太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ハプニング

2019-05-12 20:20:34 | 日記
職場で、ツアーバスのドライバーが私に聞いた。
「日本語、話せる?」
話せると言うと、おおげさに宙を仰いで言った。
「あーよかった!ちょっとこの人助けてほしいんだけど」
ドライバーの後ろには、30代とおぼしき日本人女性が立っていた。

聞くと、近くの観光牧場で、違うツアーバスに乗ってしまい、
ここに来たのだという。
彼女は、牧場の従業員に聞いたら、まったく見当違いなバスを教えられたといって憤慨している。
「乗る時、ガイジンばっかりだなあとは思ったんだけど、
運転手の人も、知らない顔が乗ったのがわからなかったんですかね」
まあ、せめて旅行会社の名前を言って確かめてみたらよかったんだろうけど、
間違えてしまったものは仕方がない。

彼女はワイキキに戻りたいというので、
この職場に来ている何台ものツアーバスのドライバーに、ワイキキに直行するかどうか、片っ端から聞いてみた。
もし直行バスがあれば、隅っこに乗せてもらえる。
ところが、みんな島を周遊するので、ワイキキには夜の7時ごろになるが、
それでよければ乗せてくれるという。
そのとき、既に3時。
「タダで周遊できてワイキキまで乗せてくれるなんてラッキーじゃない?」
と私が言うと、彼女は7時では遅すぎるという。
私が走り回っている間にも、
「ワイキキまで送るまでがツアーに含まれているのに!」
と旅行会社を呪い、
問い合わせ番号にかけても繋がらないのも呪い、
職場の前にあるバス停から路線バスに乗ったらどうかと言っても
「だってツアーに含まれてるのに・・・」と渋る。
旅先で心細いのはわかるけれど、起きてしまったことは仕方がないではないか。
思いがけず、路線バスの旅もおもしろいと私は思う。
運賃だって300円ぐらいだし。
旅行会社には、ワイキキに戻ってから改めて苦情を言えばいいのだし。
結局、彼女を乗せてしまったドライバーが、彼女を乗せた場所まで戻ってくれることになった。
まだそこに、彼女が乗るべきバスが待っているかもしれない。

旅先では、ハプニングはつきものだ。
ローマで、電車の回数券を買う場所がわからなくて、
通勤途中の人々に一人ずつ、英語が話せるか聞きながら探した。
電車の切符の買い方もわからず、やっと乗った電車も、どうやら改札を通らずに乗ったらしく、車内をまわってきた車掌に呆れられた。
(イタリア語がまったくわからないので、諦めたといったほうがいいだろう)
乗り換えの電車も、いい加減な電車を教えられ、やっとのことで目的地に着いたときには、ものすごい達成感があった。

数年前にサンフランシスコに行った時も、
一人でフェリーに乗ってソーサリートに行くのに、電車を乗り過ごし、
帰りのフェリーに遅れ、でもそのおかげで市内見物ができたし、
ソーサリートでは素敵なランチを楽しめた。

あの女性は、無事にワイキキに戻れただろうかなあ。
英語ができなくても、ハワイならきっと誰かが助けてくれるから大丈夫だけど。
ハプニングが起きた時は動揺するが、
わりとあっさりと切り替えられるのは、そそっかしいがゆえに身に付いた、私のお得な性格なのかもしれない。





私の矛盾

2019-05-12 02:39:45 | ハワイの自然
職場は大自然の中にあるゆえ、いろんな生き物がいる。
レジスターのカウンターの上を、黒い大きな蟻が歩いていた。
日本だったら、山の中にいるような大きさの蟻だ。
子供連れの母親が、
「BAD GUY!BAD GUY!(これは悪いやつ!)」
と言いながら、親指でその蟻を潰そうとするが、蟻は素早く逃げ回る。
私は心の中で蟻が逃げ切れるよう祈った。
幸い、蟻は逃げきれてどこかに行った。

生き物愛護主義というわけではない。
腕に蚊が止まれば、あるいは近くを蚊が飛んでいたらパチンとやる。
大量に小さな蟻が家に発生したら、アリコロリ的なものを置くし、
それがせせらぎ(Gの付く名前の、あの虫)だったら敵意むき出しだ。
それなのに、ただカウンターを歩いていただけの蟻を
「悪いやつ!」
と言いながら殺すことには心が痛む。
何の罪もない蟻を殺そうとするオマエが悪いやつじゃ!と言いたくなる。
蚊だって生きるために血を吸うのだし、
家の中に発生する蟻だって、ただそこでそうして生きているだけだ。
せせらぎだって、気持ち悪いだけで悪いことはしていない。
私の中の矛盾。またここに発見。

今朝、夫を送り出すときに虹が出ていて、
いそいでカメラを取りに家に戻った間にきれいさっぱり消えていた。
そんなもんだ。
せっかくだから空でも撮るか。
山とは反対側の東の空。
今日もいい天気になりそうだ。
マグノリア
玄関の前のマグノリアの木が、もうすぐ屋根を越えそうな勢いで育った。
日本だと こぶし かな。(違うかも)
両手のひらを広げたぐらいの大ぶりの花をたっぷりと咲かせる。
その香りは清楚で、ほかのどんな花の香りとも違う。
いい香りだからといって、花の中に鼻を近づけると(うまいこと言った?)
かなりの確率でミツバチがいるので注意。
大好きな花のひとつ。