夢屋いろはカルタ、3日目は、「は」…『花より団子』となるところですが、今風では『花より男子』の方が、ヒット数が多いようです。
『花より団子』とは、言わずと知れた「風流よりも実利を取る」ことの例えでありますが、この節、団子と言えば「中秋の名月」。今年は、何日なのだろうと調べてみますと、10月3日が十五夜(豆名月)のようであります。一年の収穫に感謝し豆や団子を供えるべきなのでしょうが、最近は、そうした習慣もお座なりになってきました。
月と言えば、満月の夜に狼男は変身し、遠吠えしなければならない。そして、かぐや姫は、月の使者と共に帰らなければいけない…あの頃の純真な夢屋少年は、何処へ行ってしまったのでしょうか?
世間の波に揉まれ、スレてしまった夢屋は、ふと考えました。このアブは、「花に惹かれるのか?団子(蜜)に惹かれるのか?」と。
この場合、アブにとっては、花≒団子(蜜)でしょうから、実利に惹かれている訳でありまして、決して花を愛でている訳ではありません。けれども、菜の花畑を飛ぶモンシロチョウや花の前でホバリングするアブに、花を愛でる心があるとするならば、そこにポエムが生まれます。狼男もかぐやもアブも人が創造する世界の中で命を得ることになります。
風流を解する虫がいたらどうなるでしょう?アブもミツバチも忙しそうに花から花へと移動しますが、ひとつずつ順番に移動する虫を見たことが無いような気がします。忙しない割に次から次へと大胆に移動します。蜜や花粉の有り無しを瞬時に見分けているのでしょうか?「ん~。この花弁なかなか良い仕事してますねぇ…」などと、中島先生の様に花を眺めていたら仕事にならないのでしょうが、アブやミツバチに一日のノルマが与えられているという話も聞いたことがありませんので、彼女たちは、律儀な本能を遺伝子に焼きつけられた悲しきワーカーであります。
まぁ、花の前で腕枕をしながら、花を愛でるアブがいるとすれば、これはこれで、奇妙な光景になるでしょうが…。