太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

非常に心外

2012-04-08 14:35:14 | 日記
最近、ミステリーものをよく読む。

昔は、いわゆる小説というのはあまり好きじゃなくて、ノンフィクションのほうがよかったのだけど、

ここでは日本の本が入手困難だから、あれがいいこれがいいと選べないのだ。

仕方なしにミステリーを読み始めたら、やはり力のある作家はストーリーの展開も、文章もとてもうまくて、思いがけず楽しめる。



しかし今、私は非常に心外である。

日本が舞台の、あるミステリーに登場する女性刑事。

刑事といっても、うっかり昇進してしまった「おばさんデカ」で、テレビドラマでいうなら、泉ピン子や市川悦子の雰囲気がぴったりだ。

その「おばさんデカ」は、大学生の一人息子がいて、女を捨てた役どころ。

つまり同僚の刑事仲間との間に、恋愛の可能性などあり得ない。

それを自分でもまったくもって疑問に思わず、初めて会う相手に電話で自分を説明するのに

「小太りで丸顔のオバちゃんですから、すぐわかりますよ」

と言ったりする。



何が心外って、その「おばさんデカ」が私と同じ年齢なのだ。



○○歳を冒涜するにも程がある!けしからん! と怒り心頭してみても、

これを書いている作家が、ほぼ同年代の女性なのである。

これがずっと若い女性作家や、男性だったら、私の怒りはドカーンと爆発したに違いない。

しかし同年代となると、なにやら切なくなってきて、爆発寸前の怒りがブスブスとくすぶってしまうのである。



色気ムンムンおばばを書けとは言わない。私だってそんなのは嫌だ。

だが、せめて、もっと、なんかこう、もうちょっとマシな書き方があるんじゃないか?と思う。

「おばさんデカ」が何もそこまで女を捨てなくても、じゅうぶんストーリーは展開していくはずなのだ。




「おばさんデカ」が、自虐発言をするたびに私はいちいち怒り、

それでも物語を読むのをやめられず、「キー!!!」となりながら読み進み、読み終えた時にはものすごく疲れていた。




なんで私がここまで反応するのか、問題はその辺にあると思うのだが、

それを明らかにするのも、なんとなく怖いような気がして、そのままにしているのである。









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