太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

シナリオ

2014-08-21 20:41:41 | 勝手な映画感想
興味深い映画をみた。



「The adjustment bureau」


主人公マット・ディモンは政界に挑戦している若者だ。

選挙活動がうまくいって、いざ投票日の近くになると、酔って暴力事件を起こしたりして

落選を繰り返している。

次の選挙が迫っているときに、ある女性と出会い、二人は強烈に惹かれあう。


複数の、山高帽をかぶった男達が主人公を追っていて、

彼らは主人公をつかまえ、女性の電話番号が書かれている紙を燃やしてしまう。


実は彼らは天使で、主人公が予定通り政治家として成功し、名を成すために奔走しているのだ。

その女性とは、過去生で何度も巡り合う予定でいながら、そうなることはなかった。

ただ今世では、互いに別のシナリオを持って生まれており、巡り合うべきではなかったのが

ちょっとしたアクシデントで出会ってしまったのだった。



映画の中で、反抗しまくる主人公に、ようやく「自由意志」が与えられることになったのもつかのま

すぐにそれが剥奪される。

そのことに猛烈に反論する主人公に天使が言う。

「オレの自由意志はどうなったんだよ!」


「我々は人間に自由意志を与えてきた。そうしたら人間たちはどうした?

万里の長城を創ったり、最初は調子がいいけれど、そのうち殺し合いを始める。侵略しあう。

それで再びわれわれが介入して、軌道修正する。

そして、猿たち(人間)もそろそろ自分たちでやっていけるだろうと、一歩下がってみていると

また戦争を始める、大量虐殺する、自然を破壊しまくる」




天使たちがCIAのようで、天使らしくないのがいい。

また、天使のくせに、罪悪感とか持ってる天使がいるのもいい。




これは小説を映画化したもので、きっと作家は誰か(天使たち?)に書かされたんじゃないだろうか。

見れば見るほど、ほんとうに私たちの人生はこうなっているように思えてくる。




今から9年前、夫は「何の理由も保障もなく」仕事も辞め、家は人に貸し、車を売り、

特大スーツケース2個を持って日本に行った。

日本語を話せず、コネもない。

日本に行かないほうがいい理由なら、腐るほどあったけれど、夫は行動した。

『日本に行けぇ~、日本に行けぇ~~』

あけてもくれても、その言葉が心を占領して、

ずいぶん言い返して反抗していたのだというが、とうとう根負けしたのだった。

「アーッッうるさい!わかったよ、行きゃいいんだろ、行きゃぁ」

ま、そんな感じ。

実際日本に行ってみたら、

仕事を得て、友人を得て、結婚相手まで得て、日本での生活はなにもかもがスムーズに行って怖いぐらいだったという。




「あのとき、きっと天使たちがこんなふうに奔走していたんだろね」




それは正しい道じゃない、という方向に行きそうなとき

主人公が電話をかけたくても繋がらない、タクシーを拾いたくても拾えない。

なんだか物事がうまくいかない、というときには、それは道から外れかけているというサイン。

というのはわかるんだけど・・・・・



この人生での自分の使命とはなんだろう。

わたしは誰だろう。



スピリチュアルなことに顔を突っ込んでいくと、そこに突き当たる。

右も左もわからなかった頃は、何も望まず、流れついたところが私の幸せの場所、と思ったこともあった。

道を外れていたら、ただちに正しい道に戻ってがんばります!という気持ちだってあった。

しかし、今は違う。

使命があるなら、それは尊重するけれど、

生身の私がやりたくないことは、やりたくないと思う。

私がほんとうにやりたいことをやりたいと思う。




この映画では、まさに主人公がそこに行き着く。

いったんはシナリオを受け入れるが、やはり主人公は自分の気持ちをごまかせない。

天使たちはどうするか。

また、天使たちの上司であるチェアマン(神)はどうするか。



自分と重ねながら、つい引き込まれてしまう映画である。







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情報外

2014-08-21 07:43:17 | 日記
小学校低学年の頃、ある朝、普通に学校に行ったら、

みんなリュックサックを背負っていて、ランドセルを持っているのは私だけだった。

その日は遠足だったのに、私はそれを知らずにいたというわけだ。

そのあとどうしたのか、まったく覚えていない。

自宅から学校まで徒歩5分だから、戻って支度したのか、休んだのか・・・




私は、自分が「なんだかずれている」と認識するようになったのは大人になってからだ。

それも30もいいとこ過ぎてから。

流行に疎い。

情報に疎い。

普通にみんなと同じように暮らしているのに、なぜだか私に入ってくる情報が少ない。

つまり、アウト オブ インフォメイション。情報外。


小学校1年の親子面談のとき、担任の先生に

「シロちゃんにもっといろんなものを見せてあげてください」と言われて

顔から火が出そうだったと母が言った。

父は出かけるのが大好きな人で、毎週のように家族を連れていろんなところに行ったし

長い休みには泊りがけの旅行にもよく行ったというのに、

私はどこに連れていっても、自分が興味のあるものしか目に入らなかったのであろう。

それはたとえば、車の窓から外を眺めながら、赤い車が何台通ったかとか

学校で覚えた歌を熱唱するとかいったことだ。




日本人の同僚たちは、無料の日本語版の情報誌や新聞を欠かさず読んでいて

ときどき私の分も持ってきてくれるのだが

目がサーっと紙面をなでてゆくだけで、ほとんど頭に入ってこない。

こんなに読書は好きなのに、興味のないものはまったく読めない。



私が情報の外にいるのは、

あまりテレビを見ないとか新聞を読まないとかいった理由だと思っていたけれど

私は子供のころからずーっとそういう傾向にあったのだ。

私はやっぱりこれからも情報の外で

人々にあきれられながら生きてゆくのだろう。







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