太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

けんか

2019-08-30 20:35:00 | 日記
「うちは夫婦喧嘩したことがない」
というのが、父の口癖だ。
人が集まったとき、得意気にそう言う父を、母は苦笑いしながら見ていたものだ。
喧嘩をしたことがない夫婦など、いるのか。


最初の結婚時代、結婚したばかりの時に口喧嘩になった。
私は、夜の喧嘩とは言いたいことを言い合い、それなりに結論を見てから寝るものだと思って生きてきたが
相手は貝のように押し黙り、なにを考えているのかわからず、
そのまま何日でも口をきかない。
ふたりしかいないのに、無視されたまま暮らすのに耐え切れず、
私が謝り倒して、なんとか元に戻る、の繰り返し。
なんで喧嘩したのかさえ、忘れる。
その陰険さがほとほと嫌で、相手を怒らせないようにだけ、細心の注意を払うようになっていった。
そのとき、そんな結婚やめときゃよかったんだけどね。


現在、私と夫は、あまり喧嘩をしないほうだと思う。
私は最初の結婚で懲りて、いっさい我慢をしなくなった。
私がどんな気持ちでいるかを、いちいち伝えることにしている。
他の人なら喧嘩になるところを、夫はじょうずにかわしてくれる。

喧嘩をするのは、たいてい夫がお酒を飲んでいるときだ。
夫の言い方が乱暴になって、くどくどとそれを繰り返す。

ブチッ

と私の中で音がして、私のスイッチが入る。
昨夜も、そうだった。

夫が私に正論を言っている。
それについては私は反省し、そのようにしようと思う。
しかし、その言い方が気に入らない。
ほかに言い方があるんじゃないかと思う。
アッタマにくるので心臓をばくばくさせながら、互いに言いたいことを言い合う。
そして、いつも夫が先に謝る。
(ふん、そっちが悪いんだから謝るのは当たり前だ)と私は思いつつ、

許さない。

ここが私の陰険でサッパリしないところで、
謝る夫を見ると、むらむらとつけあがりたくなってしまう。
で、くどくどと、怒っている。
謝らないなんて言語道断、
謝ったら謝ったで、それでも許したくない。
瞬間湯沸し器のように感情が沸騰して、すぐに冷める夫。
導火線を通って点火して沸騰し、いつまでも冷えない私。
こんな陰険な私に、ひたすら友好的な態度で接してくる夫に感謝しつつ、
それでも鎮火しきれない火事のように、ぶすぶすと怒りがくすぶっているのを、
もうひとりの私が、あきれはてて眺めている。

結婚した頃は、うまく言いたいことを英語にできないので
とっておきのグサっとくる単語を辞書で調べながら喧嘩したこともあった。
数年前までは、頭にくると早口の日本語でしゃべりまくって煙に巻いた。
夫は理解不能だが、私には「言ってやった!」という満足感がある。
ところが、ここ数年、夫の日本語の理解力が伸びてきて
そういう姑息な手が使えなくなってしまった。


明けて、今日。
仕事から帰ると、ひまわりの花束が、青いガラスの花瓶にたっぷりと活けられて、テーブルに乗っていた。
「きのうはごめんね」
私は1度も謝ってない。
たいしたことじゃないのに、ぐずぐずといつまでも怒った態度をしていたことも謝っていない。
それなのに、
「いいよ」
などと、私はえらそうに言うのだ。

私は気づいている。
安心して怒らせてもらえていることを。
喧嘩になるたび、これでもう離婚かと恐れていた、昔の結婚時代のトラウマを(だからさっさと離婚すりゃよかったんだよ)
喧嘩しても絶対に壊れないことを証明しつづけることで、癒していることを。

おもいきり元気な黄色を部屋じゅうに発散させながら、
あっけらかんと咲いているシンプルなひまわりの花が、
まるで夫のように思えてくる。



グリーン ライス

2019-08-30 08:01:02 | 日記
ちょっと違和感は、あった。
久しぶりに、ご飯を炊こうとお米をクロゼットから出したとき
なにかが違うような気はしたのだが、
そのままお米を計り、水を入れた。
すると、水が一面 緑色 になった。
玄米だから、白米ほどには水は濁らないはず。
白米だって、こんな色にはならんよね。
鈍い私も、ようやく理解した。
お米の一粒、一粒に、ぎっしりとカビがはえていた(怖!)

お米は、日本サイズでいうと10キロを買って、
ふたつの密閉容器に入れてクロゼットにしまってある。
今まで、それでカビたことなどなかった。
しかし、今年の夏の、この暑さに加え、
私は以前よりも格段にお米を食べなくなった。
お米を消費するのは、私だけ。
いつ、この玄米を買ったのかも忘れた。

さて私はどうしたか。

緑になった水を、取り替えてみた。
何度もよく洗ってみたら、水が透明になった。

(え、まさか、それを炊いてみたんじゃ・・・)

と、思うでしょう。
そう、炊いてみた。
うちの炊飯器は、昭和の時代の薄釜なので20分もあれば炊ける。
このお米は、ハワイじゃ高級なカリフォルニア米のいいヤツで、
もしかしたら、もしかするんじゃないかという貧乏性な心が
私に炊飯器のスイッチを押させた。
まだ5キロ以上残っているのだ。

炊き上がって、蓋をあけた。
なんとなく表面が ぬっちゃり しているような気がする。

(まさか食べてみたんじゃ・・・・!)

と、思うでしょう。
そう、ひとくち食べてみた。
最初のひと噛みは、「いけるか!」と思う味だったが、
すぐに後悔することになる。
お米の芯まで、カビは繁殖している模様(当たり前だって)
炊いたカビごはんと、残ったお米を潔く捨てた。
今後は、半分のサイズのお米を買って、
密閉容器にいれたのを、冷蔵庫で保管することにしよう。


お米に違和感がみられたら、食べないほうがいいです。
あ、みんな知ってる?
そーですか・・・・