立杭焼の里

2024-05-14 06:27:06 | 山行
虚空蔵山の下山口は「陶の郷(すえのさと)」という有料施設で、陶芸の体験施設や研修施設などがあったり、辺りの窯元で焼かれた商品販売などしているよう。
そこはスルーして窯元の並ぶ町の方へ行ってみた。
南北に伸びるなだらかな谷間に町はあり、主に西側の山裾に広がっていた。



まず目についたのが登窯。
明治に作られたものを整備していて、今もまだ使っているらしい。
この地の象徴的存在であるようだ。
上部に墓地のある山の斜面に、土の壁が細長く伸びていた。



全国各地にやきものの里はあり、登窯が残されているのを他でも見たことはあるが、過去の焼き方を今に伝えるための遺構として保存されてるイメージがある。
現在は電気窯やガス窯で焼くのが普通のはず。
しかしこの地では今も現役の登窯を持つ窯元があるようで、町を散策すると他にも山の斜面に土の壁が伸びているところがあった。
思う通りに焼くのは難しそうだが、焼き上がった作品はきっと趣があるのだろう。



さて、いくつかお店に入って酒器でも見せてもらおうかと考えていたが、こちらもスルーすることになってしまった。
その日は平日だからか観光客が少なく人の出入りが見られず、お店もやってるのかやってないのかパッと見分からない。
やってそうなお店も暇そーにしてる人が庭に座ってたりして、入ったら自分にだけ注目が集まって、苦手な雰囲気になるのが目に浮かんだ。



先の「陶の郷」の方は駐車場に車も入ってたので、観光客はあちらに集まってたのだろう。
各店舗の製品が取り揃えられているだろうから、一ヶ所で比較検討できて買い物もしやすそうだ。
今回は山帰りで疲れていたこともあるし、今度はやきもの鑑賞、購入を主目的にして連れと一緒に来ることにしよう。
秋にはやきもの祭り的な行事もあるようだし。



てことで、町の様子を窺うだけで終わってしまった。
帰りはバスでJRの駅まで向かう。
本数少ないので要確認である。




丹波岩

2024-05-12 17:18:03 | 山行
虚空蔵堂を過ぎ、さらに登る。
ちょうどミツバツツジの咲く頃のはずで、ツツジのトンネルをくぐる自分を勝手に思い描いていたが、ここはそんなに数多く咲く山ではないよう。
ちらほらと咲く花を撮った。





だんだん周りの木々が小さくなりだした。
数百mの山に森林限界なんてあるはずがないが、山頂が近づいてきている雰囲気がいい。
まばらに若々しい葉っぱをつけた木の間から下界の景色が見えるようになった。





山頂への三叉路に道標があった。
虚空蔵山へは東側から上ったが、下山する西側には丹波焼の産地である立杭の里がある。
今来た道と山頂への道と立杭への道を示す道標の文字は陶器製だった。
これは文字が消えると言うことがないから、割らなければとても長持ちしそうな道標だ。
文字よりも木でできた柱の方が先にダメになりそう。
柱は作り替えても文字板はそのまま使い続けて欲しいなあ。





山頂方向へ進む。
巨大な岩が眼前に立ち塞がった。
岩の縁を巻いて裏側に行くと岩の上部に乗れ、まずまず平らで簡単に歩くことが出来た。
丹波岩という場所らしく、岩の上からは周りの景色が開け、とてもよい展望。
そこでお昼を食べることにした。
日陰は無いが日差しを浴びても暑さを感じる一歩手前の陽気。
気持ちよく眺めを楽しみながらおにぎりを食べた。



お昼を食べ終わり、山頂を目指して歩くと、山頂は丹波岩からすぐのところだった。
ベンチなどあるが、眺望は丹波岩からの方がいい。
標高は592m。
写真を撮ってUターン。
やきものの道標のある三叉路まで戻り、下山は立杭の里の方へと下る。





こちらの道は「陶の郷自然遊歩道」と名がつけられているようで、朽ちかけた道標がそこここに残っていた。
上ってきた道より傾斜が急で、降りる視線の先に里の町並みが何度も覗けた。
道は階段状に足場が埋め込まれ、上ってきた道とは雰囲気が違う。
途中にあった針葉樹林帯にはベンチが設置されていたり。





下り切るとそこは「陶の郷」という有料のやきもの施設の敷地だった。
この自然遊歩道は陶の郷から虚空蔵山へ登ってみようという人向けに整備された道のようだ。
登山はこれにて終了。
やきものの里はどんなところなのか、散策していくことにした。
その様子はまた次回。




虚空蔵堂

2024-05-10 06:25:02 | 山行
虚空蔵山への登山道は、明るい雑木林の中を緩やかに上っていく。
登山道の途中に虚空蔵堂というお堂があるらしいので、まずそこを目指す。





登山道の右に小さな川が流れていて、あるところに立札があった。
石舟とあり、虚空蔵菩薩にお参りする方はここで手を清めてください、とある。
川の流れが少し深くなり、流れのすぐ横まで近づけるので、なるほど手を洗うのにうってつけの場所だった。





なお登っていくと登山道が参道っぽくなる。
石灯籠が道の両脇に立ち、さらに行くとその向こうに石段が現れた。
その上に屋根が覗いている。



石段を登り切ると広く平らな広場に大きなお堂が建っていた。
これですな。
広場の隅に説明板があった。
聖徳太子ゆかりのお寺で、昔は七堂伽藍あったそうだが、盛衰を繰り返し、今は本堂を残すのみであるらしい。



石段を上り切った右手に鯱瓦が祀られている。
瓦を祀るってどうよと思うが、彦根城の天守のものと同形であることから、そこにありがたみを見たのかもしれない。




春の野と道迷い

2024-05-08 06:27:30 | 山行
さて、話題はGW前のものしかないので、酒滴神社を参拝後、虚空蔵山へと向かうお話に戻る。
しばし南に歩いたあと、道を西へと取り田畑の間を抜けて山へと近づく。
周りの景色は春いっぱいである。
田んぼは田植えまでまだ間があるようで、一面に草が覆い柔らかな表情。
向かう山は新緑の木々でまだらに輝いていた。



そんな行く手は山なのに車の走行音が聞こえてくる。
地図を見ると、山の手前に舞鶴若狭自動車道があった。
小ぶりのザックを買ったので、身体の前に抱くように負ぶって歩け、ポケットからすぐに地図が取り出せる。
ここ1、2年、山を登りに来るたび道を間違えているので、今日は必要な時はそうして歩いて地図を見るのを億劫で無くした。
高速道路をくぐった先の側道に虚空蔵山への道標があり、そこから右へ登山道に入ると書いてあった。



高速をくぐり側道を歩く。
スタート地点の藍本駅で見たのと同じ近畿自然歩道の案内図があり、安心して進む。
側道も新緑の緑で、そこにミツバツツジの紫が所々に色を添え、殺風景な筈の高速道路側道がとても魅力的に映った。
日差しもあたたかく気分良く歩く。



んー、道標はまだかな、結構歩いたぞ。
地図を確認。
あれ、虚空蔵山への曲がり角は側道に入ってすぐのところにある。
これは歩き過ぎだ。
そんな道標と登山道あったかな、と側道を引き返す。



途中、山肌を上る鋼鉄製の階段があったが、これは高速道路のなんかの設備だよな。
結構行き過ぎてるな。
先ほど高速の下をくぐった場所が遠くに見え、その手前に近畿自然歩道の案内板が見えた。
近づくと案内板のこちら側に登山道があった。
ありゃ、さっき向こう側から来た時は気づかなかったぞ。
案内板が今の道で間違いないよと教えてくれていると安心し、裏側の道が目に入らなかったんだな。
この案内板が道標だったのか。



思い込みって怖いなあ。
ああ、またしても道を間違えてしまった。
地図をすぐに見れるようにしてても、見なければ意味ないんだよなあ。
記憶して歩く時は次に曲がる方向だけでなく、分岐までの距離も気に留めるようにしないといけないな。




酒滴神社

2024-04-27 16:53:11 | 山行
春の山を歩こうと兵庫県にある虚空蔵山(こくぞうやま)を登ることにした。
登り口の最寄駅はJR宝塚線の藍本駅。
駅から細い道路を南に歩くと、右手の山裾になかなか立派な神社があった。
酒滴(さかたれ)神社といい、風情があるので寄り道して写真を撮らせてもらった。





入口にある謂れを読むと、その昔疫病が流行ったとき、スサノオを名乗る童子が現れ、そのお告げに従い山に入ると、霊窟から垂れ出る「酒」を発見したという。
飲んでみると病気は治り疫病退散。
その後都でも疫病蔓延した際、同じくこの地の霊水を取り寄せ飲ませたところ、疫病が去ったということで、この地を祀ることになったものだそう。
最初名前からして酔っ払うお酒にまつわる逸話があるのかと思ったが、薬としてのお酒であった。





神社は山の斜面にあるので石段を上ってお詣りする。
入口の鳥居から本殿までの間に小さな随神門があった。
門の左右の部屋の中を覗くと、弓矢を携えた神像が安置されていた。
社務所なんてない(と思う)神社で随身が護っているなんて、失礼ながらちょっとビックリした。





随神門も本殿も随所に彫り物があり、四方に霊獣が睨みを効かしている本格的な造りである。
今は細い道路の左右に民家が並ぶだけ。
周りは田畑の広がる田舎だが、昔は丹波路の宿場町として賑やかだったらしい。
なかなかいいものを見せてもらった。






紫雲山 中山寺

2024-02-23 17:02:10 | 山行






中山観音公園を見学後、中山寺にお参りした。
普通とまったく逆の参拝順になってしまった。
中山寺は安産祈願、子授け祈願で知られるお寺。
観音菩薩がご本尊である。







境内は広く、いろいろお堂があるのだが、朝から歩いた疲れが出て、見て廻る気力が湧かず。
たった400mの山を登っただけなのになあ。
お参りは本堂のみとなってしまった。
帰りは中央の参道を歩いて、せめてそこから見える景色だけでも撮影。
立派な山門をくぐって辞去した。







駅までしばらく歩かねばいけないと思っていたが、阪急の中山観音駅はすぐの所にあって、その近さに驚いてしまった。
ありがたくホームに入りベンチで休憩。
山中でお腹が空いた時用に買っておいたどら焼きが残っていたので、電車を一本見送り、ゆっくり食した。


中山観音公園

2024-02-21 06:24:13 | 山行


奥之院参道の一丁目の丁石があるすぐ左手が中山観音公園の入口だった。
梅林があるそうなのでどんなものか入ってみた。
無料である。
まだまだ咲いていないだろうなと思っていたのに、赤い花は満開、桃色の花が五分咲きくらいといい感じ。
白い花はまだこれからで、ちらほらと花弁を開かせているものがあった。





入口を入った所にある斜面に梅の木は植えられていて、それを横目に奥にある池を回り込み、園路を上っていった。
すると公園は思っていたより奥行きがあり、大きな仏様の像の立つ広場があった。
その広場の上に向かう斜面にも梅は植っており、ちょっと見るだけでは済まない規模である事を認識。
意識が本格的な撮影モードに切り替わっていった。





仏像の奥の斜面の梅を撮影しつつ上に行くと、さらに広い広場があった。
そこはがらんとした北風の抜ける広場なのだが、くの字に長い藤棚があって、藤の花の季節にはここも人が集まるのだろう。
浮島のように庭木の植えられた場所があり、そこの枝垂れた梅の花も綺麗だった。
その裏手がようやく公園の敷地の終わりで、中山寺の建物を上から見下ろす場所。
背後には宝塚の町が近かった。





最後に初め見た斜面の梅の花の下を通り、入口へ戻った。
いやあ思わぬところで観梅を楽しむ事ができたな。
よかったよかった。






奥之院参道

2024-02-19 06:25:40 | 山行
昼食を終え、下山開始。
縦走路をさらに進む。
中山山頂までと比べ、そこから西の道には道標が沢山現れるようになる。
この縦走路の終わりには中山寺というお寺があって、途中の山中にその奥之院がある。
道標はその奥之院からさらに山頂まで足を伸ばす人向けのようだ。
そう思ったのはこんな出来事があったから。



山道で他の登山者とすれ違えばお互い一言挨拶するものだ。
下り初めてしばらくしたところで、上ってくる女性二人組にこんちはと挨拶したのだが、なにやら間合いが違う。
訝しげな視線を寄越しつつ挨拶を返してくれたが、さらに声を掛けられた。
この先に何があるんですか、と。
??、中山という山があります、と答え、不思議に思ったので、何しに来たのですかと聞いてしまった。
すると、中山最高峰があると書いてあるのでやってきたのだと言う。
ああ、リュックサックを背負ってたから、山に登りに来て何を言ってるんだと思ったが、よくよく見ると街で使うようなお洒落なリュックだった。
奥之院までお参りに来て、さらに先に道が続いていたから何があるのかとやってきたようだ。
もう少し行けば着きますよと教えてあげ、見送った。



その後歩きながら、観光でお寺を見に来た人があの山頂を訪れても面白くないだろうなと思った。
すごい眺望が開けている訳でなし、古い祠がある訳でもなし。
我々ハイカーは歩くのが目的だから、何もない山中でも三角点があれば、程度の差はあれ山頂に到達した達成感があるが、一般の人はどうなのだろう。
奥之院までの道はしっかり山の中の道で、なかなか距離があった。
よくこんな道を途中で引き返さずに歩いてきたなと少し感心。
ただの疲れ損だと思うのか、山登りの魅力に気付くのか、到着後の感想を聞いてみたい気がした。



到着した奥之院は開けた所にあった。
奥之院という言葉の響きから想像する、暗い林中にひっそり佇んでいるとか、崖の端っこにお堂があるとか、そういう特殊な所ではなかったので少し残念。
綺麗に整備された境内にある、なかなか大きく新しい建物だった。
お参りして写真を撮ることの挨拶をし、地図を確認して再び歩き出した。



ここからは奥之院参道。
道の状態はここまでの登山道とあまり変わらないが、頭上が木で覆われるということが無くなったように思う。
空が広くなったイメージが残っている。
大きく違うのは、十八丁目まである丁石が立っていたり、真言の書かれた前掛けを掛けた仏像がそこここに祀られていること。
参道を歩いているのだなあと認識させられる。









奥之院からなので当然のことながら丁石の数字は小さくなっていく。
四丁目を過ぎると右手に民家が現れ、民家のすぐ横の階段を下るようになる。
一丁目の丁石まで来て奥之院参道は終了。
というか本来は始まり。
中山寺の霊園横に到着した。


中山最高峰

2024-02-17 09:36:52 | 山行
最明寺滝を後にし、山道へと戻る。
今回歩く中山連山は、宝塚市の山手台、中山台といった地域をぐるりと囲む山の通称である。
いくつかピークがあるようだが、その中で一番高いのが中山で、現地の道標には中山最高峰という表記が使われていた。
最明寺滝と中山最高峰の間の道は、分岐があるのに道標がなく、初めての者は迷いやすい。
また道を間違えてしまったのでそう思うだけかもしれないが・・
石造りの山門まで戻り真っ直ぐ行くと、大きな堰堤がある。
その横の新しい階段を上りしばらく行くと分かれ道があった。
特に道標もなく、太い方の右の道を取ったのが間違い。



少し行くと広場に出て「不動明王参道」と書かれた石碑のある道に出た。
道の右手のお寺らしき建物を木々の向こうに見つつ広くなった道を行くと、石橋があり車が駐車していた。
むむ?
そこはT字路で右はこの先行き止まりの表示があるので左へ行くと、犬を散歩させてるお兄さんがやってきた。
むむむむ?
お兄さんがやってきた方は住宅地になってるようで、民家の屋根がいくつも見え始めた。
これは間違えたなと思っていたら、また一人おじさんが歩いてきたので中山への道を聞いてみた。
ロックガーデンの方か、と聞くのでそうだと答えるとやはり間違えていて、このまま行ってもいいが道の説明が難しいので戻った方が良いと言う。
ロックガーデンという表現は初めて聞いたが、中山連山で唯一気をつけるべき岩場があるとガイドブックに書いてあったのでそこのことだろう。
正しい道はすぐ分かるとおっしゃるが、その時は間違えた分岐を思い出せず、分かれ道を探しながら戻って行った。
手前で、ああそういえば分岐があったなと思い出した。
分岐には山火事注意の看板が立て掛けられていたのだが、よく見るとそこに小さく手書きの字で道案内してあった。
これは見つけられんかった。



正しい道に戻りしばし歩くと、道を教えてくれたおじさんがロックガーデンと行っていた場所に到着。
右手にある道の向こうに住宅が見えたので、説明するのが難しいという道を辿ればここにやってきたんだろう。
取り付きは短いロープ場で、上っていくと横幅のある急な斜面が現れる。
明確な道のついていない平たい岩場なのだが、足をかけられる窪みはあるので、浮いた小石を踏まなければ滑る心配なく登れるところだった。
周りに大きな木は無く、上るにつれて南側の展望が開けていく。
遠くに霞んで伊丹空港や大阪都心のビル群が望めた。







ロックガーデンを登り切ると尾根道となる。
左側に宝塚の街並みを見下ろし、右側にはゴルフ場を見下ろし歩く道。
ガイドブックによれば春にはミツバツツジがトンネルを作るそうだ。
これがミツバツツジかなと思う細い木が確かに沢山生えていた。
尾根道はゆるゆると上ったり下ったり続いていく。



あるところから金網の柵が登山道の両側に現れるようになる。
これもずっと続く。
なんのための柵なのか?
登山目的でなく山に来て何か悪さする人を入れないようにしているのだろうか。
でも人の目のない時ならいくらでも乗り越えられそうだし、あちこち穴が空いて設置した意味がなくなってしまってる気がする。



街の北側に回り込むとようやく中山最高峰に到着。
登山道を右に入ると小さな広場があり、そこが山頂だった。
三角点と山頂の標識があった。
標高は478m。
見晴らしはさほど良くはなく、北側にゴルフ場が見えるくらい。
ちょうど昼時で、5~6組のハイカーの皆さんがお昼を食べていた。
自分も木の根っこに腰を降ろし、おにぎりを食べることにした。




最明寺滝

2024-02-15 06:27:28 | 山行
2月ひとつ目の三連休中日、日帰りで近場の山を登ってきた。
宝塚にある中山連山を阪急の山本駅側から中山観音駅へと反時計回りに歩いた。
なかなか人気のある山のようで、自分以外にも山本駅で降りるハイカーが結構いた。
冬に雪の積もる心配のない山として選んだが、みんな同じような理由でここに登りに来たのだろう。

今回は最明寺滝までのお話し。
駅を出て、地図を持っていたのに最前に見た記憶で歩いていたら、いきなり道を間違えてしまった。
北へ曲がるのが遅れ、平井山荘という山の手の住宅地に入り込んでしまった。
一枚ものの地図ならザックにぶら下げて、歩きながらでも見れるようにできるのだが、ガイドブックの地図はザックのポケットに入れざるを得ず、確認するにはいちいちザックを降ろす手間がかかる。
それが面倒で見ずに歩いたらこの様である。

余計な坂道を上り下りし、スマホの地図と照らし合わせてようやくコース復帰。
駅の方角からハイカーが歩いてきたのでこの道で良いのだろう。
すぐに住宅街は終わり山道となった。
小さなお寺の入口をいくつか見送り、石造りの山門をくぐり分かれ道を右へと曲がる。











渓流沿いの道を緩やかに上ると行く手にしめ縄の掛けられた岩が現れた。
到着したようだ。
高さ10m位だろうか、一枚岩のなだらかな側面を一条の細い流れが落ちていた。
木々の繁った林下の岩場で、薄暗く、霊気漂う幽谷だ。
お寺の派出所なのかビニールで風除けが張られたテントがあって人がいた。
突き当たりの岩間に仏像が祀られており、どういった仏様なのか知らないが見学させてもらうのにお参りしておいた。