太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

舞い上がるような幸せの瞬間

2021-08-27 07:19:35 | 日記
カリフォルニアから来た、若いカップル。
彼らがレジの前に立った途端、ハッピー光線が半端ない。
少し会話したあとで、彼女のほうが

「実は今日、プロポーズされたの!」

と言って、薬指の指輪を見せてくれた。

「あらー!それはおめでとう、よかったね」

どうりでハッピーなはずだ。

「私たち、6年つきあってたの」

彼のほうは、ハワイでプロポーズする計画を立てて来たのだろう。

「日本では、交際期間が長いことを『長い春』って言うんだよ」
「へえ、そうなんだー、私たちの長い春は終わったんだね」

舞い上がるような幸せ。
人生にそういう瞬間はどのぐらいあるだろう。
何の疑問も不安も入り込む隙間のない、ただただもう、幸せなだけという瞬間。
結婚が決まったと友人が報告したとき。
友人の出産をお祝いに出かけたとき。
彼女たちを見て、まるで満月だなあと私は思った。
一点の曇りも欠けもない、完璧な幸せの中に彼女たちはいた。

ねじれにねじれまくった末の、長すぎる春のあとの最初の結婚だった。
結婚するとき、幸せというよりも、両肩が重く、早くふたりで縁側でお茶を飲むようになりたい、などと思っていた。
「嬉しい!幸せ!」という思いはあっても、不安や心配といったネガティブなことにとらわれてしまう癖は、母から受け継いだものだと思う。
当時は、そんなことに気づかなかったけれど。
幸せな恋愛も結婚も出産もなかった私は、満月のような幸せの中にいる友人たちが眩しかった。

私の、舞い上がるような幸せは、ずいぶん遅れてやってきた。
母から受け継いだ癖を捨て、そういう意味での母という存在と決別し、たぶん本来の私を取り戻したときに、それは来た。
今の夫に初めて会って、頭の中で鐘が鳴り響いたとき。
その半年後、ハワイのビーチで結婚式を挙げたとき。
結婚式のとき、私は妊娠していたから、二重の幸せ。
その2週間後に子供はいなくなってしまったけど、私に満月を味合わせるために一瞬来てくれたのかも、などと思う。


「今度ハワイに来るときは結婚式ね」

カップルにそう言うと、彼女は飛び上がって喜んだ。

「そうだよ、それがいいよ、ねえ、そうしようよ!!!」

この旅行は、何を見ても輝いて、眠るのも惜しいだろう。
ずっとずっとお幸せに。
そんなありふれた言葉が、真実味をもって心に浮かぶ。
私まで幸せな気持ちになれた出会いだった。