季節外れの帰省をした。
これまで西から三重に入っていたが、これからは東から入ることになる。
途中の寄り道先が目新しくなるなあ。
てことでまず一回目の寄り道先に選んだのは、三重県の北勢地方を走る三岐鉄道。
北勢線と三岐線の2路線を持つ地方鉄道だ。
北勢線はナローゲージを走る珍しい路線。
今回はその北勢線だけ乗り鉄、撮り鉄して来た。
<ターミナル駅>
<終端装置>
名古屋で新幹線を降り、近鉄で桑名駅へ。
北勢線は桑名駅から少し歩いた西桑名駅から出ている。
一日フリーパスの切符を買った。
ホームで待つと車体のやたら小さな電車がやってきた。
ローカルなのに4両も繋いでる。
すばらしい。
鉄道車両はやっぱり複数車両を連結して走るのがらしいですな。
<まずは黄色い電車>
先頭車両の一番前に乗車して出発。
当然単線。
線路の幅が狭いからかレールが分厚く見える。
少しスピードを出すと盛大に揺れた。
<東員駅の停車時間は長い>
揺れ方がまた独特だ。
西桑名の次の駅、馬道を出た後だったか、進行方向に向かって水平に左右に振られるのだ。
あはは、楽しい。
他の場所では普通にローリングしてたので、そんな揺れ方をするのはその区間だけかもしれない。
<車窓から>
郊外へ向けて民家の建つ間を走る。
刈取り後に芽を出した葉が黄色くなった冬枯れ前の田んぼの脇を走ったり、また民家の横を走ったりして進む。
建物の密度が変わる位で車窓からの眺めに大きな変化はない。
ずっと平野部を走るので、まっすぐ線路が伸びている所が多い。
<交換待ち>
一旦終着駅の阿下喜(あげき)駅まで乗り、車窓から沿線で撮影に使えそうな場所をチェックした。
けど、泊りがけで遊びにきた時ほど時間はとれない。
結局、一箇所でしか駅外に出れなかった。
<細長い車内>
吊革は2列あるが、車内は狭く、両側の座席に座ると通路は一人分しかスペースがない。
写真に撮るとそう見えないのはなんでだろう。
沿線に学校がいくつかあるのか、元気な高校生の利用率が高かった。
対面で座っても座席の距離が近いので、車座に座って会話するのと同じ距離感で話を弾ませていた。
<阿下喜駅にて>
北勢線は全駅自動改札が導入されているようだ。
だからか出発時刻前でも改札してもらいホームに入れる。
たいてい便数の少ない地方鉄道は、電車が到着していても出発時刻直前までホームには入れてくれないものだ。
ありがたく発車を待つ電車他、じっくり撮らしてもらった。
<虹>
しかし、油断した。
日中の時間帯は一時間に一本しか運行してないのだが、その電車に乗り損ねてしまった。
都市鉄道に慣れて、発車前には必ずベルが鳴るものと思い込んでしまっている。
ホームで撮影していたら、キュルキュルと音がするので振り返ると扉が閉まっていた。
ありゃー、発車時刻になっていたか。
ボーゼンとする私を一人置いて、電車は静かに出ていった…。
<この電車に置いていかれた>
ええい、それならそれで撮れなかったモノを撮ってやる。
駅横に旧式電車が保存展示されてるのを撮ったり、次に来る電車の撮影準備を行った。
次に来た電車は緑色のやつだった。
違うタイプでよかった。
<阿下喜駅にて(その2)>
阿下喜駅で一時間余分に使ったのでますます時間がなくなり、帰りに途中下車できたのは楚原駅だけになった。
駅の南側に短い坂があるのを行きがけにチェックしていた。
果たしてホームから見るといい感じだ。
電車が車体をうねらせ上る様を撮ろう。
次の電車が来た。
が、予想した見え方と異なり、手前の柱の梯子と重なってしまった。
まだまだ予測力が足りないな。
経験不足だ。
<梯子がいたた>
楚原駅近くに「ねじり橋」と「めがね橋」という橋があると、一日フリー切符についてきた「北勢線ぶらり観光マップ」に紹介されていた。
コンクリートブロックで造られた大正時代の橋で、今では貴重なものだ。
「なんとか土木遺産」に認定されてるそう。
駅から1kmほどらしいので歩いて行ってみた。
<ねじり橋>
「ねじり橋」は左右の橋脚の長さが違い、斜めに川を横切っているので、ねじりまんぼとなっていた。
「めがね橋」は三つ丸く穴のあいた橋。
手前に繁茂した雑草が邪魔をして、うまく全体像が撮れなかった。
電車が渡っている所を撮るべきなんだろうけど、今度来る電車で帰らねばならないのであきらめる。
<めがね橋>
「ねじり橋」から「めがね橋」へと歩く途中で通過する電車が最後の撮影機会だった。
その日は朝から大荒れで、天候回復したかと思えば時雨れ、日が差しては虹が出たりする目まぐるしい日。
午後遅く、風は変わらず強いもののようやく青空が広がった。
濡れた田んぼや背景の木々が輝いて、これはいいと構図を決めて電車を待った。
が、通過想定時刻なのにやって来ない。
どうした事だと思っていたらやって来た。
再度カメラを構えたが、あらら太陽が雲に隠れ、周りの景色は輝きを失ってしまった。
仕方なく露出をプラス補正。
うまくいかないな。
楚原駅に戻ったら乗り込む上り列車がやって来るところだった。
下りの電車とこの駅で行き違うはず。
その時もう一度坂道を登る下りの電車を撮るチャンスがある。
ところが、上り列車の発車時刻になってしまった。
列車交換はなかったのか?、今度はきちんと時計をチェックしていたので車内で発車を待った。
が、なかなか発車しない。
??
すると下り列車がやってきた。
遅れてたみたいだ。
もはや撮影は叶わず。
やれやれ。