太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

隠れせっかち

2014-06-05 08:25:48 | 日記
仕事中、レジスターの中の25セント玉が足りなくなったので、両替をしに行った。

隣の店の前を歩いていると、その店で働いている仲良しのAちゃんが

「歩くの、やっぱり速いよねぇー」

と言った。

私はハタ、と止まった。

「そう?」

「うん、いっつも思ってた。歩くの速いなあって」

Aちゃんはのんびり話し、にっこり笑った。

私は自分のことをのんびりやだと思っている節があって、そうじゃないことを指摘されると

「え!!」と思う。

両替した帰り、その店の前を通るとき、わざとゆっくり歩いた。

「ゆっくり歩いてみたけどどう?」

「それはそれですごーーーく不自然」

Aちゃんは声をたてて笑った。



1月に帰国したときのことだ。

私の母は元来のんびり屋なのだが、年を重ねて、さらにのんびりに磨きがかかった。

ひとつひとつの動作がのんびり、のんびり。

自然と、何をするにも私が母の動作が終わるのを待つ感じになる。

二人で車で出かける際、先に車にたどり着いた私が、忘れ物を思い出した。

家に戻ろうと歩いている私をまじまじと眺めた母が、


「せっかちな歩き方だねえー」


と、感嘆したように言った。

そのときも、「え!!」と思い、改めて自分の歩き方を確認してみた。

シャカシャカシャカ、胸を張って大またで、そんなふうに私は歩いている。


仕事中も、私はきっと職場の本屋内をそうやって歩いているのだろう。

シャカシャカと動いたところで、たいして能率がいいわけでもなかろうに、

のんびりとものごとをこなすことが、どうしても苦手なのである。


言われてみれば、裁縫や編み物が苦手なのも、そんな性格ゆえかもしれない。

ぱっと作って、ぱっと結果を見たいから、こつこつと積み重ねることに我慢できない。

(ただこれは、アートの世界になると不思議と話は別だ)

だから焦っていい加減に作ってしまい、とても使えない代物ができる。いつもそう。


料理をしていても、盛り付けする器も、料理に使うものも先に用意しておいて、

使った先からどんどん洗って乾かしていく。

シンクの中に汚れた鍋やボウルなどがたまるのが嫌なのだ。


それでもまだ私は、「せっかち」と言われるたびに「え!!」と思うのはどうしてだろう。


せっかちといえば父で、

父はいつも「早く、早く」と言いながら生きている。

私の本質はのんびりなのに、父から譲り受けたせっかちが、いつも私に違和感を与える。

と、父のせいにしているのである。








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