太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

同じ過ち

2015-03-29 20:29:28 | 食べ物とか
マウイ島で行ったレストランで、

ラーメンとカリフォルニアロールを頼んだ。

そこは地元の3人のシェフがフードワゴンから始めたレストランである。

フードワゴン時代に、その美味しさから有名になって店を出したぐらいだから料理の腕はいいのだろう。

しかし日本食専門ではないから、

そういう店で、普段の私ならラーメンや寿司を頼まない。

何度も苦い体験をしているからである。



しかしオアフ島を出る時から、アメリカンな食べ物ばかり続いており、

その店のメニューに、


「ラーメン

丁寧に出汁をとり、最高の豚肉と、肉厚の椎茸がはいった自信の味…」



などなど、自信ありげなうたい文句が並んでいて(むろん英語だが)、目が釘付け。

むしょうにラーメンが食べたくなり、出来心で頼んでしまった。出来心ついでにお寿司も頼んだ。



運ばれてきたラーメンを見て、嫌な予感がした。

チラッと目にはオッケー。






でもなんだか、麺の雰囲気がおかしくないか?

スープも、ラーメンよりも蕎麦という色だし。

食べたら意外と美味しいのかもと、まずスープを飲んだ。

「?」

何の出汁かわからん。カツオブシではない、昆布でもなし、イリコ系とも違う。

舌の上で味わってみる。

しいて言うなら…昔のおじいちゃんちの納屋の壁の味??

納屋の壁を食べたことはないけど。そんな匂い。


麺を一口食べてみた。

噛むともっちりもっちりする。これってイタリア系のパスタじゃなかろうか。

もっちりしていて、その上粉っぽい。パスタにしたって、これはダメだわ。

期待せずに椎茸を食べてみた。

期待しなかったが、びっくりした。なぜか、濃い味付けの、微妙に酸味のきいた漬物みたいだった。

チャーシューは、まあいい。

半熟の煮たまごは、とてもいい。

でもチャーシューと卵を食べてしまったら、

もっちり粉っぽい麺と、おじいちゃんちの納屋の壁のスープ、

やたら味の濃い椎茸が、これでもかと残っている。


さらに私の心を暗くするのは、このラーメンが

2700円

ぐらいする、という事実である。


これが500円かそこらであれば諦めもつく。しかしこれは

1杯、2700円なのだ 。(くどい)

中華のランチバイキングが食べられる。

お昼の軽いコースだって食べられそうだ。

夫は、そのラーメンを

「おいしいねー」と言って食べている。


いつも思うのだけれど、この人の味覚はいったいどうなっているんだろう。


私の味覚のハードルはそれほど高くないと思う。たいていのものは美味しく食べられる。

それにしたって、このラーメンは美味しくない。



気を取り直して、カリフォルニアロールを食べてみる。




お箸でつまむと、ご飯がぽろぽろとはがれて落ちた・・・

たぶん日本食に向いていないお米を使っていて、しかも巻きが甘い。

巻物ができないくせに偉そうなことは言えないけど。

口の中でお米がばらばらと散って、まとまらない。


かっぱ巻きとかウナギ巻きとかあったけれど、頼まなくてよかった。

何が出てくるかわかったもんじゃないからな・・




ココナツシュリンプ(海老のフライのようなもの)と、チキンウィングは美味しかった。


3人のシェフのうちの一人がテーブルにやってきて、

「どうだい?」と聞く。

「すごく美味しいよ」

と夫が言い、私も合わせて笑っておいた。

ここで講釈を垂れる勇気は持ち合わせてない。

こんなラーメンに2700円もつける、その自信。

もしかしたらアメリカ人には美味しいのかもしれないのだし。



同じ過ちを繰り返すまいと誓ったのに、でももしかしたら、というはかない望みを持ってしまう。

それほど日本食は魅惑的なのである。






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