伝えたいもの残したいもの

2013-02-28 01:22:00 | Weblog
この2週ほど週末になるとグッと寒くなる気候の巡り合わせで、平日の朝と夜の冷え込みを日中味わいつつお出かけするお休みになりました。
でも凍えてでも訪れるに足る収穫がありました。
先々週の京都の写真展に続き、先週末は滋賀県大津市は瀬田にある県立近代美術館に、ハービー・山口写真展を観に行ってきました。
ハービー・山口は現役の写真家です。
芸能人を相手に撮影したりすると聞いたので、きらびやかな世界の作品が並んでいるのかと思いましたが、さにあらず。
名前もハービーなんて付けてるくらいだからと、変な先入観を持っていました。

彼の写真も白黒がほとんど。
当然なんでしょうけど先々週見たロベールドアノー及び木村伊兵衛の作品と、またまた違いがあって興味深かったです。
全ての作品がそうだとは言いませんが私の印象の違いは、ドアノーと木村は人々の暮らし振りを人々と等しい目線で見やり留めようとしている感があり、ハービー・山口は相手と向かい合いその人の感情というか気持ちを写し取っている感がありました。
彼がどんな人なのか知らずに行きましたが、生い立ちや写真家としての思いが紹介されていて、その思いの通り撮影し体現している作品にひたすら感心するばかり。


彼は人物の写真だけでなく建物や自然も被写体にしています。
代官山17番地という今は無き場所の写真が素敵でした。
そんな所があったと初めて知りましたが、写真からは古いアパートメントが入り組んで建つ一角のようです。
モルタルなのかコンクリートなのか、時代を経た建物は草木に覆われ、半分廃墟と化した所。
私が一番気に入った作品は、建物の中から窓を写した写真。
ガラスのなくなった窓枠に絡む植物の葉っぱが瑞々しく光を透かし、白黒写真なのに緑色に見えるのです。

こういった個展は作者のスタンスが明確に見て取れて面白いですね。
皆さんしっかり自分のスタンスを表現しています。
比較するのはおこがましいですが、自分はどうなんだろうと振り返ってみると、あれもこれもと欲張って立ち位置がバラバラです。
スタイルを未だ探求中と考え、なぐさめておきます。
私の明確なスタイル、見つかるといいなあ。



ではさっそく白黒で

2013-02-26 02:07:41 | その他旅行き
前話の写真展を観賞した後、午後も遅くなっていましたが、日暮れまで美術館近くを散策しました。
さっそくその時撮った写真を白黒にしてみました。
古い街の風情はモノクロなトーンに合いますね。


祇園辺りで見つけた路地。
四条通りなんて大きな通りから延びてるとは思えない狭さでした。
この路地の向こうはどこにつながっているのたろう、と普通でない想像をしたくなる径。
3本くらいかな、こんな路地が続けてありました。

<月真院の山門から庭を覗く>


<石塀小路の板塀>


<Be quiet


<石塀小路の西側入口>


<圓徳院横の道>


京都がすごい所だなと思うのは、なにげに歩いていてふと見上げると五重塔があったりすること。
なにも知らずに観光した方が発見の驚きが加わって面白いかも。
そんな偶然に期待できるのも、歴史的建造物の建ってる密度が異様に高いからですね。



<東大路通から八坂の塔>



人柄

2013-02-23 01:14:25 | Weblog
変わらず毎日寒いですね。
今冬は雨の日が多く、自分の中に雨が降ると暖かくなるイメージがあるためか、春は近いぞと感じたり、休みの日、車の中でお昼を食べてると、温室効果で暖かく、春はすぐそこと感じたりしてたのですが、勝手な思い込みでした。
朝夕、まだまだ手袋とマフラーは必需品の日々が続きそう。

そんな寒さの中、京都に写真展を観に行って来ました。
美術館「えき」KYOTOのロベールドアノー生誕100年記念写真展と、何必館の木村伊兵衛展。
なかなか面白かったです。
ドアノーの方はカラー写真もありましたが、白黒写真がほとんど。
木村の方は白黒だけ。
両者大体同年代(戦中戦後)の作品が展示されていました。
どちらも私の苦手とする人物写真です。

ドアノーはパリの街が活動の中心。
街で遊ぶ子供や、カフェに集う人々、戦時中の地下組織、当時の文化人が被写体です。
少し引いた位置から撮影しているので(ドアノーの内気な性格からだそう)、背景のパリの街の様子が窺え、古い建物が好きなよかばかとしては「いーなー、こんな街を撮ってみたい 」、とあこがれてしまいました。
看板がほとんどなく、あっても今のけばけばしさはなく、反対にアクセントに取り入れたいくらい。
カラーであってもたぶん渋い色合いなんだろうと思わせる街は、どれもこれも単色の濃淡で捉えられていました。

展示写真の最後に少しだけカラー写真がありました。
戦後しばらくした新しいパリの建物を、記録写真として残す仕事をしていたそう。
なんだか発色が良くなく見え、魅力的な白黒写真を見せられた後だからか、色が付いているという事自体違和感たっぷりでした。
日頃、カラー写真ばかりに触れているのに、意外な感慨。


対して、木村は被写体に一歩も二歩も踏み込んで撮影している感じ。
秋田だったかな。
懐かしき地方の町人や村人が、画面いっぱい写されている感を受けました。
その頃のものでしょうか、木村自身の写真があり、人懐っこい表情からして、誰とでもすぐに打ち解けれる人なんだろうなあという印象でした。
うらやましい。

こうして同類の展示会をハシゴして観賞するのも、それぞれのスタンスが比較できて面白いですね。
自分の中では白黒写真は難しいもので、どういった対象を相手に撮るべきか分からないでいたのですが、なんだかヒントを得たように思います。
デジタルカメラなら、カラーにもモノクロにもできますから、白黒写真での表現に積極的に挑戦してみようかな。

<京都駅>




ラベル

2013-02-21 00:11:19 | お酒
冬になると同じように間違いを繰り返す。
数年前、改善できた食習慣はどこへやら…。
深夜に、食べる食べる飲む飲む。
体内の冬型脂肪配置が例年通り立ち現われています。
この丸く膨らんだお腹はどうしたもんだろう。
春になり暖かくなったら、アルコールによる暖の欲求と、脂肪蓄積を指向する体の欲求が収まり、すっきりお腹が戻って来ることを願うばかり。(ああ、他力本願。

時々アルコール度数の高いお酒も楽しむようになってしまった。
さすがにこれは以前のように集中しては飲みませんが。
やっぱりおいしいですねえ。
ひとつひとつ個性の違いがはっきりしていて、飲んでいて本当に楽しいのでまずい事態です。
てことで、今私の部屋にあるハードリカーをご紹介。


ポワールウィリアム。
私には珍しく、ブランデー。
イタ飯屋で飲んだ、ワイン醸造のため果汁を取った後のブドウの搾りかすを醸したというグラッパが美味しくて、スーパーで探してみるも見つけられず。
代わりに購入してみた洋ナシを原料に蒸留したブランデー。
こんなお酒もあるんだと気づかせてくれた。
甘口。
グラッパの、少ない糖分をとことん使い切ってアルコール度数を上げたような、ふくよかさからは程遠いワイルドな味わいとは素性が違う感じ。


テンガロンハット。
ケンタッキーストレートバーボン。
最近の薬局はスーパーマーケットだ。
その昔、お菓子や清涼飲料水が売られていて驚いたが、今やアルコール飲料まで売っている。
見たことの無いバーボンウィスキーが安く売られていたので、思わず買ってしまった。
味は…、これがグレーンだ、って感じ。


ハディントンハウス。
ブレンデッドスコッチウィスキー。
ウィスキーのテイスティンググラスで試すと、私の貧しい味覚臭覚では利き分けられないブレンデッドなウィスキー。
しかしワインを飲んだ後、ものぐさにも空になったワイングラスに注ぎ、内壁に回し香ってみたら…。
甘い香りがグラス内に漂っていました。
直接的に香るとアルコールが強くて分からない甘い芳香が、ワイングラスの口中の広い空間で薄められると立ち現われる事があるんですね。
ちょっとした発見でした。

八幡掘辺り

2013-02-19 00:59:10 | その他旅行き
行楽オフシーズンの旅行はなかなかお薦めです。
観光先の催し物なんかは頻度が少なかったり、施設が営業してなかったりしますが、人が少ないし空いてるからいい宿や列車が直前でも取れる。
昔は冬はあまり出歩かなかったですが、ブログを書き出してから寒い季節でも旅に出るようになってそう思います。
冬の旅が好きな人や、枯れた気分や景色を求めているなら、こんな幸運な事はありませんな。

なぎさ公園から琵琶湖東岸の湖岸道路を北へ東へ走ると近江八幡の町があります。
駐車場に車を置いて、半日歩いてみました。
八幡掘辺りをご紹介。

<かわらミュージアムの東を流れるお堀>


<かわらミュージアム事務棟の壁>


<こぶしの芽>


<甕一面を覆う>


<堀の対岸>

<屋根の上で踊る>


<カフェ>


<八幡堀めぐり遊覧船>


<みなもにうつる>


<案内板>


<打ち捨てられた瓦>


<堀の対岸>


<堀端に何故かキウイフルーツの木があり、メジロが実をついばみに来ていた>


<季節外れのツワブキ?>


<橋のたもと>


<桜の木でした
 春、花の咲く頃また来たいですね
 それはそれはすごい人出でしょうけど>


今週の銭湯反省会「スウィートスポット」

2013-02-17 10:24:01 | テニス
私のラケットはふた昔前の薄ラケです。
薄くてしなりがあるので、ストリングスが長くボールに触れていられてコントローラブルなのが好きです。
スピンも適度にかかります。
しっかり打たないと返らないのも、きちんとスイングする意識を持つのに有効かなと思っています。

体重をしっかり乗せ、スウィートスポットで捉えることができれば、驚くようなボールが行きます。
スウィートスポットはとても小さく難しいラケットなので、10回に1回当たればいい方ですけど。
スウィートスポットとはホントにうまく言ったものです。
真ん中に当てる事ができると、グリップを握る手のひら、腕、体幹に、それはそれは気持ち良い感触を伝えてくれます。
イコールいいボールが行くという事で、ベストショットが打てたという満足感を与えてくれます。
10回に1回くらいですけど。

最近そのラケットの重さが結構堪えます。
若作りしてるよなあと思います。
ボレーで素早い動きが要求されるとき、以前の様に対応できないのは筋力の衰えなんでしょう。
スクールに置いてある試打ラケットで、少し面が大きくて軽いのを使ったりすると、自分のラケットだと押し込まれてネットする様なストロークが楽々返るので、自分の体力にあっていないラケットを使ってるんだなと思う。
そろそろパワーのあるラケットに替える頃合いなのかな。
でもその試打したラケットは打感が軽いので、重いボールは行ってないんだろうなあ。

そんなことを考える今日この頃ですが、スウィートスポットで捉えることの威力に昨日、再度気付きました。
スクール一コマ目。
いいショットを打ってやろうと攻撃的にスイングしていくも、ラケット面の真ん中に当たらず、力は入れているもののボールに全然勢いが乗らず。
体幹から手先への運動連鎖もギクシャクして、ネットすることも。
考え直して二コマ目では、力強く打つというイメージではなく、素直にスイングしてとにかくボールをスウィートスポットで返そうと意識。
スライスアプローチなんかで、ブロックリターン風に返すだけでも、スウィートスポットに当てる事ができると、相手がミスしてくれたりします。
大して力を入れていないのに、ボールが伸びているようです。

スウィートスポットが非常に小さいラケットですけどその重さ故、同じ当りだとスウィートスポットの広く軽いラケットより威力あるボールが行くのかも。
これがこういったラケットの魅力なんだよなあ。
スイングスピードを上げる事より、真ん中に当てる事を重視すれば、も少し使えるかな。
悩みどころです。

ふと行き着いた先

2013-02-15 01:03:29 | Weblog
前々回記事の菜の花を観賞後、車に戻り湖岸道路をそのまま北上しました。
左に琵琶湖、右は耕された冬の田畑が広がる景色の中、緩やかにカーブして続く道。
快適です。
気持ち良くドライブ。

あれ、気分がなんだか軽くなってきた。
とても晴れやか。
なんだろう。
ああ、ドライブ中に時々訪れてくれる、幸せな感触に触れているんだ。

菜の花を見たからか?
晴れて日差しが燦々だからか?
道が空いてるからか?
広々とした眺めだからか?
これらも重要な要素ではあるものの、心を探るともう一つ大きかったのは、初めての道だから。
知らない場所に身を置けたので、転地効果が最大化したのでしょう。
みんな合わせていい方向にいつもと違う感が高まった模様。

このハイな気分、昔は旅に出る度出会ったものですが、最近はとんとご無沙汰。
まだ走っていないドライブロードは我が住処に近づくに連れ少なくなるもの。
旅に出れば出るだけ走った事のある道が増えて、そんな出会いの確率はどんどん低くなるって事ですか。
走った事のある道でもその他の要素が強烈にアピールしてくれば、同様の気分を味わえますけどね。

昔は旅行は年に一度だけだったからなあ。
ちょっと足を伸ばせば、訪れた事の無い場所がたっぷりあった。
たまの旅行だから知ってる場所でも十分新鮮だった。
こんな気分を味わいたくて、長く長く旅し続けてみたいと憧れるけど、旅し続けるという事は旅が日常になるという事で、旅をつまらなくする行為なんだろうか。

…しまった。
余計な事に気付いてしまった。

実は自分のものになっていない

2013-02-13 00:28:53 | テニス
この三連休はテニス三昧。
テニスばかりして過ごした。

先週は急に入った仕事のせいでテニスできなかった。
最近習得した技術に、バックハンドスライスストロークがある。
押し込まれた時に耐えるスライスと、ネットすれすれを狙い伸びる攻撃的スライス。
この両方のコツをつかんだ。
それが一週練習しなかっただけで打てなくなった。
みんなネットする。
ちくしお。

再び復活させようと目論むも、三日連続で練習したのに感覚戻らず。
フォロースルーでラケットエッジをボールを通したい高さに持っていくのが自分の中で意識するポイント。
昔うまく打てなかった頃の、「ふかすのが怖い」意識が戻ってきていて、フォロースルーが下に向いているよう。
バックハンド側に来たらすべてスライスで返すくらい繰り返し練習しないといけないようだ。

反対によくなってきているのがサーブのトス。
以前のように乱れて乱れてどうしようもない状態から脱しつつある。
とうとう出口が見えたか。
ボールを指先で持って、腕を水平から少し下げ、手首を使わないように、指先でではなく手首でボールを持ち上げる感じ。
まずまず上げたい位置であがる。
ただ、腕の下げ幅が小さいのでトスの高さが不安定。
これを制御できるようになれば、いよいよトスの課題は解消へ。
ようやくサービススイングに意識を向けた練習ができる。
サーブを自分のものにする、その日は近いぞきっと。
バックハンドスライスと同じ道を辿らないようにしなければ。

冬の色と春の色

2013-02-10 21:15:00 | その他旅行き
先日、琵琶湖畔へドライブに行ってきました。
湖の東岸、琵琶湖大橋から湖岸道路を少し北に走ったところにある「なぎさ公園」。
早咲きの菜の花がたくさん花開いていました。
そこだけ一足早く春。
琵琶湖対岸にそびえる雪山と合わせ観賞するそう。
主催者の目論見通り観賞させていただきました。

<琵琶湖と比良山系 こう見ると冬>


<雪山に春の色をプラス>


<家族でお散歩>


<お散歩 幸せ>


<菜の花の中の菜の花>



三日目の鉄分

2013-02-09 01:12:39 | その他旅行き
伊予の旅 <十二>

以上で今回の旅の訪問予定観光地は全て巡り終えました。
帰りたくないですが帰りましょう。
…もしずっと旅し続けられたら、どんな感慨を得るのでしょう。
どれくらい旅を続けたら家に帰りたいと思うようになるのでしょう。
ああ、試してみたい。

帰阪は瀬戸内海の周りを時計回りに。
松山観光港からフェリーで広島に渡り、後は新幹線を予定。
松山観光港へは、伊予鉄道の郊外電車で向かいました。
市内を走っている路面電車は伊予鉄道が運営しているのを知っていましたが、普通の?鉄道路線もあったのですね。
郊外線と呼ばれる鉄道路線は3本あり、その内の高浜線を使って高浜駅まで行きます。



途中、古町と言う名の駅でたくさんの待機車両が目に入りました。
どうやら車両基地のよう。
時間があったのでホームに降りて、一本後の電車が来るまで構内の様子を撮影しました。



次に来た電車に再び乗り込み、いつもの如く最後尾の座席から後方を眺め、見知らぬ景色を楽しみました。
路線は郊外の住宅地をつなぎ、電車は急ぐ事なく一駅一駅止まっては発車を繰り返します。
淡々と走ります。
意識を刺激する要素がありません。



この穏やかさはなんでしょう?
この走行時の揺れと発着の一定のリズムは、座席で文庫本を拡げるのに最適なのでは、と後で気付きました。
終着駅まで乗るのなら、外部刺激に妨げられることなく、今どこを走っているのか気にすることなく、小説の世界にのめり込む事ができそう。



乗車するお客さんは、松山市駅から離れるに連れ少なくなります。
天気はいつの間にか回復。
高浜駅の手前で海が望めました。
青い空に青い海。
そこだけ車窓の景色がドラマチックでした。



高浜駅に到着。
この路線、沿線住民の利用がメインなのでしょうけど、松山観光港利用者も多いと思います。
なのに、高浜駅から一駅分バスに乗らないと港に着きません。
港まで線路を伸ばせばいいのに。
採算が合わないんでしょうか。