯が入り、電車がやってきた。







帰りも先頭車両に陣取る。
夜の眺めもいいものですな。
ずっと道路の横を走るので、路面電車に乗っている気分である。
帰りの途中下車駅は福島駅のひとつ手前の曽根田駅。
途中下車というのは正確ではないな。
福島駅まで600mくらいしかないのでここを最終下車駅にして歩くことにした。







曽根田駅は行きがけに勉強スペースを提供している車両を見つけた駅。
下車したホームの反対側にその車両はあるのだが、ホームからは入れず、ホームの反対側に設けられた階段を上り入る。
車両は2両連結で、ドアを手で開扉するとその車両はほぼ元のままロングシート、もう1両の方が勉強スペースに改造された車両だった。
皆さん真剣に勉強してるようなので個々のスペースの様子伺いはやめておく。





外に出て駅舎に入ると、なかなかいい雰囲気の内装。
さっきの車両は「お休み処ナナセン」と名付けられているらしい。
電車に乗車せずただ休憩所を使用するだけの場合は入場券の購入が必要と書いてあった。







駅舎の出口には喫茶店が入っていた。
中を伺うとシックなお店のよう。
日中来たならお茶したところだが、この後はお酒を飲むお楽しみがある。
コーヒー豆の販売も行っているようなので、家飲み用に豆を買っていくことにした。
一番浅煎りのが欲しかったが、ちょっといいお値段だったので、その次に浅煎りなモカで我慢。
呼鈴を押して100g豆のままで注文。
洒落た袋に入った豆を手に入れた。






飯坂温泉街

2024-11-14 06:37:56 |  秋休みは福島へ
飯坂温泉駅を出た所にある交差点の斜向かいに観光案内所があり、そこで飯坂温泉のガイドマップを手に入れた。
これを元に町を歩こう。
飯坂温泉にはいくつも共同浴場がある。
そこを巡ろうかとも思ったが、駅を出たところにある橋の向こうにいかにも古びたビルが立ち並んでいる。
歴史ある温泉地で町自体が古そうなので、駅周辺の街中心部を満遍なく歩くことにした。









駅横を流れる川の両岸のビルは多くが温泉旅館のよう。
しかし写真を撮るのによくよく観察すると、もう営業を終えた旅館がいくつも混じっているようだ。
窓にかかるカーテンの具合が、明らかに部屋が使用されていない風に見える。
昔はビルが建っていたが、撤去された跡が緑に覆われていたり。









川の対岸に渡ると、大きなビルの並びの反対側は飲み屋の入る小さなビルがゴチャっと建っていた。
ここも好きな雰囲気。
川沿いに共同浴場のひとつ「切湯」があったが、入口は閉まっていた。
月曜定休日の札が掛かっていたのでただのお休みかと思ったが、別の共同浴場の情報板に切湯は閉鎖したと書いてあった。
老朽化が理由のよう。
新陳代謝はまだ進んでいないようだ。







駅横の橋を渡って駅前に戻る。
今度は川から離れ、商店街らしい通りに入ってみる。
商店街といっても民家も混じるので、住宅街といってもいい。
こちらも昭和な家屋が並んでいていい感じ。
意外と坂道や階段が多く、高低差が見られた。





飯坂温泉で一番歴史ある外湯とされる鯖湖湯に到着。
日本最古の木造共同浴場だったらしいが、1993年に改築されたそう。
明治期の先代の建物を忠実に再現したと説明書きされていた。
とても風情のある建物で、お風呂セットと着替えを持っていたら入ってたかも。
明治時代の建物なんて数は少ないが珍しいものではない。
建て替えしなければならなくなったのは、温浴施設故の湿り気が木造建築の各所を腐らせてしまったのだろう。









そこからさっき見かけた高低差のある高台の方へ足を向けた。
こちらはすっかり住宅街で、さっき歩いてきた辺りを上から見下ろせる場所だ。
湯の町らしい名前の坂道があった。
そういえば「湯道」という映画があったな。
茶道や華道ならぬお風呂の入り方を「道」として極めようとする人達が出てきて、潰れかけた銭湯を舞台に入浴する物語。
なかなか面白かった。




いい電(下り)

2024-11-12 06:29:48 |  秋休みは福島へ
元々の予定は福島駅付近で昼食を食べ、レンタカー屋さんに車を返し、新幹線で一人帰阪する連れを改札口で見送るつもりだった。
しかし磐梯吾妻スカイラインで捕まった渋滞と浄土平から福島駅までの時間の読み違えで一緒に昼食を食べる時間が無くなってしまった。
新幹線に間に合わなくなるので順番は逆転し、まず福島駅で連れを降ろしてさよならし、レンタカー屋さんに車を返し、その後昼食となった。
一人の昼食となるとなんでもいいので、駅でパンを購入。





昼からの予定は福島市の北にある飯坂温泉散策である。
飯坂温泉へは福島交通の飯坂線というローカル線で向かう。
JRの福島駅に隣接する飯坂電車の改札がどこにあるのか探すのに少し苦労した。
そこは福島駅から同じく発する阿武隈急行と同じ改札とホームだった。





先にやってきた阿武隈急行の電車を見送り、後からやってきた飯坂電車に乗車。
飯坂線は福島駅と飯坂温泉駅を結ぶ9.2kmの短路線。
地図を見ると飯坂温泉までずっと街中を走っているので、温泉客以外に通勤通学にも利用されているのだろう。
休日だったがまずまずお客さんが乗っていた。
車両はここも東急電車のお古のようだ。





福島駅の次の曽根田駅に電車が止まっていたので観察していたら何かおかしい。
車内で学生さんが勉強しているのだ。
それも机に向かってガッツリと。
どうやら使わなくなった車両に机と椅子をいくつも設置して、一般に開放しているようだ。
乗っていた電車が走り出したのでしっかり確認出来なかったが、なかなかの利用率のよう。
帰りはこの駅で降りてみよう。





電車は街中を進む。
ローカル線だがワンマン運転ではなく、車掌さんが乗っている。
へえ、今どき珍しい。
無人駅では降りた乗客の集札をしていた。
何駅か通過し、路線のちょうど真ん中辺りにある桜水駅で下車した。
桜水駅には車庫があるのだ。





ホームからの眺めをひととおり撮影。
ベンチに座り、買っておいたパンの遅い昼食を取った。
次の電車が来るまで車庫を外側から撮影しようと改札を出る。
スマホで地図を確認すると、大きな車庫ではないので車庫の周りを一周できそうだ。





車庫の東側は住宅街で、街路から中を覗き込み隙間から撮影した。
行き止まりがいくつかあって、少し迷いながら半周すると線路と並走する道路に出た。
車庫の南の踏切を渡り駅の西側へ。
歩道は道路を隔てた反対側にしかなく、仕方なく道路越しに撮影。
北側の踏切を渡って駅に戻った。





ホームに戻るといい頃合いで下り電車がやってきた。
再び乗り込み飯坂温泉駅へと向かう。
ここまで車掌さんや駅の係員の方を多数見かけたが、年若い駅員さんが多くて意外だった。
人員面で将来に不安は無いようだ。
これからも飯坂電車を盛り立てていってほしい。





線路は変わらず町中を行く。
終点の飯坂温泉駅は1線だけの行き止まりホームだった。
なんでかとってもゆっくりと入線した。
駅舎は川に面していて、対岸に年代物のビルがひしめき建っているのが見え、テンションが上がった。
さて、温泉街散策といきますか。


湖から空へ

2024-11-10 18:44:59 |  秋休みは福島へ
この日は連れが帰阪するので、二人で行動するのは午前中まで。
ほぼほぼドライブの予定である。
ルートはホテルから「磐梯吾妻レークライン」「磐梯吾妻スカイライン」を通って福島市まで走る。
お昼でレンタカーを返して、以降自分は鉄道とバスで移動する。





ホテルをチェックアウトし、まずは磐梯吾妻レークラインを走る。
その名の通り裏磐梯の湖を眺め走る道。
道路は昨晩走った山中の道と同じようにクネクネとカーブして幅も狭め。
しかし日中で明るいから対向車のヘッドライトに悩まされることはない。
思うのは自分の車ならもっと楽しめるのになということだが、連れが乗ってるとあまり飛ばせないのでまあそうは変わらない。





レークラインの見どころは三湖パラダイスと名付けられた展望ポイント。
磐梯山と三つの湖が見える。
実際には一度に見える湖は二つで、三つ目の湖は道路の反対側から眺めるものであるが・・。
この日もお天気よく、湖と磐梯山をはっきり見ることができた。





レークラインが終わると道路は磐梯吾妻スカイラインへと繋がっている。
同じような道路だが、こちらもその名の通りどんどん標高を上げていく。
山の木々は黄色く紅葉し始めていた。
おー、きれいではないか。
自分は運転していて写真は撮れないので、車窓からの撮影は連れにおまかせ。
紅葉してるくらいだから気温も低く、窓を開けて走ると薄着の肩が冷えて途中からヒーターを作動させた。
スカイラインでもいくつか展望所で車を止め眺めを満喫。





道路はさらに標高を上げて行き、そろそろ最高所の浄土平に着こうかというところで渋滞に捕まってしまった。
たぶん駐車場がいっぱいになってしまったのだろう。
まだ午前10時20分だというのにここも人気観光地のようだ。
浄土平を散策する予定だったが、その時間はないかもしれない。
窓から見える紅葉を撮っておこうと、車が止まっている間に見える範囲の景色を撮影。
それでも少しづつ渋滞の列は進んで、意外と早く駐車場入口が近づいてきた。
少し短くなったが見学する時間は取れそうだ。
通過せずそのまま駐車場に入ることにした。





浄土平は蒸気を噴出する一切経山の荒々しい山肌が近くに迫り、その麓には湿原が広がる見どころいっぱいのところ。
湿原には木道の遊歩道が巡らされているが、ここは入口から眺めるだけで済まし、もうひとつの見どころである吾妻小富士へ向かった。
吾妻小富士は簡単に登ることができ、噴火口の周りをぐるりと歩くことができる。
噴火口を巡るには1時間必要で、そこまでの時間はなく、登ったところから眺めを楽しむまでとした。





あまりゆっくりできなくて残念だったが、山のいろんな表情を楽しめて良かった。
車に戻り下山開始。
降り口の辺りは一切経山の麓を通るため、火山ガスに注意の看板が連続する。
車の窓を開けて走るなとか、ドキドキするようなことが書いてある。
ツーリングに来てる人も多かったがバイクは窓の閉めようがないじゃない。
まあそこまでの危険はないのだろう。





スカイラインの福島市側は雲の中だった。
ずいぶんと長い区間真っ白なガスの中を下った。
こちら側から来る人は、せっかく来たのに山頂からは何も見えないんだろうなと思いつつ上ってくるんだろう。
大丈夫。
山頂直前で雲は切れ、南西方向はよく眺められますよ。