『 《“老化ドミノ”の懸念も》
「老いても元気な人」と「衰えていく人」の違いとは?
医師がすすめるのは「日常の歩き方から変えること」
と題された見出しを見たりした。
「たまには旅行に出かけたい」、「仲のいい人たちに会いに行きたい」
などの願望を妨げるのが、運動能力の低下。
運動量が減り引きこもりになってしまうと、さらに老化が進んでしまう。
そこで元気に長生きするために必要な、毎日続けやすい運動について、
『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)の著者で
内科医のドクターハッシーこと橋本将吉さんに聞いた。
☆教えてくれた人
橋本将吉(ドクターハッシー)さん/内科医
東京都出身。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。
2011年に「医学教育という専門領域から、日本と世界の明るい未来を創造する」という理念の元、
リーフェホールディングス(旧リーフェ)を設立。
医学生向けの個別指導塾『医学生道場 』(https://igakuseidojo.com/)の運営や、
YouTuber『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』として健康情報の発信。
2022年9月に健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス
『ヘルスケアアカデミー』 (https://healthcare-academy.co.jp/)をリリース。
2か月で300人を突破。
☆運動能力の低下が老化に直結する
橋本さんによると、老いても元気な人と、
どんどん衰えていく人のはっきりとした違いは、運動能力だという。
「運動能力の低下は、最終的に寝たきり生活をもたらします。
寝たきりにならないまでも、動くのがしんどくなり、
外出する気にならなくなって、引きこもりのような状態の高齢者も多く見ます」(橋本さん・以下同)
下半身の筋肉が衰えて、歩行機能が低下すると、
一気に老化が加速する危険性が高まるという。
引きこもって活動量が減ると、筋肉が減少するうえに
夜も眠りにくくなり、老化が進むという悪循環が起こるからだ。
さらに、外出機会の減少によって脳への刺激も減り、認知機能の低下を招き、
さらに老化がドミノ倒しのように起きる“老化ドミノ”の懸念も生まれる。
そこで橋本さんは、日常の歩き方から変えることをすすめている。
☆日常の歩行の工夫だけでも運動能力アップ
橋本さんによると、ウォーキングにおいて、
大切なのは、歩数や距離ではなく、歩き方。
かかとから着地して、しっかりと地面を捉えながら、最後はつま先で力強く踏み込む。
イメージ的には、車輪のようにスムーズに、足を回転させるのが理想的なのだそう。
一歩一歩の質を高めることで、ふくらはぎや、すね周りの筋肉が、
いつもより酷使されるのだという。
また、慣れてきたら、競歩のように、腕を使ってみるのもおすすめだそう。
左足を出したら、右腕を前に振り、お腹を少しねじるようにしてみるだけでも、
運動量が変わってくる。
さらに、背筋を伸ばして、頭が上に引っ張られているイメージで姿勢も正せば、
背筋のトレーニングも叶うという。
☆ハシモトマサヨシ流“やさしいスクワット”
雨天時やウォーキングに行く気が起きない日は、
おうちでトレーニングをするのもOK。
橋本さんが提唱する“やさしいスクワット”なら、
ちょっとした時間に手軽に行うことができる。
「朝でも夜でも、自分のタイミングでかまいません。
できれば毎日行ってください。
万が一やり忘れたとしても、できなかった自分を責めるのではなく、
明日やろうと余裕を持った心持ちでいたほうが、続けやすいと思います」
【ステップ1】
背もたれのあるいすに浅めに座り、両腕を胸の前で組み、両足は肩幅に開く。
足の幅を狭めることで、太ももの内側の筋肉が鍛えられる。
【ステップ2】
椅子から立ち上がる、座るを10回繰り返す。