夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

嵐山光三郎・著の『不良定年』・・。

2009-09-14 16:21:50 | 読書、小説・随筆
私は作家・嵐山光三郎氏の作品に関しては、料理、温泉の随筆を読み、
ここ10数年は『西行と清盛』、『文人悪食』、『追悼の達人』、『悪党芭蕉』、
『死ぬための教養』、『人妻魂』、『編集者諸君!』、『おはよう! ヨシ子さん』
の順で読んできた。

特に『追悼の達人』を読んでいた時は、深く感銘させら、
これ以降は店頭で見かけた時は、無条件で購入し、読むことにしている。

こういた意味合いから、このサイトに於いても、
嵐山光三郎氏に関しても数多く綴ったりしているが、
過日、遅ればせながら駅前の本屋で、氏の『不良定年』(ちくま文庫)を見かけ、
ここ数日読んだりしている。

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4480424113.html


あとがきに明記されているが、
《本書は2005年2月、新溝社より刊行された。》と表記されていたので、
『悪党芭蕉』の作品で読売文学賞したあとの一冊でもある。


本書は氏が大学卒業後、平凡社に入社された後、人一倍奮闘され上、
34歳で『別冊太陽』の編集長として実績が認められ、
その後は平凡社としては社はじまって以来の若さであったが、
勇猛果敢な桁外れに優秀な方であったので、
社長の強力な抜擢より、36歳で月刊教養雑誌の『太陽』の編集長となった方でもある。
そして、発行部数を伸ばしていたが
不運にも社の肝要な経営基盤の百科辞典が低迷し、45歳以上の希望退職が掲示された時、
氏は38歳の若さで、自(みずか)ら退社してしまうのである。

この後は、新興の出版社に携わり、編集をしたり、
自身で書かれたりし、やがて作者として精力的に数多くの作品を発表された方で、
65歳過ぎた時、この本書が発表されている。

私は本書を読み終えた後は、もとより氏の半生記と私は受け留めたのである。


私は氏の『太陽』の編集長を歴任された方は書物などで知っていたが、
なぜお辞めになったかは無知であったので、
この本書から初めて理解できたのである。

氏のこうした作者として活躍した時の心の発露として、
特にサラリーマンの定年退職後の諸兄に『不良定年としての生きる信条』を提示しているのである・・。

《・・
私の世代(引用者・注、氏は1942年生まれ)は、みんな不良少年だった。
(略)
そして就職れば、汗水流して働いて、
結婚すれば給料をまるごと妻にとりあげられて、ドレイ的な生活をつづけてきた。

ほとんどの男がドレイ志願者なのである。
給料がふえれば、妻にほめてもらえることだけが嬉しいのに、
妻は、それを当然のように受けとり、
「あなたの老後のため」という名目で貯金をして
女学校時代の友人と温泉旅行へ出かける。

困ったことに、妻がそういう贅沢をすることが「夫としての力量」と思いこみ、
妻が金を使うほど仕事に精を出す。
そのうち、子が「海外旅行に行きたい」といえば、
「おう。行ってきなさい」とポケットマネーをポンと出し、
父親は場末の安い居酒屋で飲む一杯の焼酎に、幸福感を得る。

(略)

定年後、さて、いままでのドレイ的奉仕のいくばくかを感謝されて、
妻子がお父さんへやさしくしてくれると考えるのは、まったくの幻想である。

妻子は、定年を迎えたお父さんがぼけると、
「いままで家庭をかえりみずに好き勝手にやってきたむくいがきた」
と判断して、冷遇する。
「家族のため」と思うのは、自分が家族に甘えたいための勘違いにすぎない。

(略)

死ねばいくばくかの生命保険が支払われるから、
墓に骨を埋まれてから、「いいお父さんだったわねえ」と供養される。
死んでから「いいお父さんだった」っていわれても、仕方がないじゃないの。
せめて生きているうちにそういうことを態度で示してほしかった。

このような事態を避けるために、男は定年後も金を稼がなくてはいけない。
無理せずに小銭を稼ぎ、自分の酒の飲み代ぐらいは使える身となるべきだ。

そのためには、妻からの自立が不可欠となる。

・・》
注)本書のページ20~22までの一部を引用し、あえて改行も多くした。

この後は、料理、下着の洗濯ぐらいは自身で・・
そして数日ぐらいは蒸発して、やがて無断外出を妻が黙認するようになる・・。
この後は自在の生活となり、定年後の不良生活を満喫するに当たっては、
百か条を掲げているが、私は秘かにうなずきがここでは書けないのである。
この百か条に関しては、購読者の特権と思い、ご配慮を願いたいのである。


さて、私はわかがまで身勝手なひとりであるが、
氏の言動には、この本書を読んでも圧倒されることが多いのである・・。

たとえば氏が5月の連休あけに潮来にアヤメを観賞するのであるが、
川面の風が寒くなり、船内にあった掛けぶとんをかけると、熱燗の酒を飲みたくなる。
そして佐原に出て、家には3時間ばかりで帰宅することができるが、
佐原へ行くと酒が飲みたく佐原の商人宿に宿泊する。

その後は成田空港の近くであったので、突然にハワイのホノルル向かい、
3泊した後は、帰路はビジネスクラスで成田空港に戻った。
そして、新宿まで電車で直行した後、三軒ばかりバーを廻り、深夜の一時過ぎになるとタクシーで帰宅する。

そして自宅の風呂に入った後は、深夜のテレビを見ながら、缶ビールを飲んで一息する・・。

このように氏は圧倒的な言動のある方で、何よりに奇抜な行動をされる方でもある。


私は本書を民間会社の定年退職を数年後に迎える方たちで、
成人された子供が数人いて、奥様が元気な方に、
特に一読を願いたい、と秘かに思ったりしているのである。



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『アナタが大金を持つ可能性は・・?』の心理テストに挑戦・・!?

2009-09-14 10:41:54 | 定年後の思い
私は東京郊外の調布市に住む年金生活5年生の64歳の身であるが、
パソコンのトップページは、【Yahoo! JAPAN】に設定している。

昨夜11時過ぎ、ぼんやりとパソコン見ていたら、下段に、

《 お金で失敗したくないから
       正しく使ってきちんと節約
           どう使って、どう貯蓄する?

 お金の悩みは尽きないけれど、ちゃんと向き合って賢いマネープランを実践しよう。》

と明示されていたのである。

そして、この下段のひとつには、

《 アナタが大金を持つ可能性は ・・》

とあったので、たわむれに挑戦しょうかと思ったのである。

そして私は何事も好奇心を失くしたら、この人生は終りだ、
と信念の持ち主のひとりであるので、
恥ずかしながら、こっそりとクイックしたのである。


マネーライフの心理テスト
    【 ズバリ、大金を持つ可能性は? お金持ち度テスト 】

http://contents.insurance.yahoo.co.jp/column/psychology/index.html?d=20090622


☆私の心理テストの結果は・・☆

☆☆☆ よく稼ぎ、よく使う才能あり! ☆☆☆

金は天下の回りもの。
潜在意識であなたは、お金のことをそんな風に思っていそうです。

実際に稼ぐ能力は高い方ですが、それと比例して気前よくポンポン使ってしまっているでしょう。
当然、お金はあまり貯まりません。

お金にセコいのは考えものですが、だからといって散財するのはもってのほか。
貯蓄に対する意識改革ができれば、お金持ちになる可能性も上がっていくでしょう。


このような心理テストの結果となったのであり、やはりね、微苦笑したのである。


私は古惚けた一戸建てに住み、程ほどの小庭のある家に住んでいる。

私が結婚したのは31歳の時であり、
賃貸マンションを借り、家内は茶事を習いながら専業主婦で、
収入に関しては私の責務であったので、私は孤軍奮闘して、それなりに収入、支出、貯金も順調であった。
この間、国内旅行も希望したところは行ったり、或いは都心のシティホテルに宿泊したり、
外食も都心のレストランにも行き、程ほどの優雅な生活をしていた。

この生活は二年ほど続いた後、実家の近くに一戸建てを建てたのである。
どうせ住宅ローンで多額に借金するのであるから、ついでに茶室も母屋の中に設けよう、
と私の若気の至りで決意したのである。

予想以上に経費も要し、庭の樹木などの予算が乏しく、雑木を植えたりしたのである。
何より驚いたのは、住宅ローンの返済と一戸建ては何かしら経費がかかるので、
働けど毎月は赤字が多く、家内はパート、その後は契約社員となり、
共稼ぎの生活となったのである。

移住した直後は、居間の絨毯、ソファなども購入できなく、クーラーも買えなかったのである。
そして私はワイシャツも最低価格帯、作務衣も一番廉(やす)いのを選定したりしていた。
国内旅行も希望したコースを断念し、廉(やす)い地域ばかり行ったりしていた。

このような困窮した生活を続けている間、家内がデパートに契約社員として働いていたので、
デパートのカードローンを利用して、少しづつ、絨毯やソファなどを購入したりした。

そして3年目に何とか赤字の生活から脱して、しばらくして家内は専業主婦に復帰した。
私達夫婦は共通趣味の国内旅行であり、子供に恵まれなかったせいか、
サラリーマンの多忙な合間に多少経費を抑え、たびたび行ったりした。

そして、50代を迎えた頃、定年退職後の生活設計をお互いに話し合い、
本格的に検討したのが、私が55歳の直前に出向となった時である。

結論としては、定年してから年金生活をして、
お互いの趣味を尊重し、共通趣味の国内旅行に行くことである。
生活基盤は年金で通常の生活をまかない、
国内旅行、冠婚葬祭、思いがけない出費は貯金から取り崩すことを原則としたのである。


昨今、年金生活の五年生の身となり、定年退職の数年前に少しばかりリーフォームした古惚けた家に住んでいるが、
新聞の広告で、外資銀行に於いて、『金融資産一億円の皆様に』、
このような広告を見ると、私は苦笑してしまうのである。

私は小説、随筆、ノンフェクション系、歴史書などは5000冊前後、
映画のVCT,DVDの1000本前後、
そして音楽のレコード、カセット、CD、DVDは3000枚前後を所有して、
その日に応じて読んだり、観たり、聴いたりして過ごすことが多い。
家内も少しばかりであるが、程ほどの茶道具もあり、
お互いに魅了されそうな処に国内旅行に行ったりしているのである。

ときおり家内と、我が家はソフトに関してはその時に応じて使ってきているので、
残念ながらが、程ほどしか貯金ができなかったね、
と私は云ったりしている。

そして負け惜しみのように、
たとえ倹約ばかりして金融資産一億円あったとしても、
私達の人生の思いでのかけらもなかったら寂しいよ、
と現役時代の中小業に35年ばかり勤めた拙(つたな)い身の私は、言い訳をしたりしている。

このように家内に話したりすると、
働らなくとも何とか生活できるのだから、有りがたいわ、
と笑ったりしている。

尚、我が家は自動車も持てず、携帯電話の使えない変わった家庭でもある。



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