私のまわりには、もの持ちがいい人が多い。
筆頭は母。
3年前に実家を建て直すまでは、玄関の物入れの中に
『3年4組 ○○』と書かれた子供用の傘があったし、そういう恐ろしく古いものが普通にある。
親友もそうだ。
いただきものだけれど、自分は使わないというものも、しっかり取ってあって、
これは何のときに誰からもらった、なんてことも覚えている、まるで私の母のような人だ。
何年前だったか、バブルの頃に着ていた懐かしい服をごみ袋何杯も捨てたと聞いて、
バブルから何十年も大事にしていたんだと驚いたことがある。
夫もそうかもしれない。
日本でも毎日使っていた、大きなナイロンのバックパックは、19の年に買ったのだという。
洋服も、書類ケースのようなものも、傷まなければずーっと使う。
私の物持ちの悪さは、あきれるほどだ。
その理由は、飽きっぽいのと、管理の悪さ、大雑把すぎる性格にあるんじゃないかと思う。
それに加え、使わないものをずっと残しておくということが苦手で、
ほぼ発作的に大処分大会となる。
夫と結婚したときのウェンディングドレスも、5年ほどは箱に入れておいたけれど、
もう一生取り出すこともないだろうし、こうして残しておいても仕方がなかろうと、
「素敵な思い出をありがとう!!」とドレスに感謝して、捨ててしまった。
それでもベールと手袋だけは残してある。
そんなことを思いつつ、着ている部屋着を見て気づいた。
これは忘れもしない、21のときに買ったのだった。
ノースリーブの、ふくらはぎが隠れる長さの黒いストンとしたドレスで、生地は細い畝織りの、薄手のジャージ風。
背中の真ん中近くまで襟(っていうのか?)ぐりがあいている。
買った時は、共布を輪っかにしたターバン状のベルトがついていた。
私はそれを腰ではなく、頭に巻いていたように思う。(昔の私は変だった)
もちろん買った時には部屋着ではなく、外で普通に着ていたのだ。
いつのまにかターバンベルトは紛失し、ドレスだけが残って、たび重なる引越しにもついてきて、
気がつくと、今もっている服の中で1番の(そして唯一の)古参になった。
なぜこれがこんなに長持ちしているのかといえば、
豊満な胸を持たない私は、ブラなしで着ることができ、
ジャージなので皺にもならず、
締め付けがなくて楽な上に、パジャマ感がないために、
これを着て寝ても翌日そのままの格好で1日過ごせる(ひどいズボラ)
さらには、洗っても洗っても、ヨレた感じがしないという利点があるからだろう。
(最初からヨレっとした感じの服ではある)
そう思ったら、しみじみとこの服が大事に思えてきた。
私が今よりずっとアホで、おバカなヤングだった頃を知っているこの服は、その後、
幾多の人生劇場を共にしてきたわけだ。
最初の夫と別居することになった夜、啖呵を切ったあとでスーツケースに手当たり次第に服を詰め込んだときも、
これはしっかり入っていた。
今まで気づかなくて悪いことをした。
これからは乾燥機に入れないで、ちゃんと陰干しして大事にしよう。
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筆頭は母。
3年前に実家を建て直すまでは、玄関の物入れの中に
『3年4組 ○○』と書かれた子供用の傘があったし、そういう恐ろしく古いものが普通にある。
親友もそうだ。
いただきものだけれど、自分は使わないというものも、しっかり取ってあって、
これは何のときに誰からもらった、なんてことも覚えている、まるで私の母のような人だ。
何年前だったか、バブルの頃に着ていた懐かしい服をごみ袋何杯も捨てたと聞いて、
バブルから何十年も大事にしていたんだと驚いたことがある。
夫もそうかもしれない。
日本でも毎日使っていた、大きなナイロンのバックパックは、19の年に買ったのだという。
洋服も、書類ケースのようなものも、傷まなければずーっと使う。
私の物持ちの悪さは、あきれるほどだ。
その理由は、飽きっぽいのと、管理の悪さ、大雑把すぎる性格にあるんじゃないかと思う。
それに加え、使わないものをずっと残しておくということが苦手で、
ほぼ発作的に大処分大会となる。
夫と結婚したときのウェンディングドレスも、5年ほどは箱に入れておいたけれど、
もう一生取り出すこともないだろうし、こうして残しておいても仕方がなかろうと、
「素敵な思い出をありがとう!!」とドレスに感謝して、捨ててしまった。
それでもベールと手袋だけは残してある。
そんなことを思いつつ、着ている部屋着を見て気づいた。
これは忘れもしない、21のときに買ったのだった。
ノースリーブの、ふくらはぎが隠れる長さの黒いストンとしたドレスで、生地は細い畝織りの、薄手のジャージ風。
背中の真ん中近くまで襟(っていうのか?)ぐりがあいている。
買った時は、共布を輪っかにしたターバン状のベルトがついていた。
私はそれを腰ではなく、頭に巻いていたように思う。(昔の私は変だった)
もちろん買った時には部屋着ではなく、外で普通に着ていたのだ。
いつのまにか
気がつくと、今もっている服の中で1番の(そして唯一の)古参になった。
なぜこれがこんなに長持ちしているのかといえば、
豊満な胸を持たない私は、ブラなしで着ることができ、
ジャージなので皺にもならず、
締め付けがなくて楽な上に、パジャマ感がないために、
これを着て寝ても翌日そのままの格好で1日過ごせる(ひどいズボラ)
さらには、洗っても洗っても、ヨレた感じがしないという利点があるからだろう。
(最初からヨレっとした感じの服ではある)
そう思ったら、しみじみとこの服が大事に思えてきた。
私が今よりずっとアホで、おバカなヤングだった頃を知っているこの服は、その後、
幾多の人生劇場を共にしてきたわけだ。
最初の夫と別居することになった夜、啖呵を切ったあとでスーツケースに手当たり次第に服を詰め込んだときも、
これはしっかり入っていた。
今まで気づかなくて悪いことをした。
これからは乾燥機に入れないで、ちゃんと陰干しして大事にしよう。
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