夫の誕生日に、叔父叔母が日本料理レストランでごちそうをしてくれて、
そのときにレイをくれた。
蘭でできたレイ。
普通のレイは、花をつなげて作るけれど、
これは花びらだけをぎっしりとつなげてある。
近くで見るとこんなふう
いっさいの隙間もなく、何百という数の蘭の花びらが重なっている。
だからずっしりと重い。
私よりずっと年下の夫は、この日、私が初めて夫に出会った時の年齢になった。
「もう若くないなあ」
という夫を笑い飛ばす。
「今の私は、今日から7年後のあなたなんだからね」
人種が違うせいか、私たちはそれほど年が離れているように見られない。
だから普段は年齢を忘れていられるが、
何かの折に、ふと自分の年齢を思い知ることがある。
けれども、
生まれて何年たったか、というのは変えようがないにしても、
額に年齢を明記して歩いているわけでもない。
姉が、
「年齢って単なる数字だってさー」
と言ったのを思い出す。
若い頃とは違って、自分にも家族にも、いろんなことが起こる。
誕生日の感慨も、自然と昔とは変わってくる。
家族として生まれたことの奇跡や、他人であるのに出会えた奇跡、
笑ってこの日を迎えられた奇跡に感謝すると同時に、
1年後の今日も、こうして笑顔で迎えられるように祈る気持ち。
誕生日おめでとう、よりも、
誕生日ありがとう、のほうがしっくりくる。
この蘭のレイは、5日たっても色あせず、しっとりしたままだ。
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そのときにレイをくれた。
蘭でできたレイ。
普通のレイは、花をつなげて作るけれど、
これは花びらだけをぎっしりとつなげてある。
近くで見るとこんなふう
いっさいの隙間もなく、何百という数の蘭の花びらが重なっている。
だからずっしりと重い。
私よりずっと年下の夫は、この日、私が初めて夫に出会った時の年齢になった。
「もう若くないなあ」
という夫を笑い飛ばす。
「今の私は、今日から7年後のあなたなんだからね」
人種が違うせいか、私たちはそれほど年が離れているように見られない。
だから普段は年齢を忘れていられるが、
何かの折に、ふと自分の年齢を思い知ることがある。
けれども、
生まれて何年たったか、というのは変えようがないにしても、
額に年齢を明記して歩いているわけでもない。
姉が、
「年齢って単なる数字だってさー」
と言ったのを思い出す。
若い頃とは違って、自分にも家族にも、いろんなことが起こる。
誕生日の感慨も、自然と昔とは変わってくる。
家族として生まれたことの奇跡や、他人であるのに出会えた奇跡、
笑ってこの日を迎えられた奇跡に感謝すると同時に、
1年後の今日も、こうして笑顔で迎えられるように祈る気持ち。
誕生日おめでとう、よりも、
誕生日ありがとう、のほうがしっくりくる。
この蘭のレイは、5日たっても色あせず、しっとりしたままだ。
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