プワゾン

１月の私の誕生日に、夫が「プワゾン」を買ってくれた。



ディオールの「プワゾン」は、私がローカルのテレビ局に勤めていた頃に流行った。

プワゾンを、「飲んでいるのではなかろうか？」と思うほど、

強烈に匂わせている人がいて辟易したものだ。

彼女が通った場所は、しばらく香りが消えなかったし、

化粧室もムンムンしていた。

私にとってプワゾンとは、臭いものというイメージしかなかった。



だから夫がくれた包みを開けたときに、

「えー！プワゾンってまだ製造していたんかい！」

という驚きと、

「うわぁー、プワゾンかぁー・・・・」

と、昔のあの臭い思い出がよみがえった。



「スパイシーで、ほんのり甘くていい香りだから、シロにつけてほしいなと思ったんだよ」



とニコニコしている夫に、臭かった話などできようか。いや、できまい。



もらったその日に、つけてみた。

つけた瞬間は、あの臭い感じ。

でも、２０分ぐらいすると、夫が言うようにスパイシーな香りに変わる。

そのあとに残る香りは、甘くて、若すぎる感じも、濃厚すぎる感じもない。

私が昔嗅いでいたのは、つけた瞬間の強い香りだったから、

彼女は１日に何度も付け直していたのだと思う。


私はすっかりこれが気に入ってしまった。

過去、ひとつのものが長続きしなかった香り関係だけれど、

これは最後まで使えそうな気がする。





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