その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

クリスマスツリーにまつわる話

2010-02-27 08:10:50 | 世迷言
クリツマスツリーと言えば12月の風物詩でありまして、如月の話題としては少々時期を逸しているかもしれませんが、本日は思い出話をちとご紹介いたします。

私が病院に勤務していた頃、窓から見える景色はとても殺風景であり、季節の変わり目さえ感じられないような毎日でありました。こうした環境では、入院する患者さんも社会の動きから途絶された状態となり、憂鬱な気分になってしまいますし、療養上も好ましいものではありません。そんなある日、看護婦自治会の役員から病院のデイルームに大きな「クリスマスツリー」を飾れませんかという相談を受けたのであります。

「クリスマスツリーと言えばモミの木でしょう。どこから仕入れればいいの?予算はどうなってるの?デコレーションは?」無い無いづくしの中での突然の提案と「夢屋に言えば、何とかしてくれるだろうと院長が言ってましたから。」とまったく無謀なひと言で木を探す作業から始めたのでありました。地元の森林組合の知り合いに頼んで杉の間伐材を頂戴し(こっそりチェーンソーで切り倒してきたのですが…)、デコレーションはUFOキャッチャー名人の戦利品を無償で頂戴して、何とか小児科病棟前のデイルームに拵えた記憶があります。

「私、夢屋に不可能と言う文字は無い!」などと豪語しながら、どこか七夕飾りのようなクリスマスツリーに歓声を上げてくれた子どもたちの笑顔が、私への唯一の報酬でありました。画像は、昨年の夏に田圃で見つけた『スギナのクリスマスツリー』であります。撮り貯めた画像を整理しながら、ふと季節はずれの記憶が甦ったのであります。
コメント (2)
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