よく晴れた日だった。郵送しなくてはいけない書類が30通以上あるが、それ!と醒ヶ井へ梅花藻を見に出かけた。少し早い気もするが。東海道線の米原から大垣方面へ一駅で関ヶ原の手前だ。静かな佇まいの町にきれいな水が流れて、梅花藻がある。今日は誰もいない。梅花藻は流れの中で小さな花をつけていた。やはり、少し早かった。
スーパーに、青梅が出始めた。「梅仕事」の時期だ。らっきょうはつけないが、毎年迷いながらも「梅仕事」をしている。参考にするのが『四季の保存食』という本だ。15年前くらいに頂いて大事に使っている。この頃は、梅酒はつけないで、梅酢と蜂蜜漬けだ。でも、昔、漬けて最高だったのは、ちょっと贅沢なブランデー漬け。シェリー酒漬けもいいのだが、シェリー酒が手に入らなくなった。一人で使う分なので1年使っても余ることになる。それでもこの時期になると、安くていい梅を探している。小梅の黒砂糖漬けもお薦め。
6月7日ごろ届く予定だった「臨床の砦」(夏川草介著)が昨日届いた。ドキュメント小説と帯にある。できるだけ主観を抜いて冷静に読んだ。それは映像で見るよりもリアルなものだった。私がつらいと思ったのは、重症患者を受け入れてくれる病院へは、人工呼吸器が必要になったすべての患者を送り込んでいないということだ。それを「挿管せずに看取っている」という。(もちろん家族に説明の上)どこまでも小説上の話だが、大阪や神戸の病院の様子が想像された。
「自分だけ辛いと思えば、人を攻撃するようになる。自分だけがつらいのではないと思えば、踏みとどまる力が生まれる」人は、一人では困難には立ち向かえない。そんなことを教えてくれた本でもあった。
さて、明日も天気のようだ。梅を探しに出かけよう。