太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

痩せてきれいになるのは

2016-09-18 11:30:03 | 日記
職場に出入りする業者の担当女性が、しばらくぶりに顔を出した。

なんだかとてもやつれていたので、体でも壊したのかと思ったら、

ダイエットをしたのだという。

「痩せた、痩せた」

とみんなに言われ、本人も満足そうだ。

確かに痩せた。

しかし、痩せる前のほうがずっとよかったと思う。

ぽっちゃりしていた顔の肉が、芯がなくなったようにたるんでみえる。

首に筋ができて、ごりごりしている。

年齢は40代半ば過ぎぐらいだろうか。


私にも覚えがある。

離婚する前後、私は41歳だったが、ストレスで4キロ痩せた。

手の甲から腕にかけて、血管が勢いよく浮かんできて、

それがまるで私の父の腕にそっくりで、自分でもゾッとした。



痩せてきれいになるのは、たぶん若いうちだけである。

ある程度の年齢になったら、じゅうぶんにケアをしながら痩せるのでなければ、

ただ老けてみえるだけかもしれない。




老いはいつのまにか進んでゆくので、気持ちがそれについてゆかない。

年を重ねてゆくのは、悪いことばかりじゃないが、

ついこのあいだまでは似合っていたものが、なんとなくちぐはぐに見えることに気づくのは

なんともやるせない。

ルーズな着こなしも、ルーズなヘアスタイルも、若さがあるからこそ決まるのであり、

艶っぽく見えるはずの後れ毛に生活感が出ていたら、もうそういうことなのである。


ただ、いつ自分がそうなっているのかが、明確にわからない。

鏡に映る自分は、こうあるはずという希望と、過去の記憶のレンズを通しているぶん、

現実を見ているとは限らない。

写真は、現実にかなり近いと思う。

写真に写った自分を見てがっかりすることは多い。


友人同士で、「私がイタイ格好してたら言ってね」と言い合うことがある。

しかし私は、言わないのではないかと思う。

そして友人にも、言わないでほしいと思う。

ハワイの人々は、そういう観念からかなり自由だけれど、日本はとても厳しいと感じる。

人はいつまでも若くいられないとわかっていても、それでも若くいたいと思う気持ちはいじましい。

若々しい、と、若作りの違いを憎んでいたのは、私がまだ若かったからで、

若作りのどこが悪い、と、私はずいぶん寛容になった。



だから、一緒に歩くのが恥ずかしいぐらいだったら仕方がないが、

そうじゃないなら見逃して欲しいと思うのである。







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