太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

シュートメのリタイヤメント

2014-06-14 22:07:42 | 日記
シアトルに住む、夫の叔母夫婦が仕事をリタイヤし、ベースボールの試合を追って

国中をまわるという旅に出た。

日本的に言えば、桜前線を追いかけて南から北にのぼるようなものか。

叔母は、どの球場のホットドックが1番美味しいか食べ比べをするのも楽しみで

それ専用のブログも立ち上げたという入れ込みようだ。



昨年あたりから、周囲ではリタイヤメント続きだ。



アメリカには定年という制度がないため、いつリタイヤするかは自分で決める。

まだ働くことができても、70の声を聞く前にリタイヤする人が多い。

そしてそのあとは、思い切り楽しむ。

たぶん、思い切り楽しむ体力気力が残っているうちにリタイヤするのだと思う。


ある知人夫婦は、クルーザーを買って3年間のクルーズに出かけているし、

オーロラを見に行くといって1ヶ月以上も、北の暮らしを満喫している人達もいる。


昨年、夫の父がリタイヤし、

先日、夫の母がリタイヤした。




ヨットクラブでの、母のリタイヤメントパーティ



30年、ハワイ大学で教授をつとめてきた、さまざまな思い出






お昼と夕食の間のププ(軽い食事)。








義母とかかわってきた人達。




みんなからもらったレイで、顔まで埋まりそうになっている義母。

彼女も、他の多くの人のように、60代でリタイヤすることを決めた。

仕事しか趣味がない仕事人間の母にとって、その決断は何年もかかる大きなものだった。

ハワイに移住し、子供を生み、看護師から一転して大学に入り直して博士号を取得し

念願だった大学教授になった母を、私は心から尊敬する。




さあ。

仕事しか趣味のない人が仕事を辞めたらどうなるか。

私は彼女を尊敬しているけれども、それと実生活とはまた別の話。

リタイヤして1年たつ義父は、自由に過ごしていたところに義母が加わって

調子が狂った。




今朝も喧嘩しながら(寡黙な喧嘩ね)二人ででかけた。

昨夜は、些細なことで義母が怒って、夫まで巻き込む親子喧嘩。

そんなときは私は一人でそっとシャッターを下ろす。


気難しい義母が機嫌を損ねると、家の中の空気がどよーーーーーんとグレイになる。

天真爛漫でいつも機嫌がいい義父に比べて、義母のムードはジェットコースターのようだ。

彼女自身、自分の気分をコントロールできないことに苛立っているんだと思うけれど、

しみじみ、私は仕事をしていてよかったと思う。



家の建て増しの工事が始まっている。

昨夜、親子喧嘩のあとで夫が

「どうかどうか1日も早く家ができますように かみさまーーー」

と祈っていた。

その祈りは私とて同じである。


義母の気の強さに閉口することもあるが、裏表のないところはラクでもあるし、

もうあなたたちとは住めないわッ!とキレてくれたおかげで

めでたく私たち専用の住まいができるのだから、ありがたいこともある。





私の母は、いわゆる昔ながらの嫁・姑で苦労してきた人で、私はそれを見て育った。

本当の親子のようになれたら理想。

母を見ながら育ったのに、私は理想を抱えて同居を始めた。

でも親子であっても、わかりあえないところはたくさんあるし、

言われて傷ついたことは互いに忘れないもの。

近くにいたら、いろいろあって当たり前。

ということに気づいたのは、1年もたった頃だっただろうか。



夫の母に対して、「嫌だな」と思う時、自分を責めるのもやめた。

嫌なものは嫌だ。

だけど、それだけ。



「努力したけど、やっぱ大好きにはなれないヮ」

と正直に息子である夫に言った。

「うん、僕も」

と夫が言ったときには、ちょっと驚いたけど。


大好き!ではなくても、

基本の基本のところで、私は夫の母という人間は好きで、それでいいんだと思っている。








にほんブログ村 海外生活ブログ 海外移住へにほんブログ村