午後にテニスの予定がある日、東大阪の所用にテニ友に付き合ってもらい、その後昼食を摂る事にした。
テニ友が食べに行きたい所があると言うので、場所を聞くと生駒山の中腹にある店だという。
スマホで地図を見ると、第二阪奈道路のトンネルの横にある。
トンネルを抜けた後だと遠回りだ。
少し離れているが阪奈道路の南に、並行して国道が走っているのでそれで行けそう。
山の中だからワインディングロードのドライブが楽しめそうだ。
テニスまで時間もあるし、そこに行く事にした。
ナビを頼んで走って行くと、近鉄電車の線路横から住宅街の細い道を上って行く。
なんだかとても細い道。
ワインディングロードはまだかなーと走っていると、そのまま山道へと辺りの景色が変わってしまった。
離合不可能な細く急な坂道の横に小さな神社?お寺かな?があったりして、あれれ修験者が歩いていそう。
なにしろ道幅が車幅いっぱいの狭さ。
すぐ行き止まりに突き当たりそうな気配が充満。
道を間違えたのかと思ったが、スマホのナビは国道上に我々がいる事を示している。
その辺りで十分急坂だったのが、その内ますます斜度が増し、道はクネクネと曲がりだす。
確かにワインディングロードなんだけど、ギアは1速しか使えず。
なんなんだこの道は。
で、気が付いた。
これは劇坂で有名な、あのナントカ言う道ではないのか。
昔、自転車雑誌で読んだ事がある。
全国の険しくて有名な上り坂に挑戦、みたいな記事で大阪の急坂の代表?に選ばれていた。
確かこの辺だった気がする。
足をつかずに上り切る事が出来るか、なんて感じで書かれていた。
道端に案内標識が刺さっていて、くらがり峠という所に向かっているよう。
あー、そんな名前だった気がする。
国道だったのか。(308号だ)
こんなに狭いのに。
酷道というやつだな。
こんな坂、自転車では上れないよ。
持久力以前にそんな脚がない。
車でも大変なのに…。
舗装はされてるもののうねりがすごく、車の腹やバンパーを擦らないか気が気でなく、一瞬たりとも気が抜けず運転に集中。
止まったら再発進できるのだろうか。
変な汗がでた。
テニ友は異常なところに連れてきたと恐縮しきり。
いい経験になったさ、とひきつる顔で答え、進む。
幸いにして前から車が来ることなく、くらがり峠を越えた。
峠を越えると下り坂。
傾斜は上りと比べれば緩く、ようやく落ち着きを取り戻す。
これは車で来るとこじゃないな。
途中ハイカーが結構歩いていた。
舗装されているけど、ハイキング気分で歩く登山道よりよほどキツイ登り坂だ。
自転車で来ていた物好き…
、いやいや果敢な挑戦者は2人。
どちらも通り過ぎる時、両手で自転車を支え立ち止まっていた。
さもありなん。
緊張して運転していたので景色を楽しむ余裕はなかったが、後から思えばゆっくり歩いて登れば面白そうな道だった。
前述の麓のお寺も深山幽谷の雰囲気だったし、山中の田んぼにカカシ、意外と民家があって石垣というより石積みの庭囲いに趣があった。
くらがり峠(暗峠)には昔の石畳が残り、茶店がある。
時間があれば写真に撮りたい被写体がいっぱいだった。
もいちど歩きにこようか。
こんなところなのに、お目当てのお店は予約でいっぱい。
近くの別のお店に行って、入れるか聞いてみた。
駐車場は一杯だったのに、幸いにしてそこはキャパシティが大きく、昼食にありつくことが出来た。
屋外の木の下の影にあるテーブルでカレープレートのお昼。
辛口と甘口のカレーを混ぜ合わせて食べる。
ようやく一息。
目の前の道路は上ってきた道と同じく狭小なのに、人も車も結構行き来がある。
人気の場所のよう。
生駒の町が見降ろせる。
頭上でツクツクボウシが鳴いている。
これはいいなあ。
帰りはくらがり峠を再度通る気にならず、奈良県側に下る。
こちらは道幅もあり、難しくない。
ここは生駒から上って遊びに来るところらしい。
普通の国道の
168号を北上し、163号で四条畷に降り、中環に入る。
いやあ、思わぬ緊張と弛緩を味わったドライブとなりました。