松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

憧れの陳式そして陳家溝

2005-07-05 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
太極導引ではじめて練習した套路は24式で、
その次が陳式太極拳の18式でした。
先生が模範表演してくださったのですが、
その第一印象はとにかくカッコイイ!
24式とはガラッと変わって動作に緩急があり、
そのダイナミックな動きに
思わず“いいなあ。こんなことができるようになるんだ~”と、
のんきに考えていました。

太極導引を始めてからまだ一年にも満たない時期ですから、
体づくりも基本姿勢もまだまだの段階です。
当然先生はそのつもりで指導しているのに、
自分達は先生の表演イメージを思い描いて
練習していたわけでして、今思えばお恥ずかしい限りです。

陳式を実際に練習してみてわかったのは、
力強さは力だけでは表せないということでした。
呼吸も動作を形成する上で大切であることも
感じました。
ことに緩急をつけることで
呼吸と動作との協調性が求められますから、
不安定な呼吸は不安定な姿勢に、
姿勢が不安定になれば呼吸が止まるというように
密接にかかわってきます。

当然ながら自分の段階では
たいした要求もされていないのにもかかわらず、
それでもまだ思い通りになりません。
思い通りに体を動かせない、
体が自由に動かないのはなぜだろう?
陳式はカッコイイだけじゃない。
もっともっと何かがある、それを知りたいと思いました。

そうして陳式への興味が日増しにつのり、
個人的にもいろいろと調べたりしていました。
そのときたまたま手にした某雑誌のグラビアに
陳家溝が掲載されていたのです。
太極拳の発祥の地と紹介されていました。
それ以来、陳家溝は陳式太極拳とともに
私の憧れとなりました。

お盆休みが明けると、専科では
三度めの陳式太極拳の套路練習をします。
過去2回は18式でしたが今回は38式です。
陳式を練習するたびに
何かにひっかかり迷いながら何かを得てきたように思います。
太極導引は健康法ですから
必要以上に何かを求めることもないのかもしれません。
ですが、太極拳の套路には
何かを思わずにはいられないものが
潜んでいるような気がしています。