KAMIKATZ

2017-08-29 23:53:30 | お酒
下戸の連れが徳島県の山の中の街にあるブルーパブを見つけ教えてくれた。
面白そうなところなので飲みに行ってきた。
大阪を朝出るとちょうどお昼に到着。
昼食はまたしてもクラフトビールとハンバーガーだ。
昼食後の運転はお酒が飲めない連れにお任せ。
ありがたいことで。

<上勝町にある>


ビールは4種作っていて、この日はペールエールが品切れとのこと。
3種のビールが飲み比べれるテイスティングセットを頼んだ。
ちょっとしっかり味わってみた。

<メニュー>


ルーヴェンホワイトはフルーティで柔らかな香り。
香りの奥の方にほんの少しオイリーな気配がある。
香りそのままの柔らかくほのかな甘み。
苦味が少し。
後口には甘みが残りほどけていく感じだ。

<左ホワイト、右スタウト>


ポータースタウトは香ばしい香り。
こくと甘みが重なり合って口腔に広がる。
後口はおとなしめだろうか。

<IPA>


IPAは香りは柑橘系、鼻腔をギュっと刺激してくれる強さを持つ。
口に含むとまずほのかな甘み、そして爽やかさが広がり、飲み込むと苦味がグワッとやってくる。
飲み干したあとも舌の側面と根っこを取り巻き続け、長く余韻を楽しめる。

<プルドポークバーガー>


挽肉ではない、細かくバラしたような肉に甘口のソースが絡まり美味しい。
多分つなぎはまったく無し。
フライドポテトは揚げたて熱々。
ピクルスはしっかり酸っぱく口腔をリセットしてくれる。

<ごちそうさま>


このお店、私の目的はビールだったが、本来は雑貨店でビール以外にも生活雑貨や食べ物なんかを売ってる。
なんでも町全体でゴミの削減を推進してるそうで、建物も廃材を利用して建てたり、ビール瓶もリターナブルボトルを用意してたり、食べ物も量り売りしたりと、環境にやさしい生活を提案してるそう。
お近くにお越しの際は、是非どうぞ。

<山羊がいた>


<外壁>



青春ってなんだ

2017-08-27 23:10:57 | その他旅行き
青春18きっぷの旅を連れに話したら、同じように興味を持っていたそうで、一人で五回乗るのは難しいから一枚をシェアして使用することにした。
行き先は購入した「大阪駅から行く青春18きっぷの旅」の一例のまんま、タルマーリーというパンとクラフトビールのお店。
鳥取県の因美線沿線で店を出してて、周りに観光施設などない所。
もうこのパン屋だけが目的の旅である。
ほとんど学生のノリだな。
まあ、パンもビールも美味そうだからいいのだ。

<看板>


この「大阪駅から行く青春18きっぷの旅」は青春18きっぷを使用して旅をすることの運賃のお得感と時間のかかり具合を五段階評価している。
時間のかかり具合は「お尻痛い度」と表現されてて面白い。
選択した旅はお得度四つ星、お尻痛い度五つ星である。
鳥取県だもんな。
現地までの列車の時刻が参考情報として載っているのだが、帰りは現地到着してのち4時間後の列車が記載してある。
さすがに食事するだけで4時間も使わないから、もっと早い列車で帰ろうと調べてみた。
驚いた事に大阪に帰るのに一番早いのが記載されてる4時間後の列車だった。
おそるべし因美線。

<大阪駅>


人気のお店みたいなので土日に行って売り切れてたらたまらない。
何しに行ったのか分からなくなるので、予定のなかった年休取得日に行くことに。
通勤時刻より早い時間の電車に乗った。
大阪駅始発の新快速に乗り姫路まで。
下りの電車なのに座席は埋まり、座り損ねるところだった。
郊外へ通勤してる人も結構いるんだ。

<山陽本線>


姫路駅から岡山駅までは普通電車。
黄色い電車だ。
こんなの走ってるのね。
こちらも結構乗車率は高く、座席はほぼ埋まっていた。
岡山へ向かう途中で9時を過ぎたから、通勤目的で乗ってる人は少ないだろう。
岡山駅からは津山線で津山駅まで、朱色のワンマン快速列車。
非電化区間で気動車に変わる。
岡山駅で乗った人のほとんどが津山駅まで乗っていた。
津山駅で40分ほど連絡待ち。

<津山駅にて①>


<津山駅にて②>


津山駅から最後の行程、因美線の那岐駅まで。
車両はますます減って一両の気動車が運行されてた。
新し目の車両で今風のエンジン音と振動だ。
線路の上に伸びた夏草をバシバシ車体に当てながら走る。
車窓からの眺めは岡山を出てここまでずっと、そしてこの後も暗くなるまでずっと、同じ景色である。
田んぼと畑となだらかな低い山、農家のお家や民家が密度を変えて車窓を流れていく。
駅間が長いな。

<因美線>


那岐駅まで降りる人はほとんどいなかったのに、那岐駅では複数の人が降りた。
みんな旅姿で地の人には見えないし、他に目的地らしきところを知らない。
同じ目的なんだ。
自分の事は棚に上げて、やっぱりあんな雑誌に載ると参考に旅する人が多いんだなあと認識。
帰りの列車も同じだった。

<那岐駅>


お店には歩いて少しかかる。
夏の暑い日、汗をかきつつ小学校の横の道を歩く。
鉄棒の背が低いなあ。
今鉄棒なんかにぶら下がったら、手のひらが酷いことになりそうだ。
お店はこれか。
ようやく到着。
保育園を改装して使用しているそうだ。

<運動場から>


運動場?には遊戯設備やプール跡がある。
店内に入るとずらりとパンの並んだカウンターがあり、そこで注文してから元遊戯室のテーブル席で待つ。
駅で降りた人よりたくさんお客さんが入っている。
普通は車で来るよなあ。

<イノシシ肉のハンバーガー>


頼んだのはイノシシ肉のハンバーガーとビール。
ハンバーガーはパンズがとても柔らかく、ほぼイノシシ肉だけ食べているような食感。
お肉も無理に固めておらず、口に入れると簡単にほどける。
つなぎが少ないということか、肉の旨みをしっかり味わえた。

<セゾンシムコー>


ビールは2杯飲んでしまった。
ペールセゾンは華やかに甘く香り、軽めなのだが喉越しだけでない飲み口。
ゴクゴクと飲みたいところを我慢して味わい飲んだ。
もう一杯はセゾンシムコー。
こちらの方が香りもお味もおとなしめの印象。

<ごちそうさま>


パンをきちんと味わうべく食パンを一斤買ってお店を出た。
さて、帰りの列車が来るまでどうしよう。
那岐駅の反対側に茶店があるようなので、そこまで写真を撮りつつ歩き、茶店で涼んで駅に戻ることにした。

<夏の花>


国道は那岐の集落から離れたところを走っており、集落沿いの細い道に車はほとんど入ってこず、静かだ。
お天気よい夏の日差しに炙られながら、再び汗をかきかきトロトロ歩く。
この辺に茶店があるはずと探しながら歩くとそれらしい木造の建物があったが店は閉まっていた。
残念。
恨めしく板戸の硝子から中を覗いて、引き返した。

<もう栗の実が>


トロトロ歩いたから結構時間が過ぎていて、そのまま那岐駅に戻ったらいい時間になりそうだ。
帰りは道路と並行して流れる小さめの川に降りたりし、涼を得つつ歩いた。

<水辺>


那岐駅から二つ鳥取寄りの智頭駅まで行く列車に乗った。
帰る方向とは逆だが同じ列車が智頭駅で折り返し津山へ戻るのだ。
大阪に帰るのにもっと早いのは智頭駅から智頭急行線で山陽本線の上郡駅に出るルートなのだが、青春18きっぷではJR線でないその路線に乗れない。
この制約が旅を面白くする。
智頭駅からの列車の席に座れはしたのだが、足が変な疲れ方をしていて熱を持ったような浮き上がっているような感触が漂い、ふくらはぎがピクリ、ピクリと勝手に動く。
どっかに行った帰りの新幹線に乗ってる時によくこうなる。
眠いのに足から信号が登ってきて眠れないのでつらい。

<那岐駅>


帰りは行きと少しルートが違い、因美線を東津山駅で降り、姫新線で姫路に向かう。
因美線って津山駅が終点かと思っていたが、東津山駅が終点だった。
列車運行上は津山まで姫新線で乗り入る格好になるらしい。
鉄道の場合、国道みたく併用区間なんてのはないのだろうか。
ちょうど下校時間帯に当たっていて、姫新線の列車には帰宅する学生がたくさん乗っていた。
立ってた方が足のしんどさが軽減するので、ちょうど良し。
足の甲を伸ばしたりふくらはぎを伸ばしたり、血行をよくするべくストレッチしつつ乗る。
私にはお尻痛い度より足のウキウキ?度の方がしんどさの指標になりそうだ。

<智頭駅>


姫路駅からの新快速電車には上手く座れ、少し楽になったふくらはぎをだましだまし居眠りして大阪駅まで戻ってきた。
那岐駅以降ワンマン列車を降りるとき、改札を出るときに他の人の切符を覗き見るようになった。
行き先は違っても青春18きっぷを使ってる人が結構たくさんいることを知った。
へええ、人気なんだ。

さて青春18きっぷの旅を終えて…。
日帰りなのに長く感じる旅になるのだなあ。
長く旅できるのは嬉しいことだけど、度々はしたいとは思わない微妙な感触。
座れれば居眠りし放題だから、寝不足の解消を目的の半分に週末を過ごすにはいいかも。
連れは友人と児島(岡山の)に、あと豊田(愛知の)に行ったそうである。
やりますなあ。
機会があればまた企画しよう。


視点の相違

2017-08-25 00:30:41 | テニス
8月からテニススクールにようやく復帰した。
2週に一度くらい昔のテニ友の集まりに参加させてもらってきたが、やはり練習不足は否めない。
簡単なミスをするたび、ありゃこうしなければいけなかった、ああしなければいけなかったと後悔しきり。
週一でレッスンを受け練習頻度が上がると、比例してミスの頻度が下がった。
ような気がする。

コーチが変わると指導内容も変わる。
もちろんどのコーチも同じ方向を向いてるんだけど重要視しているポイントが異なり、表現方法も違う。
思いもしない箇所を指導され新鮮なのだが、よくよく聞いていると前のコーチに指摘された悪いクセを別の手法で直そうとしてるんだと繋がる。
私が自分で考えて直そうとした方法とは全然違う。
さもありなん。

フォアストロークで早くも二つ指導を受けた。
一つ目は短いボールに対する時、身体を前に倒して打ってるようで、上体を立ててスイングするよう教えられた。
前のコーチにはボールを打つ打点に早く入るフットワークを課題にされたところだ。
上体を立てて打とうとすれば、必然的に正しい打点で打てる位置に入らねばならず、私にとって同じ結果が得られる。
こちらの方が難しいことを考えず単純に打てて私向き。

二つ目は腕だけで打とうとしているようで、打つ方向への体重移動と体幹のひねりを意識するよう言われた。
前のコーチに腕の振りが小さく、すぐ身体に巻き込むのを身振りで示されたやつだな。
自分では腕の振りを大きく前に押し出し、腕全体を身体に巻きつけるイメージで修正しようとしていた。
コーチの言うスイングはタイミングを取るのがとっても難しい。
運動連鎖ってやつで、分かってたつもりなのに全くできてなかったわけだ。
腕だけで打ってたからタイミングが取れて、ミスがありつつもたまにいいボールがいってたのね。

腕だけで打つ弊害はなんだろう。
強く打とうとした時、加えられるパワーが小さく、無理をすれば痛めたりすることか。
ボールに体重を乗せられれば変な力を加えなくても、小さなスイングでブレなく安定したショットにできるということか。
今は身体全体を使って打つ不安定性を安定させるべく練習中。



今夏のお酒

2017-08-19 01:17:13 | お酒
大阪の夏はやはり暑い。
7月の終わり頃、暑くて夜眠れない日が何日かあった。
朝起きたら布団が寝汗で湿っていて、どうすりゃいいんだと困ったものだ。
たまらず扇風機を買って、リズムモードで微風を受けながら寝るようになった。
それでも前に大阪にいた時の部屋よりはマシで、帰ってきて部屋に入ったらサウナ状態なんてことはない。
建物内の部屋の位置もあるのだろうけど、思うに24時間換気ってやつのおかげなのだろう。
新しい設備のある部屋はよろしいなあ。

そんななので今夏の晩酌はビールばかりだ。
頻繁にゴミ出ししていたビンが全く溜まらず、代わって空き缶を度々ゴミ出ししている。
500ml缶だと飲んでいるうちに温まってしまうので、350ml缶がお好み。
飲む直前に冷蔵庫から取り出し、飲み干しては冷蔵庫に取りにいくという面倒を面倒と思わずやっている。
冷蔵庫内にビールを並べてはなくなっていく毎日だ。

夏場はお腹の膨らみが抑えられスッキリしているのは、冬場ほど食欲がないからと思っていた。
夕食は確かに食べる量が少なくなっていて、暑くなってからそれまでの調子で惣菜を買うと食べきれない事態に何度かなった。
しかし食欲が落ちてる感じはなく、腹いっぱい食べてるのに食べきれない。
そう、何のことはない、ビールで胃が膨れて食べ物が入らないだけだ。
そうか、こんな減量方法があったか。

日本酒、焼酎だと摂取アルコール量を測りながらちびちびやる。
それでも酔いがやってくるのでいいのだが、ビールだと酔いがなかなかやってこず、何本も開けてしまう。
酔ってはいないけどアルコール量は結構摂ってるぞ。
日曜日はしこたま飲んで酔いつぶれる日にしているが、ビールはしこたま飲んでも酔いつぶれない。
お腹いっぱいになって仕方なく晩酌終了だ。
ワインも魅力的だが、汗かいて帰ってきて夕食の買い物をする時、やっぱり手が伸びるのはビールだなあ。

東日本は寒い夏が続いているらしい。
涼しそうで羨ましくもあり、暑い夏を体感できないというのもさみしいし。
よく言われるが、夏は暑く、冬は寒いのが自然で一番いいのだろう。
ビールも熱燗も美味しく飲みたいからね。




落差

2017-08-17 00:22:27 |  常念山脈縦走
山行き六日目の続き、最終話。
上高地バスターミナルで新島々行きのバスを待つ間、リンゴのソフトクリームを食べた。
なんかこぼれ落ちそうなくらい大盛りにしてくれた。
こんなもんなのかな。
サッパリしたお味で美味しかった。
お昼を食べるタイミングが松本駅以降にしかなく、正午をずいぶん過ぎた中途半端な時間になるのだが、これで少しはお腹も持つだろう。



新島々までの道は乗鞍に遊びに来たその昔良く走ったもので、その景色が久しぶりに見られると喜んだが、出発してしばらくするとそれが難しい事が分かった。
バスの不規則な揺れがゆるやかに眠気を呼び寄せ、これは眠ってしまうなと思ったら、その通り国道に出る前にはもうグッスリ眠ってしまっていた。
時々目を開きはするものの心地良い眠気は、目覚めて景色を眺めたい欲求より魅力的で、またすぐ夢の中へ。
あっという間に新島々バスターミナルに着いてしまった。



行きがけは電車の接続がよろしすぎて撮影する機会が得られなかったが、帰りは時間がある。
新島々から松本までは松本電鉄上高地線だ。
ホームに止まってたアルピコカラーの電車と、やってきたオレンジ色の電車を撮影。
オレンジ色の車両はどうも昔走っていた車両の塗装を復活させたもののようだ。
うまいこと行き合わせたな。
折り返し運転するみたいなので乗り込んだ。



上高地からバスに乗ってきた乗客はたぶん全員が乗り込んだはず。
2両連結してるため座席は空き空き。
松本に近づくに連れ乗客は増え、松本に着く頃には座席は埋まり、座れない人も。
それくらいの乗車率だった。
バスで眠ったからか電車内で眠気はやってこず、ローカルな乗り心地と車窓の景色を味わう事ができた。



松本駅でホームに出ると気温が上がってるのを感じた。
街に降りて来たんだなあ。
それでもまだ涼しい方だ。
帰りも特急しなの号で名古屋まで。
電車がやってくるまでだいぶ時間があるが、重い荷物を持ってウロウロする気にならず、駅弁を買いホームでぼーっと待つ。
一つ向こうの線にあずさ号が止まっていた。
こちらは新宿行き。
乗ったことはない。
ようやくしなの号が入線してきた。



車窓を後ろに飛んでいく景色もおかずにしてお弁当を食べた。
もうすぐ旅は終わり。
名古屋、大阪と梅雨時の蒸し暑い空気が迎えてくれた。
新幹線の改札内は大きな荷物を持つ人が多く旅気分が残るが、在来線に乗り換えると周りは日々通常の生活をしている人ばかりである。
でかい荷物を持ってる私がとっても目立つ。
また忙しい毎日に戻らねばならないのね…。
夕方の通勤ラッシュが始まる前に電車を降りれてよかった。


三回目にしてしっかり味わった

2017-08-14 22:54:52 |  常念山脈縦走
山行き六日目は金曜日。
朝、寝ている時に暑くて開けた窓から小鳥の声がよく聞こえ目が覚めた。
起床時間までまだ時間があるのでその度眠ったのだが、目覚ましが鳴って外を見たら日差しがあった。
あれー?
窓から顔を出し空を見ると青空だ。
あれあれー?、曇り雨の予報だったのに。
快晴だ。



それなら早起きしてその辺を散策したのになあ。
もったいない。
なんで天気は悪くなるとしか思わなかったんだろう。
もしお天気良い場合という選択肢を翌日の計画に必ず含めておくべきだ。
俄然観光にやる気を出し、大正池へのバスは8:25のに絶対乗るべく、荷造りを終えてから朝食に向かった。



食後7:50にフロントに行ったら係りのお兄さんが不思議そうにチェックアウトの手続きをしてくれた。
みんなもっとゆっくりするのが常なのだろう。
外に出ると空は真っ青、燕山荘の朝と同じくらいスッキリと晴れ渡っていた。
河童橋に行くと穂高連峰が遮るものなく目の前にあった。
こりゃいい。
今日これから穂高方面に向かうのか、大きなザックを背負ったパーティのメンバーが嬉しそうにカメラを向けていた。



昨日見えなかった焼岳もスッキリ。
河童橋を手前に入れたお約束の構図の写真を撮り、バスターミナルへ。
松本までの切符と新島々までのバスの整理券を手に入れ、大正池に向かうべく予定通り8:25の沢渡行きのバスに乗った。
上高地には過去二回来たことがある。
一回目は小学生の頃だったろうか、上高地の景色の記憶がもうない。
沢渡の駐車場へシャトルバスに乗って移動した時、やたら冷たい風が窓から吹き込んできて寒かった記憶があるだけだ。



大正池に着く頃には早や白く薄い雲が空の半分を覆っていた。
予報が晴れに変わったけど、ずっと晴れていてくれるわけではないようだ。
大正池の立ち枯れの木はほとんどなくなっていて、ずいぶん印象が変わっていた。
少し記憶の残る二回目の訪問は社会人になってすぐの頃。
乗鞍話しで書いたユースホステルに泊まった翌日にグループで一緒に訪れた。
その時は枯れ木がもっといっぱい立ってたと思う。
その時の記憶も数場面しか残っていない。
新しいホテルでも建ててたのか、杭を打ち込む音がずっと響き渡りやかましかった。



バスターミナルに向けて遊歩道を歩く。
昨日の徳沢、明神からの道と同じく広く平らな歩きやすい道だ。
中学校の修学旅行だろうか、上高地の自然を説明してくれるガイドさんが引き連れた班分けされたグループといくつもすれ違った。
上高地を歩いた記憶をキチンと残すべく、昨日今日としっかり歩き回って、ほぼ全ての見どころを抑えられたのでは。



上高地といえば大正池と穂高連峰の眺めだろう。
そちらが有名なので湿原があるとは知らなかった。
田代池という名で、小さなものだが浅い池というか川というか、澄んだ水の流れの向こうに鮮やかな緑の絨毯が覗く。
遠くから窺い観賞するところ。
近づけないが故に手の届かない楽園を覗き見るような眺めだった。



田代橋までやってきた。
バスターミナルまであと15分ほどだ。
予約したバスの時刻までまだ間があるので、上高地観光を完全なモノにするべくウェストン碑を見学に行った。
こうして日本アルプスを登山で楽しめるようになったのもウェストンさんのおかげである。
南無南無。




荘→山荘→小屋→ヒュッテ→ホテル

2017-08-13 19:37:49 |  常念山脈縦走
山行き五日目の続き。
明神から河童橋への最後の行程がなかなかきつかった。
平たい道だが距離がある。
いや、行動時間がこれまでになく長くなったからだな。
背中の荷物がどんどん重くなる。
途中で2度も休憩してしまった。



ようやく河童橋に到着。
もう少し歩いた先にある上高地アルペンホテルが今夜の宿。
料金後払いのホテルである。
こんなとこに登山の格好をした汗臭い客がうろついてもいいのか?
まあ、ハイカーズルームなんて設けてるんだからいいのだろう。
教えられた部屋番号のハイカーズルームには4つベッドがあった。
山小屋の2段ベッドと同じような造りだが、一つのベッドに二人が割り当てられることはなさそうだ。
各ベッドには浴衣が一つ置いてあった。



使用するベッドは早いもの勝ちだとフロントの人が言っていたが、もう17時だというのに先客はいなかった。
Webで予約した時は残数わずかだったはずだが、キャンセルでも入ったのだろうか、結局後から到着した人はおらず、私が部屋を独占することに。
やっぱりシーズン前の平日はいいなあ。
注意書きが何も無いので、フロントに浴衣とスリッパで館内を歩いていいか聞いてしまった。
歩いていいって。
よかった。
お風呂に入って、サッパリとした浴衣だけで夜を過ごせた。



翌日の予定を決めるのに、館内の貼り紙情報が役にたった。
上高地の宿の宿泊者限定で大正池までのバス代を200円にしてくれるらしい。
歩いて往復しなくてよくなった。
さらに新島々行きのバスに乗るには整理券がいるとの情報をゲット。
危ない危ない、そうなのか。
事前にどの日のどの時間のバスのが欲しいといえば発券してくれるらしい。
なのでバスターミナルで整理券を取得した上で大正池へのバスに乗ることにした。



幸運続きのお天気も、明日は曇り雨の予報がフロントに表示してあった。
傘で歩けるくらいの雨でありますように。


上高地の奥地から

2017-08-12 20:55:36 |  常念山脈縦走

山行き五日目の続き。
徳沢に降りると芝生の広場があって、Tシャツのお兄ちゃんと白いワンピースのお嬢さんがベンチに座っていた。
下界に降りてきたんだなあ。
広場の横にある徳澤園の食堂でお昼を食べることにした。
メニューを見ると生ビールがあるではないか。
これは飲むしかない。
明るいテラス席を確保して、無事の下山祝いとひとり乾杯した。



食事は手作りカレーをいただいた。
ゴロリと入った肉片を噛みしだき、ビールをやる。
それなりに汗をかいたので、喉の渇きを潤す感が素晴らしい。
食後にはホットコーヒーを飲んで、しばしゆっくりとくつろぐ。
これを山中でやりたかったのだが、いろんな条件が揃わないと難しいんだと分かった。
まあここもまだ山中といえば山中だ。
こんな心地良い時を得られたのだから、贅沢は言うまい。



周りを歩いてる人はほとんどが登山者だ。
みんなどこに登ったのかな。
さて河童橋まではまだ距離がある。
汗の乾いた背中にザックを負い直し、再出発した。
平たく歩きやすくなった道の側を流れる川の水がきれいだ。
上高地色である。



梓川に出、治山工事をしている川原の横から後ろを振り返ると、谷間の向こう遠くに大天井岳が見えた。
あそこから歩いて来たのね。
歩いてきた山が見えたのはここが最後。
明神までの道は車の通れる広さの未舗装道が、平たく明るい樹林帯の中を延々貫いている。
さすがにこの道を歩く人は山中より多く、前から時々歩いてくる。
みんなどこに登りに行くのだろう。



明神に着いて明神館のベンチでザックを降ろし肩を休めていると、後ろからも次々と下山者がやって来て追い抜いていく。
蝶ヶ岳から降りて来る人はほとんどいないはずなので、槍沢や涸沢からだろう。
穂高側は夏山シーズン前でもそれなりに入山者がいるようだ。
明神池の方へ入って行くと登山者は数を減らし、観光客がほとんどになった。
登山者は梓川の左岸を黙々と歩くようだ。
私はザックを背負った観光客だから右岸を歩くのだ。



外国人の方が結構な割合でいてちょっとびっくりした。
日本にやって来る外国人観光客はすごい勢いで増加してるそうだから、こんな山奥にも遊びに来るんだね。
しばらく行くと緑に囲まれた鳥居が現れた。
山中に大きな鳥居があると変な感じだ。
まず穂高神社奥宮にお詣り。
穂高神社?
そういえば山行き初日、穂高駅での時間待ちで穂高神社にお詣りしたのを思い出した。
無事に帰ってこれたお礼をしておいた。



明神池の見学には300円が必要。
澄んだ水を湛えた池で、背後の緑の映り込みや流れ出す川の流れが意外と絵になる、というか面白い写真になった。
池の辺りはそうでもないが、奥に入っていくと足元が悪く、ほぼ登山道である。
観光で来た人は難渋しそうだ。
撮影に予定より時間を使ってしまった。










「ながかべやま」を下る

2017-08-11 11:05:19 |  常念山脈縦走
山行き五日目は木曜日。
未明に降っていた雨は起きる頃には止んだようで、窓からは青空が見えた。
朝食時、TVのデータ放送で天気予報を確認すると、曇り晴れマークに変わっていた。
山中を歩くのは今日が最後。
山に入る前、縦走中の天気予報は雨がちだったが、毎日翌日の予報は良い方に書き換わり、トータルすれば晴れがちなお天気のもと歩くことができた。
雨を覚悟して旅に出た方がお天気良い日が多いような気がする。
なんにせよ幸運である。



外に出ると槍は雲の中だが穂高は北、奥、前と頂きが見えた。
稜線は相変わらず風が強い。
しかし長塀山の樹林帯に入ると風はなくなった。
草木で囲まれているのに昨日まで顔にまとわり付いてうるさかった羽虫がいない。
まったくいないわけではないがとても少ない。
これまでの道と何が違うのだろう。



今日の行程は上高地まで下るのみ。
汗をしたたらせて歩く必要はなさそうだ。
青空が覗き、風はなくても涼しい樹間を時々ガスが通り抜け、爽やかだ。
小さな池が現れたり、今朝の雨を含んだ瑞々しい花がたくさん多種類咲いていて、脚が進まない。
今日こそはゆっくりと撮影してやるぞ。
しかし虫がいないだけでこの爽快感。
困った羽虫たちだった。





















下るに連れ植生が少しづつ変わり、見られる花も移っていく。
そんな楽しかった長塀山の道も終盤、傾斜が増すと笹が林床を覆い出す。
すると花は見られなくなり、もうサクサク歩くしかなくなる。
今日は下から登ってくる人とたくさんすれ違った。
この週末にかけて歩くのだろう。
徳沢まで1kmの看板が見える頃、下からショベルカーかなにかが工事している音が聞こえてきた。
文明世界へおかえりなさい。




Hütte(ドイツ語)

2017-08-08 23:55:11 |  常念山脈縦走
山行き四日目の続き。
樹林帯を歩いている時、今いる場所が分からず焦って歩いたからか、14時前に蝶ヶ岳ヒュッテに到着してしまった。
小屋前にベンチがあるので、また生ビールを飲みたい欲求が湧き起こってきたが、ちょっと風が強すぎるな。
雨は降っていないが、雲行きと強風が外でゆっくりしたいと思わせない雰囲気を作っていた。
受付で宿泊申し込みしたが、まだ部屋の掃除が終わっていないらしく、案内をしばし待たされた。
生ビールは売ってなさそうだ。
飲むか飲むまいか悩む必要がなくなり良かった。
待ち時間を利用してヒュッテのすぐ隣にある蝶ヶ岳山頂へ行った。
とてもなだらかな頂上だった。



ここの寝床は二段ベッド形式。
やはり宿泊者は少ないようで、二畳分のスペースを割れ当てられた。
定員は4名だ。
そんな時に泊まりたくない。
カーテンを閉めて身体を拭いた。
身体の拭き方についてこれが一番という方法を覚えた。



初日、燕山荘ではコンビニで手に入れたアルコールを含んだサラサラシートで清拭。
アルコールが蒸発するヒンヤリ感は気持ち良かったが、かいた汗をほんとに落とせたかというとその感触はイマイチ。
寝巻き用に持ってきたスウェットがベタベタと脚に貼り付き気持ち悪かった。
二日目常念小屋ではこれまでと同じくタオルに水を含ませ固く絞り身体を拭いた。
やはり寝るときにスウェットが貼り付く感があった。
今回は水で湿らせたタオルでまず拭き、そのあとアルコール入りサラサラシートで拭いてみた。
ふむ、だいぶ貼り付き感が小さい。
方法はなんであってもたくさん汗を拭き取る行為を行うほどさっぱりできるようだ。
まあ、当たり前の結果か。



外の風は収まらず。
小屋の周りの花を撮影しようかと思ったが、この風では花が揺れて思うように撮れまいとあきらめた。
そうするともうやることはない。
夕食まで寝床で昼寝?夕寝?した。
山小屋泊りはここが最後。
外でお昼寝するというのは条件が揃わないと難しいんだなあ。
思い返すに蝶槍がただ一つのお昼寝ポイントだった気がする。
横にはなれないが平たい岩に背をもたせれば、さぞ気持ち良く眠れたことだろう。



ヒュッテの宿泊者は前日よりさらに減って7名。
内5名が夕食を頼んだようで一つのテーブルを囲んだ。
お話好きらしいご婦人二人組みがいらして、同卓の他3名に出身やら登山ルートをあれこれと聞き出し、賑やかな食卓となった。
二日目三日目と歩く日が続くと疲れも溜まり、隣に人がいないことも気にならなくて、夕寝したにもかかわらず夜はまずまず眠ることができた。