先ほど、ネットでニュースを検索していた時、
北海道の函館で、薪ストーブを製造されるニュースを見て、
私は何かしら懐かしい心情となった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080919-OYT1T00825.htm
私の母が10年前に死去された後、翌年の年始は、喪中となり、
家内はそれまで毎年御節料理を造っていたが、
親族の新年会も20数年ぶりに取り止めとなり、
私達夫婦は初めての年末年始の旅行に出かけたのである。
秋田県の山奥にある秋の宮温泉郷にある稲住温泉に3泊4日で滞在した。
何かしら開放感があり少し華(はな)やかな北海道、東北の著名な温泉地は、
亡き母との歳月の思いを重ねるには相応しくないと思い、
山奥の素朴な温泉地としたのである。
稲住温泉の周辺は山里の情景で、雪が舞い降り中、
狭い県道、市道の雪道を散策したりした。
付近にある町営スキー場は、ゴンドラなどもなく、
リフトが2本観られる素朴なスキー場であった。
スキー場の外れにある蕎麦屋さんに入り、
昼食代わりに山菜そばを頂こうと、
入店したのであるが、お客は私達夫婦だけで、
こじんまりと店内の中央に薪ストーブのあり、
私達は冷え切った身体であったので、思わず近づき、
暖をとったのである。
私は東京郊外の住宅街に住む身であり、
とても家の中の一角に薪ストーブを置けるような場所もなければ、
薪の補給を配慮すれば、贅沢な暖房具となっているのである。
私の幼年期は、今住んでいる処からは程近く、
田畑は広がり、雑木林があり、祖父と父が中心となり、
農家を営んでいた。
家の中の一面は土間となり、この外れに竈(かまど)が三つばかり有り、
ご飯を炊いたり、煮炊きをしたり、
或いは七輪の炭火を利用していた。
板敷きの居間は、囲炉裏であったが、殆ど炭火で、
家族一同は暖をとっていたのである。
薪は宅地と畑の境界線にある防風林として欅(けやき)などを植えて折、
間隔が狭まった木を毎年数本切り倒していた。
樹高は少なくとも30メートルがあり、主木の直径は50センチ程度は最低限あり、
これを30センチ間隔で輪切りにした後、
鉈(なた)で薪割りをし、日当たりの良い所で乾燥をさしていた。
そして、枝葉は竈で薪を燃やす前に使用していたので、
適度に束ねて、納戸の外れに積み上げられていた。
薪ストーブの中、薪が燃えるのを眺めていたら、
こうした幼年期の竈(かまど)の情景が甦(よみがえ)り、
『お姉さん・・お酒・・2本・・お願い・・』
と私は60代の店番の女性に云った。
そして、薪ストーブで暖を取りながら、昼のひととき、お酒をゆっくりと呑もうと思い、
家内は少し微苦笑した後は、
殆ど人気のない外気の雪降る情景に見惚(みと)れていた。
北海道の函館で、薪ストーブを製造されるニュースを見て、
私は何かしら懐かしい心情となった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080919-OYT1T00825.htm
私の母が10年前に死去された後、翌年の年始は、喪中となり、
家内はそれまで毎年御節料理を造っていたが、
親族の新年会も20数年ぶりに取り止めとなり、
私達夫婦は初めての年末年始の旅行に出かけたのである。
秋田県の山奥にある秋の宮温泉郷にある稲住温泉に3泊4日で滞在した。
何かしら開放感があり少し華(はな)やかな北海道、東北の著名な温泉地は、
亡き母との歳月の思いを重ねるには相応しくないと思い、
山奥の素朴な温泉地としたのである。
稲住温泉の周辺は山里の情景で、雪が舞い降り中、
狭い県道、市道の雪道を散策したりした。
付近にある町営スキー場は、ゴンドラなどもなく、
リフトが2本観られる素朴なスキー場であった。
スキー場の外れにある蕎麦屋さんに入り、
昼食代わりに山菜そばを頂こうと、
入店したのであるが、お客は私達夫婦だけで、
こじんまりと店内の中央に薪ストーブのあり、
私達は冷え切った身体であったので、思わず近づき、
暖をとったのである。
私は東京郊外の住宅街に住む身であり、
とても家の中の一角に薪ストーブを置けるような場所もなければ、
薪の補給を配慮すれば、贅沢な暖房具となっているのである。
私の幼年期は、今住んでいる処からは程近く、
田畑は広がり、雑木林があり、祖父と父が中心となり、
農家を営んでいた。
家の中の一面は土間となり、この外れに竈(かまど)が三つばかり有り、
ご飯を炊いたり、煮炊きをしたり、
或いは七輪の炭火を利用していた。
板敷きの居間は、囲炉裏であったが、殆ど炭火で、
家族一同は暖をとっていたのである。
薪は宅地と畑の境界線にある防風林として欅(けやき)などを植えて折、
間隔が狭まった木を毎年数本切り倒していた。
樹高は少なくとも30メートルがあり、主木の直径は50センチ程度は最低限あり、
これを30センチ間隔で輪切りにした後、
鉈(なた)で薪割りをし、日当たりの良い所で乾燥をさしていた。
そして、枝葉は竈で薪を燃やす前に使用していたので、
適度に束ねて、納戸の外れに積み上げられていた。
薪ストーブの中、薪が燃えるのを眺めていたら、
こうした幼年期の竈(かまど)の情景が甦(よみがえ)り、
『お姉さん・・お酒・・2本・・お願い・・』
と私は60代の店番の女性に云った。
そして、薪ストーブで暖を取りながら、昼のひととき、お酒をゆっくりと呑もうと思い、
家内は少し微苦笑した後は、
殆ど人気のない外気の雪降る情景に見惚(みと)れていた。
