10月になってしまった。季節がわからないうちに今年もあと3か月。また、年を取ってしまう。もう残された時間は少ない。
午前中に明日からの取材行の切符を取りに行く。仙台日帰りを考えたが、さすがに体にこたえそうだ。朝早く出るのがつらい。普段と起きる時間は同じでも、起きなくてはのプレッシャーがいやなのだろう。午後からはお月見騒ぎ。栗やら里芋を買ってあったので、柿を求めて飾ってみた。お団子は近所の和菓子屋さんへ。でも、月見団子は12個くらいある。ご主人がどんどんお団子を作っている。半分は餡がたっぷりのっている。これはダメだと、ちいさな三色のお団子にした。子供のようにうきうきする。うれしい。
エプロンの紐を前でしっかり絞めて、久しぶりに料理にとりかかった。栗ご飯だ。母のことを思い出し、祖母のことも思い出す。思い出すことがたくさんあってよかった。
昔は誰かに褒められたくて（そうは意識していなくても）料理をしていた。「ほら、私できるのよ」と。いやな女だったなぁ。いまは、料理そのものを楽しめる。それに誰も褒めくれないし、そんな必要もないしね。なんでもそうなりつつある。そのことを楽しめるとようになった。
でも、「お母さん、うまくできたでしょ！」と栗ご飯を供えた。
