シバザクラで始まり、シバザクラで終わってみた

2011-05-26 00:20:32 |  季節を巡る旅
今日はいいお天気でしたね。
「5月のとある一日」という、「みたいな」を後ろに付ければ形容詞にしてあげれる、爽やかな日だったのでは。
街行く女性の装いも軽やかになり、白いシャツが日差しを反射して、屋根の付いた通りから表に出た私の目にハレーションを起こさせ、歩き行く方がいらっしゃいました。
いつも気になる楠木。
こちらも葉っぱに花を乗せ白っぽい装いです。
ずっととは言いませんから、こんな気候が長く訪れてくれるといいなぁ。

季節を巡る旅も終わってしまいました。
当初の目論見通り、巡る事はできたでしょうか。
ちょっと初夏編が初夏らしさに欠けたかもしれないですね。
コメントで触れられてしまいましたが、自分が連想する冬、春、初夏の色が掲載写真に表れていて我ながら面白い。
記事をスクロールすると、白、桃、緑とベースカラーが移り変わります。
自分ってなんて単純なんだろうと再認識しました。

一人旅だとたぶん山に登る事に終始して、いつもの行動パターンに納まってしまってたでしょうけど、連れがいる事でずいぶん変化のある旅行きになりました。
山に染まるのもいいですけど、こんな旅もいいですな。



自電車で行こう

2011-05-25 02:10:36 |  季節を巡る旅
季節を巡る旅も、いよいよ大詰めです。
今見ダムからもう少し走り、最終目的地へ到着しました。
そこは旧神岡鉄道の岐阜側終着駅である「奥飛騨温泉口駅」。
今はレールマウンテンバイクガッタンゴーの出発駅です。

数年前、廃線となった神岡鉄道の設備を、娯楽施設として再利用しています。
どんなお遊びかと言うと、自転車に乗って実際に使われていた鉄道の線路の上を走るというもの。
GW前にTVで紹介されたのを偶然見て知りました。
一応鉄道好き、自転車好きの私が興味を引かれない訳がなく、今回の旅の行き先と重なるので、急遽予定に組み込みました。
自転車で線路の上を走ると聞くと、綱渡りするような技術がいる気がしますが、そんな訳はなく、自転車二台を台車に固定し、平行してレールの上に乗せられているので、自転車に乗れれば特殊技能は必要なし。
台車には鉄道車両の車輪のような形状の、小さな金属製のコマが付き、脱線しないようになってます。


自転車の車輪は動力をレールに伝えるのと、制動をかけるのが役割。
前輪は浮いた状態で真っ直ぐに固定されていて、役割なし。
これに二人で乗って線路上を走ります。
用意されてる自転車のほとんどが電動アシスト付きです。
初めてアシスト付きの自転車に乗りましたが、なんとも楽チン。
気候も良く軽装で往復しましたが登り勾配も楽々で、汗をかく事もなく運動量としては物足りないくらい。
付いてない車両もあるのですが数が少ないようで、そちらを予約しようとしたら全て予約済でした。

コースは奥飛騨温泉口駅から三駅先の神岡鉱山前駅まで往復。
約5.8キロメートル。
注意事項の説明があり、ヘルメットを被って出発です。
だいたい1時間に1グループ、1グループは8組くらいがお互いの間隔を開けて走り出します。
さあ、我々の番です。

最初は急な傾斜が設けられていて、勢いを付けて滑り出します。
駅のホームを通りすぎ、線路は左へとカーブ。
剛性感ある車両は軽やかな音をたてて進みます。
おお、…これは楽しい。
台車が上手く考え作られていて、線路と接する車輪が金属製なので、まるで本当の電車に乗っているような音がします。
特にレールの継ぎ目を越える時がいい。
なるほど、ガッタンゴーだ。
コマがゴム製だったら、こんなに面白くなかったでしょうね。


遊園地の同様の乗り物と違い、走ってるそこは山中の町中。…ん?
裏庭でなにやら作業している民家の横を通り、本物の小川を渡り、本物の渓谷を覗き、本物のトンネルをくぐる。
自転車で道路を走っても同じような景色は眺めれるのでしょうけど、目の前にはレールが二本伸び、枕木が後ろに流れ、電車に乗ってる音がする。
電車の運転手気分と、トロッコの解放感が同時に味わえます。
いや、全周囲360゜遮るものはなにも無いので解放感はこちらが上ですね。
二人で並んでペダルをこぐというのもいい。
チャリ友もよろこぶよろこぶ。
ハンドルを握っていなくても、勝手に線路に沿って進んでくれるので、脚だけ廻し手にはカメラ。
速く見えますが、時速10kmくらいでトロトロ走ってます。


途中二ヶ所でトンネルをくぐります。
ひとつ目は短いのですがふたつ目は長く、カーブしているので出入口が見えない区間がまずまずあり、照明がないので真っ暗です。
事前の説明では、「絶対脱輪する事はないので、安心してアドベンチャーを楽しんでください」、みたいな事を言ってました。
子供を隣に乗せて走っても楽しいでしょうね。


そうこうする内に折り返し点の神岡鉱山前駅に到着。
ここで全車が到着し、車両の方向をひっくり返してもらう作業の間、休憩です。
列車がやってくる心配はなく、線路の上を自由に歩け、すきな写真を撮って時間を過ごしました。
帰り道はスタートから気分は早くも名残を惜しむモード。
行きとは逆の景色を、ゆっくりゆっくり走って楽しみました。
それでもあっという間に出発駅に到着。
もっと距離を走らせてくれてもいいのになあ。
はぁ、GWのお楽しみもこれで終了しちゃいました。

 

記事掲載でもちょっと道草

2011-05-22 17:21:43 |  季節を巡る旅
あんまり注目してなかったのですが、ブログのフォトチャンネルだと大きな画像が登載できるのですね。
今頃になって気付きました。

ブログ掲載開始当初、記事内では写真は小さく、気になる写真はクリックすれば拡大表示、みたいな機能がないか探していたのですが、見つけられませんでした。
すっかり諦めて二年あまり。
ずっと小さい画像で我慢?してましたが、使い方は違うものの、大画像を提供する事が可能なようです。

という訳で一個、チャンネルを作ってみました。
マニアックですみませんが、題して「今見ダム」。
前回記事の51枚の写真から、見れる奴を選択しました。
スライドショウで画面いっぱいにして見てみてくださいね。
使い勝手が良ければ、また掲載したいと思います。


【今見ダム】

新緑と碧水

2011-05-21 01:04:23 |  季節を巡る旅
話題の気候は初夏へと移って来てると思うのですが、本格的に季節を進めたいと思います。
旅は最終日、5月6日。
最後の目的地へ車を走らせます。
安曇野から西へ北へ、上高地の南を通りすぎ、安房トンネルをくぐって、飛騨の国へと越境。
そこから神岡方面へ国道471号線を下ります。

これが文字通り下る下る。
ずっと下り続けです。
しかも凄い傾斜だ。
ギアを3速、2速に入れてエンジンブレーキをかけても結構なスピードが出ます。
ずいぶん燃費を稼がせてもらいました。
反対側から自転車で登るのは無理だな。
サイクリングコースには使えません。

いくつも温泉地を抜け、奥飛騨温泉郷への道を右に分け、更に下ります。
そこからは谷間の道で、ようやく傾斜が緩んで、左手に川が並行して流れるようになります。
そこら辺りは樹種が限られているのか、新緑はほぼ単色。
川岸や中洲が淡く萌え、パステルグリーンの葉を透かせ澄んだ碧い流れが覗けます。


そんな景色を楽しみながら走っていたら、なにやら時代がかった建造物が見えてきました。
川の水を大量に取り込んでます。
廃墟萌えな私は、その古めかしい佇まいと水の質感の組み合わせに、思わず車を止めてしまいました。
いいもの見つけた。
道草、道草。
撮影、撮影。


古めかしく見えましたが、そんなことはなく以外と新しい施設。
今見ダム富山共同自家発電と表示されてます。
この辺りの電力を賄っているのでしょうか。
うーん、黒部ダムなんて目じゃないですね。
私は心をがっちり掴まれて、30分で51枚撮影してしまった。

ほら、この時を経た感じと水の青さの組み合わせ。
グッときません?


私は道に惹かれる

2011-05-20 00:59:26 |  季節を巡る旅
今回の旅行中、果樹園が目立った場所がもう一ヶ所ありました。
立山黒部アルペンルートのお楽しみ後、宿を予約した安曇野へ向かうべく、扇沢から大町へ、大町から安曇野へと南下。
大町から安曇野に向かう交差点、道路標識に従い右に曲がると、朝 松本から大町へ北上した道よりさらに山側の道に入ったようです。
(どこかで聞いた話だ。
まあ、方向はあってるようなのでいいでしょう。

どのくらい走ったか、水田に混じり見たような樹形のリンゴの木が並ぶ果樹園が現れ出しました。
この辺も果物どころなんですね。
伊那谷のそれと雰囲気が違うなと思い観察すると、木が若く小さいので添え木が少ない。
なんだかスッキリ見えます。
ファインダーに人工物を入れず撮影が出来そう。
まあその日はアルペンルートで遊び疲れて、写真を撮りに車を止める気にならなかったんですけど。

ずっと高台を走るので、朝の道より見晴らし良し。
耕された土の黒さが印象的な田畑がなだらかに拡がり、道端や民家の庭には色とりどりの花が咲く。
いいですね。
かと思えば林の中に連れて行かれ、芽吹き頃の林間に美術館が点在する。
静かな雰囲気。

山の麓を走っているのに、上り下りがあまりない。
GWなのに車も多くない。
…これはサイクリングするのにうってつけの道ではないですか。
チャリ友とも意見が一致。
環境もいいけど、季節もいい。
信州行くなら夏、という勝手な思い込みが砕かれました。
「5月に安曇野をサイクリングする」というとても気になる旅プランを検討しなければならなくなりました。

茶店を見つけた。
しばし休憩。





果樹園に咲く

2011-05-19 00:34:18 |  季節を巡る旅
「駒つなぎの桜」観賞後、清内路を飯田へ戻り、一般道を北へとたどりました。
その日の宿を取った松本へと向かいます。
先を急がず伊那谷を走る時、いつも中央アルプス側の斜面中腹に伸びる広域農道を使います。
前にも記事にした気がしますが、も一度紹介。

農道と呼ばれているようですが、快適な高原道路です。
国道153号線より空いてるし、標高も高いので眺めもいい。
お気に入りの道です。
大阪へ帰る時よく利用し、旅の名残を惜しむ道です。
なので北から南へ走る事が多く、また松川ICから高速に乗っちゃうので、今回飯田からの入り口が分からず、山側のより標高の高い道に迷い込んでしまいました。
まあ、方向はあってるようなのでいいでしょう。

この辺りは果物の栽培が盛んで、梨やリンゴの木が等間隔に植えられている果樹園をたくさん見ます。
そして今は花の時期です。
途中二度ほど道草し、写真を撮りました。
伊那路は中央アルプスと南アルプスに挟まれた土地。
果樹園に咲く花と背後に雪を抱いたアルプス、なんて写真が撮りたかったのですが、道草した場所にはなかなかいいポイントが見つからず。

二ヶ所だけでは駄目ですね。
網の目のように敷かれた道をもっと走り、うまく見下ろし見晴らせる場所を探してやる必要があります。
今度、春にドライブの行き先に困ったら、伊那谷をうろつく事にしよ。

<梨の花(と思う)>


<リンゴの花(と思う)>

義経が馬をつないだ

2011-05-18 00:56:32 |  季節を巡る旅
花桃祭りの一方通行規制の出口少し手前で、左へ道が分かれている所があります。
そこを北へと上って行くと、「駒つなぎの桜」と言う立派な一本桜があります。
有名な桜らしく、その桜を写した作品を写真誌で何度か見た事があります。
満開を迎えたという情報があり、ちょっと寄ってみました。

桜を見に来た人の為、駐車場があるのですが、そこから結構歩かされます。
しかも急坂。
透明な水が上から駆け降りてくる側溝や、斜面に立つお寺、民家横から裏山に繋がる庭に咲くチューリップなど、気分を紛らわせてくれるものに目を遊ばせつつ、一歩一歩登ります。
坂の登り始めにも桜の木が植わってましたが、風が吹くたび大量の花びらが舞って、半分散っていました。
目的の桜は大丈夫かしらん。

道の先に人が集まっている様子が伝わってきました。
ようやく到着したよう。
少し開けた田んぼの畦に、こんもり桜色の傘が見えます。
あれか。
思っていたより小さいんだ。
桜だけ撮った写真だと、大きさが分かりにくくて、来るまで巨木を想像してました。
でも近寄ってみると、なるほど枝振りはとても立派です。
道の端には観桜台が設置されて、沢山の人が観賞・撮影してました。



エドヒガンだそうです。
一部に葉っぱが少し出、花の密度は薄くなってましたが、まだまだ満開と言っていい咲き加減。
桜の木の下には入れないようで、変化あるアングルでは撮影できず。
まあ、当然ですね。
入れたらこんな風に桜だけ撮れない。
しかしうまく花の咲く時に合ったものです。
ここだけでなく、今回の旅の行く先々で、桜が咲いていました。
信州ってやっぱり涼しい所なんですね。

帰りは下り道。
のどかな景色を眺めつつ、気持ち穏やかに駐車場へと戻りました。

桃色それは春の色

2011-05-17 00:47:29 |  季節を巡る旅
季節を巡る旅、冬編は前回で終了。
今回から春編です。
旅は2日目、5月4日。
当初は1日目に観賞予定だった花桃の花を見て来ました。

木曽谷と伊那谷を南端で結ぶ峠越えの道、清内路。
花桃の木が沿道にたくさん見られ、花の時期はとても華やかなドライブが楽しめます。
初日に通過した時は、昼神温泉辺りが満開を少し過ぎたところ。
そこより標高が低いと、すっかり終わってしまってました。
それで、も少し山の上にある花桃の里へ行く事に。
そこは中央道の園原ICをくぐった先にあり、こちらの方が高い所にあります。
ちょうど花桃祭りをやっていて、交通規制が入り、その一帯は一方通行となってました。
村内を一周する位大きな範囲で一方通行させられるので、注意が必要です。



幸いな事に、祭りの会場の中心部の駐車場に止める事ができました。
駐車場脇にはテントがいくつも張られ、地の物が色々売られ、賑やか。
冷やかし歩き、花桃の並木のある川沿いの道へと向かいました。


花の咲き具合はまだまだつぼみが多く、ちょっと早いかな、って感じ。
でも桃の花は満開よりつぼみがちな方が、らしさが出てて好きです。
ポツポツと丸く枝に散った様は、桜と違った春の風情を見せてくれます。
そこは川の両岸に花桃の並木が続き、上流に向かって左側の道は遊歩道に、右側の道は車道になってました。
二ヶ所橋がかかっていたので、岸を変えて往復。


会場にいる間、目をやる先々に赤や白や桃色が溢れ、春色に包まれてました。
いやいや満喫。
花桃の木はさらに上流まで植わっていて、上に行くほどつぼみは固かったので、今でもまだ花が見れるかもしれませんよ。

つめたいんだよう

2011-05-15 00:23:00 |  季節を巡る旅
さてお昼にしましょう。
室堂ターミナルへ戻り、反対側の三階出口から室堂平へ出ました。
こちらも一面の銀世界。
持ってきたおにぎりを食すべく、雪原のど真ん中に出、お尻が濡れないようレジ袋を敷き、座り込みました。
そうして、おにぎりを…、おにぎりを…
…駄目だ、耐えられない。
お尻が冷たい、凍ってしまうぅ。

立ち上がりました。
とても座ってられない。
立ったまま食べたくないし、どうしよう。

するとチャリ友がいい事を言いました。
「持ってきてた冬用の帽子を尻に敷けばええやん。」
おお、賢い。
ザックから冬用の帽子(毛糸の帽子のような耳を覆う厚手の生地でできた奴)を取出し、尻に敷くとこれが心地良し。
落ち着いて食事できました。
帽子さん、ごめんなさい。
奴の尻には、極寒に備えて持ってきた、手袋を貸してやりました。
手袋さん、ごめんなさい。


天気はますます良くなり、空から雲が消えてしまった。
地面が白いので空は濃い藍色に見えます。
風は無く、背中をお日さまが暖めてくれて、雪原上にいるとは思えない心地良さ。
寒さ対策は行き過ぎた位なのに、眩しさ対策が貧弱だった。
眩しくはあったものの、得る事の稀な場所と状況に身を置いている事を噛みしめ、景色を目に焼き付けて置きました。


室堂ターミナルの建物内に戻ると、ホントに目が焼き付いちゃってて、目の前に黒いベールを垂らされたように、周りが薄暗かった。
紫外線のきつい5月に、快晴の山の高所で、雪の照り返し付き。
だいぶ目が傷んだ事でしょう。
皆様、行かれる時はご注意あれ。

まぶしいんだよう

2011-05-14 01:19:46 |  季節を巡る旅
室堂ターミナルでは山上にホテルもあるし、富山側から来るお客さんもいるしで、その日一番多くの人を見ました。
人混みを抜け、一階出口から雪の大谷ウォーク会場へ。
除雪の済んだ駐車場を歩いて行くと、すぐに雪原が現れ、道沿いに雪の壁が出現しました。
途中右手に道が分岐し、5月上旬まで設けられたパノラマロードに入れ、雪の上を歩く事ができます。
パノラマロードは反対側で大谷ロードにつながっていて、ぐるりと一周できるようなので、行きはこちらを歩く事にしました。


雪上は遮るものは何もなく、天狗平の向こうに大日岳や劔岳がよく見えます。
しかし、まぶしい。
お天気良く、雪原の照り返しが凄い。
ピーカンのスキー場と一緒です。
油断しました。
寒いだろうと薄手のダウンジャケットを持ってきたのは正解でしたが、サングラスを忘れました。
目はずっと細めたままでいる事を強いられます。
いや、困った困った。


パノラマロードの突端まで行き、大谷ロードへと入りました。
いやー、すごいですねぇ。
道路上に雪が無い為、ようやく照り返しのまぶしさから解放されました。
後方の雪の斜面にある黒い点はスキーヤーです。

普段、風景撮影の邪魔者扱いしているバスは、雪の大谷では存在価値が上がります。
雪の壁の高さを測る比較材料にでき、ちょうど走って来た時を見計らって何度かシャッターを切ってあげました。
今年(その日?)は一番高い所で17mだそうで、ホントに垂直の壁です。
雪の層には黄砂が堆積していて、黄砂が降った観測日から、いつ積もった雪か分かるそうです。
岩土の地層で地球の歴史を調べれるのと一緒ですね。