太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

顔を覚えられないタチ

2019-08-20 19:22:48 | 日記
1度会った人の顔を、忘れないという人がいる。
その人の姉は、顔は忘れても、名前は忘れないという。
それが証拠に、妹のほうは、1度だけ私の夫に会って挨拶をしただけで、
何ヶ月もあとに、夫が車で信号待ちをしているのを見かけたと言った。
その話をすると、姉のほうが夫の名前を言い当てた。

それは私にとっては神業といえる。
私は人の顔を覚えるのが苦手である。
そのうえ、名前も覚えられないときている。

ハワイに移住してしばらくたったとき、
隣家のブライアンちの娘さんが習っているフラのショーがあるというので出かけた。
アロハタワーのお祭りの催しものの一つで、
にぎやかなお祭り会場を歩いていると、むこうからひとりのおじさんが
にこにこしながらやってきた。
夫や義父と親しげに話し、私の名前も知っている。
どこで会ったか。
義両親の友人のひとりか。
適当に話をあわせながら、見たことがあるような、ないようなおじさんの顔を必死に思い出そうとしていた。
おじさんが「いつも犬がうるさく吠えてごめんねー」と言った時、
ようやくわかった。

ブライアンだっ!


隣家のおじさん、ブライアンその人だ。
隣の家の人の顔、忘れるかな、普通。


本屋で働いていたとき、
お客様が持ち込んだ本を査定する間、店内でお客様に待っていただくのだが
たてこんでくると、1度に20人ぐらいの人を待たせていることになり、
しかも、中には店の外に別の用足しにでかけてしまう人もいる。
だから、名前を呼ぶだけでなく、
どういう人であったかを覚えているほうが、ずっとスムーズにいく。
どうしても顔を覚えられない私は、書類の裏側に特徴を書いていた。

赤Tシャツ・メガネ

こぶとり 黄色スニーカー

金髪 ノッポ くちびる厚し

そんな具合である。
どうせ日本語を読めない人がほとんどだから、見られる心配もないが
失礼といえば失礼。
今でも、お客様になにかを頼まれて、その場を去って戻ってくるとき、
その人が必ずしも同じ場所で待っているとは限らないので、
どういう人かを覚えておく必要がある。

黒人・赤い帽子・でぶ

白人・金歯・青いアイシャドー

やっぱり失礼である。



アジア人 チビ おばちゃん
中国人 頭に変な花
私もどこかで、私のような人にこんなふうに覚えられているのに違いないと思う。