来客があると、肥える。
6月に、義兄が滞在していて2キロ増えた。
やっと元に戻った頃、インディアナ州から叔母が来て、振り出しにもどる。
どうしても外食が増えるし、ハワイ在住の叔母の家か我が家に集まって食卓を囲むことも増える。
普段はなるべく食べないようにしている小麦粉を使った食べ物も、食後のデザートも、この時には食べる。
場の雰囲気を壊さないという名目だが、それらは私の好物なのだ。
来客が帰ったあとも、私の舌には食べる癖が残ってしまっており、
毎朝の体重計が恐ろしいという目にあう。
昔は体重など気にしたことがなかった。
ピザもパスタもうどんもデザートも、好きなものを食べて普通に暮らして、特に太ることもなかったのだ。
その調子でいて、それまで履けていたパンツにむりやり体を押し込んで、その醜さに青ざめたのは記憶に新しい。
どんなに変でも私を「かわいい、きれい」と言うように訓練された夫でさえ、
「それは、やめたほうがいい」と言ったのだ。
今、そこまではいっていない。
でも、このまま放置したら、簡単にその域に行くと思う。
痩せてたのに、なんでこんなことになったのか。夫につぶやく。
「摂取した量を、身体が処理できないんでしょ」
そんなこたァわかってる。
それって結局、老化ってことだ。
若いころに戻りたいと思うこともないし、年を重ねることにとりわけ抵抗もないけれど、
少しずつ変化に気づいてしまうのは、なんかやりきれない気持ちがする。
昨日、コーちゃんのワクチン接種で動物病院に行った。
会計するとき、受付の人が夫を見て
「ミリタリーですか?割引できますけど」
と言った。ハゲなので、よく言われる。
「いや、ただのハゲでミリタリーじゃないんだよ、残念だけど」
「じゃあ、55歳以上だとかいったことも・・・・ないですよねえー」
「あー、それも違うなぁ」
背後の椅子で待っていた私は、右手を挙手しながら勢いよく立ち上がった。
「待ったぁ!それ、いただき!」
そしてめでたくシニアディスカウントをしてもらった。
「よかったね、年とってて」
ふん、ほっとけ。
いいこともなけりゃやってられんわ。