太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

待ち合わせ

2017-04-26 07:38:26 | 日記
ワイキキで友人と待ち合わせるのに苦労した話を書いたが(それはコチラ

そのときに、携帯電話がなかったら会えなかったね、と話したことから思い出したことがある。





かなり昔、まだ二十代だった頃、仕事終わりに友人4人で待ち合わせをした。

静岡市の繁華街は、駅から北に伸びる1本道で、

当時、駅に1番近いところに西武デパートがあり、最北端に伊勢丹デパートがあった。

私達は伊勢丹の入り口で7時に待ち合わせることにした。


私はこう見えて時間には正確で、いつも早めに行く。

それがその日は、7時ちょうどぐらいに伊勢丹に着いた。

しかし仲間内では私と同様、いつも早めに来るはずのMがいない。

5分ほど待っていたが、私は不安になってきた。




『ひょっとして、伊勢丹じゃなくて西武の入り口だったかな』





というのも、友人の一人が西武デパートで働いていたからで、

いったん、そう思いだすと、どんどんそうじゃないかと思えてくる。

思い込みが激しい私は、適当に人の話を聞いて勝手に思い込む。

だから、西武といったのを、伊勢丹だと勘違いしたに違いない。ああきっとそうだ。

私は西武デパートに向かって歩き出した。

西武デパートに着くと、入り口に西武で働いているSが立っていた。

やっぱり西武だった、と思っていると、Sは携帯電話で誰かと話をしながら私に手を振った。



「来た来た、やっぱり来たよ、今から一緒にそっちに行くワ」



そこにTもやってきた。

待ち合わせは、やはり伊勢丹で、伊勢丹で待っているMと電話でやりとりをしているらしい。

なぜ私が西武に行くことがわかったかというのは、こういうことだ。



私が西武に向かって歩き出したあとで、Mが伊勢丹に来た。

いつも早く来る私がいないので、Mは直感で私の心の動きを読み取り

西武で働いているSに電話で、私が行くと思うから正面玄関にいるように、と言った。

するとSは、私のことだから、正面玄関ではなくて 搬入口 に行く恐れがある、と言い

もう一人の仲間のTに、搬入口を見張るように伝えた。

そこへ私がのこのこと現れた、というわけである。





ここまで他人に行動を読まれる私って・・・・・

しかし、いかに私でも搬入口には行かないだろうと思うが

人にそう思わせる過去が、きっと私にはあるのだろう。





当時、携帯電話を持っていないのは仲間内で私だけだった。

携帯電話の必要性を感じたことはなかったからで、全体に見ても今ほど普及はしていなかった。

しかし、その待ち合わせのあと、私は友人達にじっくりとお願いされた。



「頼む!頼むから携帯電話を持ってください!アンタが一番必要なんじゃ!!」



それでも私はしらりくらりとしていたが、ほどなくして携帯電話を買って、仲間を喜ばせた。

来るはずの相手がこないとき、あれこれと想像をめぐらせたりするのも乙なものじゃないか、と私が言うと



「絶対にそんなふうに思わないッッ!!」

「アンタが言うな!」



と声をそろえて言われたものである。






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