朝起きると、空気がひんやりしている。目が覚めそうだ。今が一番いい季節のようだ。昨夜はうつくしい満月が見られた。子供のころ見たような、うさぎさんが月の中でおもちをついているような月だった。部屋の灯りを消して、カーテンを開けてみた。月の光が差し込んでくる。さすがに本を読んだり、ものを書いたりはできないが、月の光を感じられるなんて!日本家屋で、カーテンでなく簾を開けてみることができれば、静かな夜はさらに風情があるのにと思った。
月を眺めながら、ひとを待つ。これもいいもののように思う。そんな和歌も多い。母系家族で通い婚というのは、いいように思う。通ってくる人がいなかったら、いつのまにか疎遠になってしまったりはかなしいのだろうが、それでも馴れ合いで暮らしているよりもいいかのしれない。でも、寿命が50歳くらいだからよかったのかもしれない。その時、そのときの「物語」を大切に生きるには「通い婚」かな。
『嘆けとて月やはものを思はする かこち顔なるわが涙かな』(西行法師かな?)離れていても、あの人もこの月を見ているのだろう という和歌もある。
なんともロマンチックな宵だった。(写真はボケていますが、フラッシュなし)