太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ブレてない人

2021-08-14 07:53:31 | 不思議なはなし
昨日、一人の男性が私のレジに来た。
年齢は30代半ばか後半、肌の色は浅黒く、頭は剃ってある。
身長は170ちょっとぐらい、小柄だが無駄のない体形をしている。
俳優のユルブリンナーに似ている。
ユル ブリンナー
彫りの深さも頭も肌の色もこんな感じ


「もうこの辺にしておかないと、ここでは買うのをやめられなさそうだから」
そう言って笑った。
大きな両目が、並々ならぬ力をたたえている。
その男性は、一人でハワイに来ているようだった。

「どのぐらいハワイに住んでいるの?ここは好き?」

「10年ちょっとになるかな、日本以外に住むことになるなんて考えたこともなかったけど、ハワイは大好き。あなたはどこに住んでいるの」

「僕はロサンジェルス。I live in my dream(僕は僕の夢を生きているんだ)」

「夢?」

「そう。アメリカに来て、僕は夢を叶えた。僕にとっては大きな、大きな夢をね。だから毎日が、毎瞬間が、祝福なんだ」

夢を生きている、と言ったあたりで突然、私の両腕に鳥肌が立った。

「ハワイは素晴らしいところだね、あんまり素敵だから、この近くに家を探しているんだよ」

「ちょっとちょっと待って。見て!すごい鳥肌!!!なんで?」

彼は私の腕を見て、微笑んだ。

「そうだね。そういうことって、あるよね」

腕の鳥肌は、行ったり来たりして止まらない。

「日本人の、あなたの友達で僕に紹介してもらえる人はいないかな。日本人はすばらしいよ」

「え、あなた独身?ガールフレンドはいないの?」

「いえ、僕は独身だよ。彼女もいないよ」

「世の中の女性は盲目なのかしらね・・・」


彼が去ったあと、同僚のジェニファーがやってきた。

「ねえねえ、なんで鳥肌たってたの?」

「彼はロスに住んでて、夢を生きてるんだって聞いたら急に鳥肌立ってさ、止まらないんだよー、なんでだろ。なんとか光線出してたか!」

「あはは!!彼ね、フロアにいたとき見たけど、He is centered(彼はブレてない人よね)」

「なんの夢か聞かなかったけど、アメリカンドリームを達成したんだろうね。ヨガなんか似合う人だよね」

「ヨガね。ピッタリ!でも案外IT関係なのかもよ」


オーラなんてものは私には見えないし、特別の意味があるとも思っていないけれど、
彼を包むエネルギーがオーラなのだとしたら、それはとても強い光。
あの鳥肌は、なんだっただろう。
ブレまくってオロオロ生きている私が、ブレてない人の光線を浴びたからだろうか。