太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ウィンストン誘拐事件

2016-05-25 21:40:02 | 日記
ウィンストンが誘拐された。

ウィンストンは職場で飼っている亀である。

体長45cmで堂々とした風格があるが、まだ10歳にもなっていない。

どれだけ長生きするか想像もつかない亀の10歳といったら、生まれたばかりといっていいかもしれない。

自然溢れる場所だから、ケージなどなく、建物の前の茂みの中で自由に飼っている。

毎日見ていると、情が湧くというのだろうか。

何を考えているのか読めない表情も、なんだか可愛くさえ見えてくる。

建物のメンテナンス雑用一切をやってくれるエリックがウィンストンの担当で、

餌は完全オーガニックの野菜や果物しかあげないというかわいがり方だ。


そのウィンストンがいなくなった。

時々茂みを出て、のんびり歩いていることがあるので、手分けして捜したが見つからない。

最後に見たのは私で、お昼頃には茂みの中にいた。

いないことに気づいたのは、午後の早い時間だったから、そんなに遠くに行くとは思えない。

私達が捜していると、お客様の一人が、亀を持っている人を見たと言う。

てっきりここの関係者かと思ったので、不審に思わなかったというのだ。

「誘拐だ……」

子亀の頃から育ててきたエリックの落ち込みようは見ていられなかった。

生き物を盗む人がいるなんて。

つぶらでシワシワの目も、ツヤのいい甲羅も、もう見られないなんて。

亀をかわいいと思ったことなんかなかったのに。

飛行機に乗せるのは手間がかかるから、旅行者ではないだろう。

ウィンストンは今頃どこでどうしているだろう。

新しい飼い主(誘拐犯だが)に大切にされているだろうか。

狭いところに入れられていないだろうか。

お腹がすいていないだろうか。

売り飛ばされていないだろうか。

そんなことをする人がいることにも、ウィンストンの身の上も、心が痛む。



誘拐犯に良心があって、そっと返しに来てくれることを祈る。




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