松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

中指の秘密

2005-07-16 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
孫式を練習していて、最初の頃は
手首の力を抜こうとするあまり、
ついつい指先が
丸まってしまうことがあり、
その度に先生から注意されていた。
手首や掌に力が入っているのは
わかるのだけれど、
どうやって抜いたらいいのかが
わからなかった。

ところがひょんなことから
ある経路が見えてきた。
実は腰や首に弱点をかかえているために
手足にちょっと痺れがあるのだが、
そのために運動していると「響く」ことがある。
この響きがヒントとなった気がする。

例えば開合手や単鞭は
肘がポイントになるように思っている。
自分では肘の動きを意識しだしてから
手の動きが変わってきたように感じているからだ。
うまく説明ができないので大雑把になってしまうが、
肘を意識する延長線上に
手、指とくに中指へとつながる感覚が、
どうもあるらしい。
掌というのは触ればわかるのだけれど、
指と同じように
五本の骨でできている。
したがって中央の中指にあたる骨を意識すると
自然に中指先まで
感覚がつながるみたいなのだ。

以前、単鞭を練習していて
肘を垂らすと掌が立つことに気がついた。
その応用として
中指にあたる掌の中央の骨を意識してみたら
自然に指が伸びたというわけ。
とくに力は必要としない。

それ以来開合手や単鞭、雲手など、
今まで指が丸まってしまう傾向のあった動作から
試してみたのだが、個人的には好感触。
ちょうど掌の窪んでいるところ
(たぶん労宮穴かと思うけど…)が
ムズムズッとしてきたりすることもあるので、
おもしろい。
こういう発見があると
途端に練習がおもしろくなってきたりして、
現金なヤツだなあと思う。