太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

空港に降り立つと花の香りがするのは

2019-08-03 22:43:33 | 日記
空港に降り立つと花の香りがした

1960年代に、よそからオアフ島に来た人の何人もが
そう記している。
49年前、夫の両親がハワイに移住した時
やはり空港には甘い香りがしていたといった。
ワイキキには、今ほどホテルがなかったし、
高層ビルさえ数えるほどで、今よりずっと空が広かったはず。

今でも、よそからオアフ島に来る人たちは自然の豊かさに感動する。
確かに美しい場所はたくさんあるが
この50年の間に、たぶんずいぶん磨り減ってしまった。
空港に降り立ったとき、独特の空気とエネルギーはあるけれど、
花の香りは、・・・・・するかなあ。


マウイ島のカフルイ空港は、オアフ島の空港と似たような感じか。
ハワイ島のヒロ空港は、花の香りがするかもしれない。
ハワイ島でシュノーケルをすると、海の美しさに感動する。
カウアイ島も、花の香りがしたかもしれない。
カウアイ島の自然は、人間を拒むようなストイックさがあって
どきどきしてしまう。
ラナイとモロカイ島には行ったことがないけれど
たぶんもっと濃いと思う。

 

ホノルルは、まるで競争のように高層のコンドミニアムやホテルが
雨後のタケノコのように建設されている。
都会にはもう住みたくないけれど、
かといって、あまりに不便なところも、私はたぶん住めない。
マウイ島の、ハナという場所のさらに奥に夫の古い友人が住んでいる。
ハナに行くには、何時間も1本道を走って(それも道が狭いので
対向車と譲り合いながら)いかねばならない。
家のまわりに店などないので、ガレージには特大の冷凍庫と冷蔵庫があり、
1か月分の食糧を1度に買って閉まっておくのだそうだ。
そういう暮らし方が好きで、合っている人たちもいる。
50年前のオアフ島を体験したかったら、
マウイ島のハナのような奥地とか、
ハワイ島かカウアイ島、モロカイ島に行くしかない。

昔はよかった、というのは年寄りの証拠で、
年寄りがそう言うのを「はい、はい」と聞き流してきた私が今、
昔はよかった、と言っている。
しかし私が知っている昔のことだけでなく、
私も知らない昔のことまで、「よかった」というのだからおかしなものだ。

空港に降り立つと花の香りがしたころのこの島は、
私にとって、絶対に手にいれることができないとわかっている大切なものに思えるのである。