フラメンコギターのパコ・デ・ルシアのドキュメンタリー映画があると知って観に行った。昔時々聴いていたが最近は聴いていなかったので懐かしかった。
パコの息子が撮った映画は、その生い立ちから亡くなる(亡くなっていたんだ!知らなかった)までを本人、共演者へのインタビュー、演奏で描いていたがなんといってもやはりそのギターのテクニックがすごい。
父親がフラメンコギター奏者で兄に教えるのを見よう見まねで覚えたらしい。楽譜は読めなかったが持って生まれた才能とものすごい練習の賜物の文句なしの天才だ。楽譜が読めない名手は他にもいるので、楽譜にとらわれず自分の感性が活かせるという点では決してマイナス要素にはならないのかもしれない。
右手と左手のどちらが重要かという問いに「左手の方は頭を使うが右手は動かしているだけ」と答えているがその動かし方が半端じゃない。「観客の反応よりむしろ自分が演奏を楽しめたかが大事」みたいなことも語っている。
始まりはフラメンコギターだったが、次第にジャズなど違うジャンルの奏者とも共演し、演奏の幅も広がっていき、フラメンコギター界からは異端視されていた時期もあったようだ。溢れる才能が狭い世界には収まらなかったのは、聴く方にとっては幸運だった。
家に帰ってから改めて昔のCDを聴いてみたがやはりすごかった!