夕方になるとまた雪が降り出しそうな空だった。夕方まで、引越し荷物作りだった。いくら引越しのプロでもこれは間に合いそうにないと、今日は荷作りに専念した。2つほど済ませなくてはならない仕事をなんとか今週に終わらせるには、9割以上片付けないと無理そうだ。ダンボールに荷物を詰めていると、何か心もとない。言い知れぬ寂しさが襲ってくる。引越しがいやなのではなく、この感覚がつらい。2日間、友だちとずっと一緒だったから心もとないのかもしれないが。日常使うものの片付けは難しい。どうしても前日まで残すものが出てくる。中途半端なダンボールが増える。
山口百恵の「さよならの向こう側」を武道館のさよならコンサートビデオを見ながら、友だちが歌ったら同席の男性が半端なく泣き出したという話を聞いた。「私の歌がよかったわけじゃないの。こんなにきれいでこんなに歌がすばらしいのに、引退するなんて!どんな思いなのだろう。 と泣いたのよ。」彼女は言う。熱海のカラオケで見たが、たしかに百恵ちゃんは美しく、すばらしい。「覚悟の美しさなのかな」そう伝えた。
「まっちゃん、手ぶらで戻ってきてもいいんだよ」と彼女は言った「ありがと。旅費があったらね。」そう答えた。彼女に、長浜で毎日使えるマグカップをひとつほしいと言っておいた。昨日、その包みを開いてみた。色合いも私好みで、向こうの家にピッタリの感じだ。うれしい!どうぞ割れませんように。
毎日側に置いていただけたらと、あの人にお贈りしたマグカップは無事だろうか。少し地味だったかな と思う。ものは消えても、心に残るものもある。今夜、珍しく陽水を聞いています。なんとなくしあわせが歩いてくるようです。