インドに、ガネーシャという神様がいる。
ゾウの顔を持っているが、元は人間だったはずだ。
主人公である、若いサラリーマンが、朝目が覚めると枕元にガネーシャがいた。
というところから話が始まる。
大学を出て、それなりの会社に就職したものの、何かが違う、ビッグになりたい、
変わりたい、と悶々としている主人公に、ガネーシャは、夢をかなえてやると言う。
しかし目の前にいるへんてこな生き物に疑いを隠しきれない。
「で、どないするねん?」
「どないする、とおっしゃいますと?」
「いや、せやから。話聞いとった?自分、変わりたいの変わりたないの、どっち?」
この神様、こてこての関西弁をしゃべる。
ニュートンくんや、エジソンくんなんかもワシが育てたんや、と鼻息も荒い。
うっかりガネーシャと契約をしてしまった主人公。
毎日、ガネーシャから課題が出る。
それを確実にこなしてゆくと、いつのまにかビッグになる、というのだが、
一筋縄ではいかない神様の性格が、主人公を悩ませ、怒らせ、呆れさせる。
しかしこの、意思が弱くて目立ちたがりで、食いしん坊でわがままな神様が、
ぐっとくることをたくさん話してくれる。
「世の中のほとんどの人間はなぁ、『反応』して生きてんねや。
自分から世の中に働きかけるんやのうて、周囲に『反応』しとるだけなんや。
親から言われて勉強して、みんながやるから受験して、みんなが就職するから就職して、
上司からこれやっとけ、いわれるからそれやって、とにかく反応して反応してし続けて
一生終えるんやで」
「そんなんで自分の人生手にいれられるわけないやんか。自分の人生手にいれとるやつらは
全部自分で考えて計画たてて、その計画どおりになるように自分から世界に働きかけていくんや」
そう言いながら、いよいよ主人公とお別れというときになって、こうも言う。
「無理すんなや。
夢追いたかったら追ったらええ。オンナの尻追いかけたかったら追ったらええ。何したってええんやで。
成功しても成功せんでも、気張って目標に向かって努力しても、誘惑に負けてしもても、ワシ、自分(主人公のこと)のこと好きやで。
成功だけが人生やないし、ぎょうさん笑うて、ばかみたいに泣いて、
死ぬほど幸せな日も、笑えるぐらい不幸な日も、世界を閉じたくなるようなつらい日も、
涙が出るような美しい景色も、全部全部、自分らが味わえるために、この世界創ったんやからな」
いい加減なゾウの神様を笑っているうちに、一気に読めてしまう。
そして読み終えたあと、ゾウの神様が好きになっている。
「夢をかなえるゾウ」 水野敬也 飛鳥新社
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ゾウの顔を持っているが、元は人間だったはずだ。
主人公である、若いサラリーマンが、朝目が覚めると枕元にガネーシャがいた。
というところから話が始まる。
大学を出て、それなりの会社に就職したものの、何かが違う、ビッグになりたい、
変わりたい、と悶々としている主人公に、ガネーシャは、夢をかなえてやると言う。
しかし目の前にいるへんてこな生き物に疑いを隠しきれない。
「で、どないするねん?」
「どないする、とおっしゃいますと?」
「いや、せやから。話聞いとった?自分、変わりたいの変わりたないの、どっち?」
この神様、こてこての関西弁をしゃべる。
ニュートンくんや、エジソンくんなんかもワシが育てたんや、と鼻息も荒い。
うっかりガネーシャと契約をしてしまった主人公。
毎日、ガネーシャから課題が出る。
それを確実にこなしてゆくと、いつのまにかビッグになる、というのだが、
一筋縄ではいかない神様の性格が、主人公を悩ませ、怒らせ、呆れさせる。
しかしこの、意思が弱くて目立ちたがりで、食いしん坊でわがままな神様が、
ぐっとくることをたくさん話してくれる。
「世の中のほとんどの人間はなぁ、『反応』して生きてんねや。
自分から世の中に働きかけるんやのうて、周囲に『反応』しとるだけなんや。
親から言われて勉強して、みんながやるから受験して、みんなが就職するから就職して、
上司からこれやっとけ、いわれるからそれやって、とにかく反応して反応してし続けて
一生終えるんやで」
「そんなんで自分の人生手にいれられるわけないやんか。自分の人生手にいれとるやつらは
全部自分で考えて計画たてて、その計画どおりになるように自分から世界に働きかけていくんや」
そう言いながら、いよいよ主人公とお別れというときになって、こうも言う。
「無理すんなや。
夢追いたかったら追ったらええ。オンナの尻追いかけたかったら追ったらええ。何したってええんやで。
成功しても成功せんでも、気張って目標に向かって努力しても、誘惑に負けてしもても、ワシ、自分(主人公のこと)のこと好きやで。
成功だけが人生やないし、ぎょうさん笑うて、ばかみたいに泣いて、
死ぬほど幸せな日も、笑えるぐらい不幸な日も、世界を閉じたくなるようなつらい日も、
涙が出るような美しい景色も、全部全部、自分らが味わえるために、この世界創ったんやからな」
いい加減なゾウの神様を笑っているうちに、一気に読めてしまう。
そして読み終えたあと、ゾウの神様が好きになっている。
「夢をかなえるゾウ」 水野敬也 飛鳥新社
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