太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

カウアイ島 ~おまけ~

2012-04-28 08:05:41 | 旅行
私達が泊まった場所は、大変わかりにくいところにあって、

さんざん迷った挙句、道を尋ねた何人目かの人が「わかりにくいから先導してあげるよ」という天使な人で、ようやくたどり着いた。


2日目の夕方、コテージに戻る時に、 『MENEHUNE FISH POND(メネフネ フィッシュポンド)』という小さな看板があり、それは宿を通り越した先にあるようだった。

メネフネというのは、ハワイに古くから伝わる妖精の名前だ。

軽い気持ちで、行ってみるか、ということになり、そのまま車を走らせた。

道は舗装されているが、山道のようにまがりくねって細々と続いており、私はドキドキしてきた。

なんだろう、なにかが私を緊張させる。

しばらく走っても、そのメネフネフィッシュポンドらしきものはない。わたしの緊張は高まって、むしょうに戻りたくなったその時、

「オー、マイガーッシ!!」

と夫が叫んだので私は飛び上がらんばかりに驚いた。


「後ろの車が道路をはずれてクラッシュした!」


振り向くと、たった1台だけいた後続の車が、完璧に路肩に落ちて斜めになっていた。

幸い、両側はススキのような草が一面に広がっているだけだったが、道路のほうが30cmほど高くなっているので、タイヤが落ちると自力では上がれない。

「心臓発作か何かだったら大変だ!」

夫はすぐにUターンして、その車に近づいた。

地元の人らしき50歳半ばほどの男性が、ドアをあけて外に出ようとしていた。怪我もなさそうで、たぶん少し酔っていたのかもしれない。

ただまっすぐな道で、路肩に落ちる原因なんか何もないのだ。


彼は車屋をしている友達を呼んで、引き上げてもらうから大丈夫だと言う。

私達がいても何もできないので、男性の無事だけ確認して、来た道を戻った。フィッシュポンドなんか、どうでもよくなった。


少し走ると、いかにも旅行客風の人たちが乗った車が、立ち往生していた。

突然車が動かなくなったという。ロードサービスを頼んで、待っているところらしい。

数分前にここを通ったばかりだ。


しばらく進むと、小さな小さなサインと、3人も立てば一杯になるほどの展望スペースがあって、そこがメネフネ フィッシュポンドだった。

来る時には見過ごしていた。

車のスピードを落としながら、後ろを振り返ると・・・・・・




ゾワァアァァ~~~



全身の毛穴が引き締まるような、そしてそれが波になって何回も押し寄せるような。

はるか眼下には、なんともいえない景色が広がっていた。

幅の広いゆったりとした川に、自然のものか、古い部族が作ったか、樹木で池のように仕切られた大きなスペースがあり(このことをフィッシュポンドというのだろう)

その川は、うっそうと茂る木々に守られて、ずっと奥まで静かに続いている。

夫も何か感じたのだろう、止まるかどうか聞かずにスピードをあげた。



カウアイ島全体に、オアフ島よりもピリリと来る気配がある。

それは、観光地化された場所にはそれほど感じない気配だが、少し離れると途端にピリリと来る。

そしてこのメネフネフィッシュポンドと、その先に続く道の奥には、紛れもなく「拒む」感じがあった。

変な言い方だけれど、「来て欲しくない」という何かの意思を感じた、というのがピッタリくる。



訪れた時間帯もあっただろう。

まだ空は明るいが、夜の7時になろうとしていた。あっというまに夜になってしまう時間。



そして、初日に私達を先導してくれた男性は、「この先に用事があるから、どうせついでだし」と言って、私達を宿まで案内すると、そのままこの道へ消えていった。

夜の8時を過ぎていたというのに。

道を聞こうと思って、お店の集まった場所に車を停めたら、私達の車の真ん前に彼は立っていた。

夜も更けてくるし、だんだん車内の雰囲気も悪くなってくるし、私は『カミサマでも天使でも何でもいいから、いい加減私達を宿に連れていって!おねがい』と心の中で叫んだ、その後だった。

彼は人間の形をした、きっと何か違うものにちがいない・・・・・・





というのは不思議好きな私の想像で、カウアイ島の人たちは、おしなべてとっても親切だ。

あの道の先にも、きっと住宅地があったりするんだろう。








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