太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

シュウトメ

2012-12-20 12:46:21 | 日記
夫の両親と同居することになったのは、昨年移住してきた時に、夫の所有するコンドミニアムにテナントがいたからで、

両親は善良な人たちだし、

夫の親と一緒に暮らすということに対して、何の恐れも心配もしていなかった。

私の母は、典型的な「嫁・姑」問題で苦しんできて、私はそれをつぶさに見ながら育ったけれど、

それは私には無縁だと決め込んでいた。



しかし、違う世代の、違う人種の、違う言語の人間が、ひとつ屋根の下にいて、

何も摩擦がないワケがないのである。



夫の父は、「自分が折れて丸くおさまれば、それが一番」という人で、加えて天真爛漫、

とてもわかりやすく、一緒にいて楽な人だ。

いっぽう夫の母は、完璧主義で現実的、こだわりが強くて、明るくみえて、実は気難しい。

大学教授という仕事柄もあり、完璧主義の性格が自分を追い込んで、にっちもさっちも行かなくなるのかもしれない。



とにかく、

同居を非常に楽観的に考えていた私は、まさか自分がシュウトメで悩むとは思わず混乱しまくった時期がある。



友人たちにぶちまけまくり、大騒ぎし、

進退窮まった私は、本当の家族みたいに仲良くなろうとするのをやめた。

そもそも、本当の家族はそれほどベタベタ仲が良いわけじゃないのだ。

夫の母を好きになろうとするのをやめた。

好きじゃなくてもいい、と思ったときに、不思議なことが重なって起きて、そして何かが変わり始めた。



気難しいシュウトメが、笑顔でいることが多くなった。

それまで気になっていた、彼女を責めたい部分が、どうでもよくなってきた。

家事が嫌いなこととか、利己主義なところとか、スターバックス中毒なところとか、いろいろ・・・




先日、我が家で早めのクリスマスパーティに見せかけた、夫の父のサプライズ誕生日パーティを催した。


20人以上の人が集まって、使われる食器の数も半端なく、

パーティも終わりに差し掛かった頃、食器洗浄機に入りきらない食器類を私が洗っていると、夫の母が私の肩を抱いて言った。


「シロ、いいのいいの、そんなことしなくていいのよ、ゆっくりしてね。

それは後でスティーブ(父)がやるから大丈夫なのよ」





「サプラーイズ!」の掛け声と歌の合唱の中で、大きなバースディケーキのキャンドルを吹き消していた、

今日の主役の父が後片付け!?



私はなんだかおかしくて、

それと同時に、このシュウトメのことがちょっと好きかも?と思った。



うまくいかないことがあって、

それをどうにかしようと躍起になると、かえって石のように硬くなってしまう。

もうどうでもいい、と開き直ったつもりでも、

それは単なる「投げやり」であって、私の心はねじくれたままだから、やっぱり物事はどうにもならないのである。


気を揉み疲れて、投げやり疲れて、ねじくれ疲れた時に、

ようやっと問題を手放せるのかもしれなかった。




夫のコンドミニアムは空き家になったけれど、

あんなにココを出て引っ越すことを望んだこともあったけれど、

シュウトメと一緒に暮らし続けようと思う。






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