今日も暖かかった。「春なのにコスモスみたい」というタイトルの文章を頂いた。なつかしいコピーだ。20代のときの資生堂のCMだったと思う。そうか、コスモスにしよう、と口紅の色を選んだ。
もう、3週間くらい経つだろうか。久しぶりにY氏の夢を見た。夢を見ながら、久しぶりに見るY氏の夢だと思っている。私はなにかを話している。おそらく、自分の身に起こった出来事ではないか。彼は隣に座ってただ笑っている。ずっと笑っているだけなのだ。声はたしかに彼の声だ。私の古い記憶の中にある笑い声だ。
それから何日かして、また同じような夢を見た。相手はY氏ではないが。そして私は「また同じ夢?」 と夢を見ながら思う。今度は笑っていない。ただうなずいている。「それで仕事は辞めているの?」と聞く。あとはただうなずいている。それで終わった。
2つとも不思議な夢だった。夢から覚めると、姿は思い出せないが、声の記憶が残る。脳に残るのは音の記憶なのだろうか。あのときの手袋は黒の皮の手袋だった。紺のブレザーだった。そういう言葉で覚えているだけで、色の記憶として目に浮かぶことではない。声は違う。
毎日暮らしていた夫の声が思い出せない。スタンドカラーのシャツを着た姿は目に浮かぶが。記憶とは不思議なものだ。人はそうやって古い記憶の箱を時々開けてみるのだろうか。私にあるのは過去の記憶ではなく今の幸せなコスモスだが。
もう、3週間くらい経つだろうか。久しぶりにY氏の夢を見た。夢を見ながら、久しぶりに見るY氏の夢だと思っている。私はなにかを話している。おそらく、自分の身に起こった出来事ではないか。彼は隣に座ってただ笑っている。ずっと笑っているだけなのだ。声はたしかに彼の声だ。私の古い記憶の中にある笑い声だ。
それから何日かして、また同じような夢を見た。相手はY氏ではないが。そして私は「また同じ夢?」 と夢を見ながら思う。今度は笑っていない。ただうなずいている。「それで仕事は辞めているの?」と聞く。あとはただうなずいている。それで終わった。
2つとも不思議な夢だった。夢から覚めると、姿は思い出せないが、声の記憶が残る。脳に残るのは音の記憶なのだろうか。あのときの手袋は黒の皮の手袋だった。紺のブレザーだった。そういう言葉で覚えているだけで、色の記憶として目に浮かぶことではない。声は違う。
毎日暮らしていた夫の声が思い出せない。スタンドカラーのシャツを着た姿は目に浮かぶが。記憶とは不思議なものだ。人はそうやって古い記憶の箱を時々開けてみるのだろうか。私にあるのは過去の記憶ではなく今の幸せなコスモスだが。