太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

4時と5時の間の妖気

2017-04-14 07:55:31 | 不思議なはなし
夫の仕事の始業時間が、朝5時が6時になったと思ったら

また5時に戻り、ふたたび3時半起きである。

朝、ウォーキングする道に、 妖しい場所 がある。

家を出て、6分ほどかけて丘を下ってゆき、

1軒が2階建ての低層コンドミニアムが、広い公園の中に点在しているタイプのコンドミニアムの周りを1周歩く。

その一角に、その場所はある。



コンドミニアムのある敷地は、ほとんど整備されているが、

その一角だけは元のままで、まるで我が家の庭に続くジャングルのようである。

うっそうと木々が生い茂り、かなり奥まで続いているようにみえる。

昼間そこを通っても、ただの茂みなのだけれど

朝4時台にそこの前を歩いた時、何かが来た。



それは、まるで海の波が、思いがけず大波になって押し寄せたような感覚でやって来て

歩いている私の首の後ろから背中にかけて、おおいかぶさってきた。

目を凝らしても、なにも見えない。

けれど、それは確実な存在感をもって、そこにあった。

足元から鳥肌が上にあがってくる。

私は首や肩をおおげさに手で払いながら、

「ただ通らしてもらっただけじゃんっ、なんなのよぅーーーーーーー!」

と言って、早足でそこを通り過ぎた。

誰も歩いていない時間で幸いであった。


翌日から、そこを通る時には、道の反対側を歩くようにした。

道幅は7mぐらい。

この距離があると、それはやってこない。

やってはこないが、見れば妖しさ満点である。





これが、朝5時を過ぎると、真横を通っても「シーン」としている。

5時でも、4時と変わらず真っ暗だ。

私はその前に立ち止まり、あの濃い妖気を探したけれど、

どんなに探しても、そこはただの茂みが、何も知らない顔をしているだけだ。




朝4時と5時の間は、朝と夜の境目だとか、陰と陽の境目だとか、

なにかが切り替わる、そういう時間なのだろう。






ハワイの古い言い伝え話の中に、

ある酔っ払った男が、ヘイアウ(聖なる場所)にオシッコをしたら

オシッコが止まらなくなってしまったという話がある。

今もハワイのいろんなところにヘイアウは残っているが、

私が行けるヘイアウと、行けないヘイアウがある。

行けないヘイアウは、その場所の入り口まで行くと、もうこれ以上行けない、

という気持ちになる。

まるでそこに結界があるかのように。




私の背中にかぶさってきた、その妖気がなにかわからないが(わからなくてよかったけど)

道の反対側から眺めたときに感じるものは、

私が行けないヘイアウで感じたものに似ていなくもない。






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