太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

物理の教科書

2018-11-15 07:57:18 | 日記
考え事をしているのでもないのに、なかなか寝付けない夜がある。

何度も寝返りをうち、枕の状態を変え、足でシーツのひんやりしたところを探しつつ、

いつまでも目が冴えている。

早く寝ないと、明日仕事なのに、と気持ちは焦る。

今何時だろう、あと何時間眠れるだろう。

そう思えば思うほど、眠れないのはわかっているのに。

こんなとき、物理の教科書があったらいいのになあと思う。

学生時代の教科書はみんな処分したが、物理だけは住まいを換えるたびに持っていった。

もちろん、物理が好きだからじゃない。

眠れない夜にあれを読むと、とたんに眠くなるのだ。

数学も嫌いだったが、物理ほどわけのわからないものはなかった。





あけた窓から「ジー、チー」というかすかな虫の声が、まるで耳鳴りのように聞こえる。

遠くで黒鳥の悲しげな声が夜空に響く。

庭に続くジャングルの中を、マングースかネズミか何かが動く。

木の枝が、風に揺れてさわさわと鳴る。

隣で夫が気持ち良さそう寝息をたてていて、羨ましくなる。

眠れないときには、いっそ起きてしまって何かをするほうがいいのかもしれないと思い、

起き出してみたこともある。

が、何かを始めても、心の焦りは変わらずにあって、結局ベッドに戻る。



虫の声、風の音、虫の声、風の・・・

ようやくうとうとしてきたときに、



ハッッ!! ハッッ!!



意表をつかれる音で目が覚める。

裏の家の犬が、そういう声で鳴くのだ。

最初は人間が、気合でもいれているのかと思った。

普段は家の中にいるのか、声を聞かないのだけれど、なぜか夜に時々外に出るようで

この声で目が覚めたこと数知れず。

鳴き続けることはないのが救い。

うちは就寝時間が早いので、近所迷惑な時間に犬が鳴くわけでもないから文句もいえず。




まさかこのまま朝になるでもなし。

夜という時間はネガティブな思考が強くなるから、つとめて明るいことをイメージしつつ

いつのまにか眠っている。

翌日、とりたてて眠くなることもないから、体はきっと必要な分だけは眠れるようにできているんだろう。

10時間寝ても、起きるときのつらさは同じ。

あまり眠っていなくても、休日の朝は起きるのがつらくない。

なんのこたぁない、心理的に翻弄されているだけなのである。












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