松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

体感センサー

2005-07-09 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
整体を受けた後は、どうも体感センサーの感度が
変わるような気がします。

治療前の問診であらかじめ自分で感じている体調や
変化の有無などを報告するわけですが、
その時には感じていなかったものが
翌日になってあれ?っと、思うことがよくあります。
治療中に違和感をとくに感じないと言ったのは
ウソではないのです。
昨日は感じていなかったのに
今日は何だか違和感があったりするのです。

ひょっとして痛みや違和感などにも
その状態によって序列みたいなものが
あるのではないでしょうか。
そのときに最もつらい部分を
優先的にセンサーが感知して、
症状として訴えるように仕向けているのではないか
という仮説です。
つまり最優先の症状が緩和されると、優先順が入れ替わって
新たな症状をセンサーが訴えかけてくるのではないかと。
そうやって次から次へと
さまざまな症状を繰り返し訴えながら、
徐々に快復にむかっていくのかなあと思ったりしています。

東洋医学に長年お世話になってきた経験からすると、
どうもそういう傾向があるような気がするのです。
とくに慢性的な症例に対しては
時間をかけて改善を積み上げていく東洋医学の処方は、
患者にとっても必然的に時間をかけて
自分の身体やこころの傾向(性質)に向き合うことになり、
場合によっては生き方やものごとに対するとらえ方まで
変わってしまうこともあります。

もちろん症状によっては
西洋医学や外科的処置によって改善快復をはかる方が
よい場合もあります。
ですが、ヒトの心は「ノドもと過ぎれば…」という
懲りないところがありますので、
だからこそ意識して養生することが
欠かせないのだろうと思います。

養生を身近に習慣づける意味でも、
体感センサーが良好な状態にあることは大切ではないか
と思うのです。
たまにメンテをしてあげることも必要かなと。
それには太極導引みたいな運動は
ピッタリだろうなあと思っています。