イングランド ヘレフォード州
スナック菓子に「コロン」というのがある。きっと食されたことがあると思う。
円筒形ワッフルの芯の部分にクリームを詰めた、サクサクのおいしい菓子である。
さくさくのクリームコロンである
前にも述べたが、ゆきたんくは下戸で甘党である。このような菓子の箱を開けようものならば、途中でやめることなどはできない。たちまち完食である。
健康に悪いのだろうが、「旨いものを喰って死ぬのなら」なんて不謹慎なことを言ってでも自分を正当化するだろう。(だから太るんだって)
小さい時にヤクルトをとっていたが、そのビンのサイズにがっかりしたものである。もちろん親は嗜好品としてでなく、薬扱いだったので量が少なくても関係はなかったと思う。子供心にしてみれば甘酸っぱい清涼飲料水の趣もあったから量は少なく感じたのである。森永マミーという乳酸菌飲料は、ヤクルトに比べかさがあったが、それでも満足できるものではなかった。「これをガブガブ飲めたらなぁ」とよく思ったものである。現在乳酸菌飲料の500mlパックが出ていて、その思いは果たされたのである。
さて、コロンの話をしていたのであった。甘いもの大好きのゆきたんくがイギリスに行った時にであったコロンがある。酪農の地のヘレフォードの道を車で走っていた時のことである。イギリスの畑を通る道は、その脇に生垣が作ってある。日本の道路のガードレールのようにずっと続いているのである。ところどころ途切れているのだが、その間から見えたのが巨大なコロンだったのである。車を止めて近づいてみる。
きれいに丸く巻いてある。中身はクリームの訳はなく、牧草である。正式名称は「ロールベルサイレージ」といって、牧草をロールに巻き、そのまま転がしておくと、自然発酵して、牛にとっては美味なご馳走に変身する代物である。昔はサイロに牧草をたくさん運んで牛の餌としていたが、現在ではこの方が安価であり、施設の手入れや、サイロ内の無酸素状態が引き起こす酸欠事故もなくなるので一般的になりつつあるようだ。日本では北海道で多く見られるようだ。
今では、恵方巻きに見立てた30cm近い長さのコロンがあるようだが、まだそんなものを見たことがないゆきたんくにとって、強大なコロンはとても目に新鮮に映った。と同時に、こんなコロンを食べてみたいという衝動(いい年してね)や以前に「なんだこりゃ」と思っていたウォールペーパーの正体(前述のマイクオールドフィールドのチューブラーベルズのロゴがついているのにコロンが転がっていた。)が分かった。
チューブラーベルと牧草ロールの壁紙
イギリスではいたるところに牧草があり、ロール状のものや、ブロック状のものもあった。そのブロックでさえ食べ物に見えてしまうから厄介なものである。
ブロック状の牧草
イングランド グロスター州
さて、検証はしていないのだが、このコロンと酷似した牧草ロールは関連があるのだろうか。あるとすれば、どちらが歴史が古いのだろうか。などと考えてしまうときりがないのでこの辺でやめておこう。
神秘的な朝靄の中の牧草ロール
ウェールズ モンモース州