一昨日の夜、ときおり愛読している文藝春秋が運営している公式サイトのひとつ【文春オンライン】を見ている中で、
『「人生100年時代構想」がアベノミクス大反省会みたいになってて面白い』と見出しを見てしまった。
私は東京の調布市の片隅みに住む年金生活の73歳の身であるが、
齢ばかり重ねても好奇心は衰えず、どのようなことですか、と思いながら記事を精読してしまった。
やがて「人生100年時代構想」の会議に於いて、
「年寄りは、未来がないから死ね」と思惑があったらしく、
英知と名声のある御方たちが、どうしてこのような短絡で拙(つたな)い主旨に、高齢者の私は戸惑ったりした・・。
この記事は、作家、個人投資家の山本一郎さんが、『週刊文春』に連載されている記事であり、
【文春オンライン】に11月30日に配信されていた。
私は文藝春秋が発刊されている単行本、新書本、文庫本、月刊総合雑誌など、
少なくとも高校生より長年に購読しているよしみに甘えて、無断であるが記事の前半を転載させて頂く。
《・・「人生100年時代構想」がアベノミクス大反省会みたいになってて面白い
先日、某シンクタンクの政策勉強会で
「また官邸が程度の低い会議を立ち上げて、ブーイングが起きている」という話をされたので、
どんな話をしているのかと思って、内閣官房のサイトに見物に行ったんですよ。
まーた税金使って、くだらん会議やってんのかと。
そしたらこれ。
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/ichiokusoukatsuyaku/jinsei100.html
題して「人生100年時代構想」。
ほっといてくれよ。
最初タイトルだけ見たときは、そう思いました。
国民が寝たきりになりながら100年生きようが、
20歳で若い命を戦場で散らそうが、
好きで生きてるんだから、どうでもいいだろと感じたんですけど、
語られている中身を見てみると、
コンパクトに有識者が問題意識をぶつける内容になっていて興味深いわけです。
簡単に言えば、大きなテーマは2つで
「アベノミクスの3本目の矢が失敗に終わったから、
教育改革と紐付けて生産性の高い仕事を実現できる知価社会を実現しよう」ってのと
「年寄りは、未来がないから死ね」であります。
まあ、単純に生産性がマイナスになる老人に、金使っても国益に資さないから、ほどほどにしておいて、
若者の教育や科学技術、企業と国民の働きやすさに力点をおいたほうがいいだろという話ですね。
どこぞの長谷川豊が叫んでいた話を、有識者が格調高く申し立てると
ここまで薫り高い文言になるのかと思うと、心が晴れやかな気分になれます。
一番の日本の問題点というのは、高齢者の割合が高くなり、彼らが病気がちになって働けなくなると、
国としては生産性のなくなった彼らから税金を取れない以上に
年金を払ったり健康維持のための費用を肩代わりしなければならなくなったけれども、
減少する若い人が生み出す貴重な生産性を高齢者のために使って良いのか、という話であります。
あ、これは私がそう言ったんじゃなくて、
会議をしている有識者の話をまとめると、こんな感じだって話だからね。
私の意見じゃありませんよ。
☆心意気だけでは将来は見えないし、給料も上がらない時代の構想
でもまあ、働き方改革のようなネタも含めて思い返すと、
高齢者を健やかに寿命まで生きながらえさせるという理想は、もちろん崇高なものなんですよね。
「お爺ちゃん、長生きしてね」は、美しい日本の姿だとは思うんですよ、ええ。
しかし、それを実現するためにいつ死ぬかもしれない老人の介護に
若者の貴重な労働時間を費やさせて、
これといったスキルを得ることもなく、安月給の介護の現場で疲弊させて良いのかという議論に
なるのも仕方がないところではあります。
どんなに頑張って介護したって、老人はそのうち死ぬんだよ。
でも、ありがとうと思って逝ってもらいたい。
なんだろう、この複雑な心境。
見ず知らずのご縁もない老人が、くたびれた姿で助力を求めるのであれば、
人間として、あるいは日本人同胞として、せめてこの社会に生きたからには
「日本で生まれ、暮らしてきてよかった」と思いながら、生を全うして欲しいという気持ちはあります。
そういう弱い人をなんとかしてあげたいという献身的な精神で
介護に取り組むのは良いことなのでしょうが、
そういう人たちも心意気だけでは、将来は見えないし、給料も上がらないでしょうから、
相応の稼ぎを得て結婚して、子供を儲けて、とはならないのが難点です。
だからこそ、限りあるリソースを今後バンバン増える高齢者のために使うよりは、
未来の日本を担う日本の若者のために使うべきだという議論は当然起きます。
というか、少子化対策や育児の現場では、予算不足が著しい側面もあり、
幼少期教育を担う保育園・幼稚園の無償化や、
将来的な高等教育についても改革が必要だ、と有識者はみな口を揃えて言うわけですね。・・》
お時間があり、ご興味のある御方は、下記に今回の記事の全文を添付します。
http://bunshun.jp/articles/-/5107
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。
私は著名な各界の有識者の御方達が、こうしたは思惑に大いに戸惑ったりした・・。
誰しも貧乏な時代を体験してきた世代である。
私より10歳以上の先代の諸兄諸姉の多くは、それぞれに奮戦し、
少なくとも世界の中でも、有数な経済大国の礎(いしずえ)を努力と英知で築かれた人々であり、
そして後続する私たちの世代、そして団塊の世代は、先輩に叱咤激励されて、奮闘してきた。
こうした結果として、確かに日本は、世界の主要国の中に於いても、
社会インフラ基本基盤として、電気、ガス、電話、上水道、下水道も殆ど整備され、
学校、病院、公営住宅もあり、鉄道・バス路線、そして道路、高速道路もあり、港湾、橋梁なども、
整備されている稀な国家でもある。
そして年金、医療、介護などの社会保障制度も、多少の難題がありながらも存続している。
その上、経済は都心の一部は活性化しているが、地方は未(いま)だに低迷している現在さえも、
殆どの国民は飢えることなく飽食の時代となり、
医療の充実もあり、主要国の中でも最先端の長寿化の超高齢化社会の時代を迎えている。
そして国民も誰でも、容体が酷くなれば、
無料で救急車に乗車できて、病院に搬送して下さる稀な国家となっている。
少子高齢化の現代、2014年のシニア消費として世帯主60歳以上の世帯の消費は、
実額で115兆円に達すると試算され、全ての個人消費の48%、
そして名目GDPに対して24%になり、日本経済に多大な影響がある、
と私は学んだりしてきた・・。
こうした中で、殆ど多く人は、好景気を実感できないでいるのが、現状となっているが、
無力な私は憂いたりしてきた。
そして私は、敬愛している日本の経営コンサルタント、起業家の大前研一さんの書物より、
多々学んだりしてきた・・。
たとえぱ、日本の景気を上向かせるにはどうすればよいか?、難題に対して、
大前研一さんは『SAPIO』の2017年6月号に於いては、下記のように名言されている。
《・・景気はみんなの「フィーリング(感覚)」や「サイコロジー(心理)」で決まるからだ。
(略)
個人消費を拡大して日本の景気を上向かせるためには、
国民の不安を解消し、フィーリングやサイコロジーを「お金を使おう」という方向に
動かすべきなのである。
ただし「労働力人口」、すなわち現役で働いている人たちのフィーリングやサイコロジーを変えてみても、
あまり効果はないだろう。
現役世代は子育てや子供の教育にお金がかかるし、住宅ローンをはじめとする負債も抱えているからだ。
一方、教育費や住宅ローンなどから解放された「非労働力人口」で失業率にカウントされない高齢者たちは、
この国の個人金融資産の大半を保有している。
ということは、景気を良くするためには、失業者をこれ以上減らしたり、労働者の賃金を上げたりすることより、
高齢者のフィーリングやサイコロジーを変えることのほうが重要な要素となる。
ただし、高齢者は「貯蓄は美徳」という戦後日本の伝統的カルチャーが染み付いているし、
将来に対して漠たる不安を感じているため、貯め込んだお金を使おうとしない。
だから、彼らの「貯蓄は美徳」というカルチャーを
「人生は楽しんでナンボ」へと本質的に変革するとともに、
漠たる不安を解消する安心システムを作り、「元気なうちにお金を使って人生を楽しもう」という心理にして、
今は“死に金”になっている日本の個人金融資産1700兆円が
マーケットに出てくるように仕向けなければならない。・・》
或いは大前研一さんの著作『低欲望社会』(小学館)で明記されている中、
《・・何度も指摘してきたように、それこそが政府が取り組むべき最優先課題であり、
そこにターゲットを絞った政策を打つこと、
すなわち「いざという時は、国が面倒を見るから、安心して人生をエンジョイしてください!」
という明確なメッセージを出すことが、真の景気刺激策になるのだ。・・》
私はこうした発想、実施こそが、高齢者を安堵させ、やがて日本経済が復興して、
多くの人が享受できる、と思い深めたりしてきた。
今回、「年寄りは、未来がないから死ね」と人生100年時代構想の会議に思惑されても、
社会で成功されている有識者にしては、余りにも発案、発想は貧しく、短絡な創案であり、
高齢者の私は戸惑いながら、やがて苦笑したりしている。
余談であるが、今回の私としては異例な投稿文であるが、たまたま今回の記事を読み、
高齢者としては、いたたまれず、一寸の虫にも五分の魂・・基づき、
ためらいながらも発露した投稿文である。
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