窓を開けておくと肌寒い。四連休、一日は五箇荘での陶芸教室の展示会に出かける。あと三日は「ちょっとのさびしさ」を埋めることを考えよう。前から見たかったドラマを見ようと思う。なかなか時間を取る勇気がなかった。仕事をしていないと不安だった。「さびしさ」は仕事では埋められない。図書館も近くに移ったことがわかった。学習室もある。本にも触れることが出来る。
昨夜、NHKのオンデマンドに登録した。向田邦子のシリーズをまず見よう。「あ」から検索したので「阿修羅のごとく」になった。大体のストーリーは覚えているがTVではみていない。1977年の作品だ。昔の渋谷や国立がなつかしい。携帯電話のなかった時代、ダイヤル式の黒電話やピンク電話が小道具になっている。
70歳になる父親が面倒を見ている40歳の女性がいることがわかることからストーリは始まる。母親は66歳、娘が4人。それぞれが事情を抱えている。長女は未亡人でお花の先生。次女は専業主婦で子供が二人、三女は独身、四女はボクサーと同棲中。どの姉妹にも男と女の問題が絡んでいる。
向田邦子は好きだったが、10年まえくらいに強すぎて(きつ過ぎて)読めなくなった。改めて、ドラマで見てみると、強さの陰には人間に対するやさしいまなざしがある。それがやっとわかった。そして、残酷にそれを切っていく。でも、人はそういう間違いを犯すものなのよ と言っている。結婚も同棲も不倫も、ここに出てくる欲や妬ましいと思うことや憎らしいと思うことを捨てればいいのだ ということだ。
阿修羅の複雑な表情は「憂いのなかに仏の教えに出会い、希望を見出している」と言えると書いてあった。ドラマをみて「希望」を見出した。どんななかにも「道」はある。そこを二人で歩くためには、「希望」を見つける努力をすることだろう。