太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

我が家の猫たち、謹慎となる

2019-08-12 19:01:57 | 日記
休日の朝や夕方、いくらか涼しい時間に
猫たちを庭に出すことがある。
15分ほどで、キャットフードが入った容器を振りながら
猫たちを回収する。
容器を振って、「ごはん、ごはん」と叫びながら庭を歩き回ると
どこからかひょっこり出てくるのだ。

昨日の夕方、夫の両親と食事に行くことになっており、
シャワーを浴びて着替える間、猫たちを外に出した。
フードの容器を持って庭に出ると、
数分でガールのほうが縁の下から飛び出てきたが、ボーイが見つからない。
夫と二人でどんなに探しても、出てこない。
以前、庭から続くジャングルの入り口でうろうろしているのを見たことがあったので
そのあたりまで降りてみて名前を呼んだものの、出てこない。
両親まで加わって、捜索。

食事に行く洋服を脱ぎ、長ズボンと長袖のパーカーを着て、
シュートメと一緒にジャングルの中に入った。

奥にみえるのがジャングル。
そこまでは坂になっていて、滑り降りるようにして下に降りる。
ジャングルに入ったことはない。
なにがいるかわからないし、うっそうとしていて、蚊もたくさんいる。
でも今はそんなことを言っていられない。

ジャングルに入ると、そこは意外にも竹林になっていて
細い竹が無数に地面から伸びていた。
足元は竹の葉が幾重にも重なって、歩きやすい。
竹を腕でかきわけ、名前を呼びながら探す。
どのぐらい歩いただろう、いきなりパッと視界が開けて
そこに見えたのは隣のお寺。
なるほど!やっぱりお寺とはジャングルで繋がっているわけだ。
360度が竹林の中にいると、方向がわからなくなる。
家に戻っているつもりが、別の家の建物が見えてきた。
なんとか家のほうに向いて歩き続け、庭に戻らずに
ジャングルをさらに右のほうに進んでゆくと、竹林は終わり、
まったくジャングルらしくなってきた。
木が生い茂り、苔がむし、足元はひどい。
それでも猫は出てこない。

「あの子が二度と戻ってこなかったら、どうしよう・・・」

夫の肩に飛び乗るのが好きだったボーイ。
甘えんぼうで、やんちゃでかわいい猫だ。
ガールなら、どこかで怪我をしたなら鳴いて知らせるけれど、
声をもたないボーイは、知らせようもない。
庭を見るたび、彼を思い出して胸が痛むだろう。
黄色い猫をみるたび、あの子じゃないかと思うだろう。
名前を呼びながら、私のネガティブ妄想列車は加速する。

祈れるものに祈った。
1時間ほどそうして探していただろうか。
もうダメかと思っていたとき、竹林があったほうから、
バナナの木の横を通って、ボーイがのこのこと歩いてきた。
走っていって、抱き上げた。
「もう会えないかと思ったよ」
祈ったものに、深く感謝。

「もうこれで外は最後、あんたたちはグラウンドだ」

夫が猫に言った。
グラウンドとは、自宅謹慎の意味。
外に出すたび、どんどん行動範囲が広くなる。
往来に出れば車の危険、庭に出ればジャングルがある。
庭仕事をしてくれる人が、ジャングルでイノシシを見たといっていたことがあるし、
外に慣れた猫やマングースもいる。
たまには外に出してあげたい気持ちはあるけれど、
こんなふうに心配するのは、もうご免だ。

そんなわけで、
我が家の猫は自宅謹慎となり、外に出るなら紐つきということになった。

自宅謹慎の元になったヒト

アタシは悪くないのに、不満なヒト